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- 本 ・洋書 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9780316450720
感想・レビュー・書評
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大学生の時に読んで、もっと早く知りたかったと思った本を読み返す。世の中は完璧じゃないけどそれでもいいじゃないか、という終わりに癒されて安心した記憶があるけれど、今回は知的で面白い会話を読むのが楽しかった。わたしも優しいGlass家の一員になりたい。
そして割と宗教の話だったんですね。忘れていたけれど。アメリカ人の語るキリスト教は論理的だといつも思う。こうこうこういう理由だからJesusは神の子である。対してカトリック系の国だと、とりあえず信じなさい、自分で考えなくていいから。って価値観の印象がある。フラニーが読んでいる本もだし、同じロシアならトルストイだって。
ヨガだとか仏教とかすごく今風の話で、50年代に書かれたなんて信じられない。ただただ祈る、っていうのもハワイのホ・オポノポノに近いし、結果を求めない、っていう価値観だって冷戦以降、日本だったら高度経済成長以降の価値観なんじゃないかな。実はひっそり21世紀まで生きていたサリンジャー。ただの流行作家じゃなくて頭の中に面白い考えがたくさん詰まってたんですね。わたしは好きです。本を読んでよかったって思える。
電車のなかで読んでいたら白髪の紳士に声をかけられた。そんなに古い本どうやって知ったの。How did you know? 短編やライ麦畑は有名だけど、フラニーとゾーイを選ぶなんて珍しい。
彼はただただfunnyだと思ったそうです。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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