The Catcher in the Rye

著者 :
  • Little, Brown and Company
3.85
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本棚登録 : 474
レビュー : 63
  • Amazon.co.jp ・洋書 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9787543321724

感想・レビュー・書評

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  • 要は優秀な高校からドロップアウトした社会不適合者の逃避行である。皆が大人になりゆき、自分もまた容姿は大人に近づく。一方、心はまだ子どもである。大人が持っている社会常識に唾を吐き、彼らをphony(インチキ)だと罵る。そんな、彼の素朴な疑問、反感は「大人」からは全てshoutやcryとして片付けられる。彼の反常識(≠非常識)の言動は大人にとっては耳障りなのである。彼が子どもであるならば、笑って済まされるのかもしれないが、彼は一部大人である故に扱き下ろされる。一方、バーなどで大人として振る舞おうにも、子どもだと見破られる。著者にとって、ティーンというのはなんとも息苦しい年代らしい。
    そんな中、彼が唯一気を許せるといっていい存在が一人いる。妹である。彼は妹の、phonyとは対照的な無邪気さに夢中になる。そして、なんとも可愛いのだ。彼女がメリーゴーランドに乗っているのを、雨の中ただ見守るというシーンがある。彼女を見守っているだけでいいのなら、そこで時間が止まるのなら、それで良かったのだろう。
    結局逃避行は失敗する。大人たちに散々否定された挙句、親に精神病院に入れられ(?)、またすぐ高校に通わされるという。その後日譚だけ淡々と綴られる。なんとも重い、結末である。
    この本を読んでいると、幼少期にノスタルジーを感じる。しかし、読んだのは2度目であるが、前読んだ時よりも遠さを感じる。そして、phonyたちの理屈にますます共感を覚えてくる、主人公に歯痒くなってくる。それもまた成長なのかもしれないし、ただの老いかもしれない。

  • ジュニア(高2)の娘の教材で、返却までに時間があったので読んでみました。
    ライ麦畑が広がる田舎のお話かと思っていたので、先ず、ニューヨークが舞台だと知り驚きました。
    書かれた時代を考えると当たり前ですが、表現とスラングが古いので、主人公にそれほど反抗的な印象はなかった。人のことはよく観察・分析しているのに(それが時に面白い)、自分自身の事となると上手く表現できてなくて、彼の苦悩がよく感じ取れました。子どもでもなく大人でもない、中途半端な年齢にはありがちかと。そんな彼が接する人たちが、この本を「単なるティーンの独り言」じゃなくしている。上辺だけの言葉を発すると毛嫌いしたり、バカにしていても、彼なりに向き合って何かを感じ取ろうとしているのが伝わる。甘えた事を言って!と思った事も何度もあったけど、妹に将来の事と好きな事を聞かれて言葉に詰まったところは悲しくなった。
    共感は出来なくても、彼の苦悩を多少は理解できる人も多いじゃないかと思います。

  • 「サリンジャーと過ごした日々」を読んで、急にサリンジャー作品が読みたくなり再挑戦。思春期に一度この本に渡来したけれど、半分くらいのところで挫折し、読了できなかった。しかも、全然理解できない小説だった。なのに、今回は没頭して一気に読みきった。ティーンエージャーでもないのにものすごく共感できた。脱帽。

  • 一週間で読めるもんだな、と思った。

    村上春樹の訳と照らし合わせながら。

  • 村上春樹訳バージョンは読んだことがあったが、英語の勉強も兼ねて原文を読んでみた。

    口が悪い登場人物や、汚い言い回しもたくさん出てくるが、それでも文学作品としての品の良さを維持してるのは面白いなと。
    英文そのものの美しさとかはよくわからないけど。(普段まったく英語文学を読まないので)

  • 好きすぎる故に感想をほとんど書けない。
    青年時代のバイブル。辻仁成と似たタッチで青年期の葛藤を描いた小説。ホールデンの潔癖さと素直さ。そして脆さ。

    'The mark of the immature man is that he wants to die nobly for a cause, while the mark of the mature man is that he wants to live humbly for one.'

  • ちょっとしたことにすぐ腹を立て、ふさぎこみ、周りがインチキばっかりだと言ってみる。そんな青い時代が私にもありました…。今となっては、自分が完璧じゃないのと同様、周りも完璧じゃない、って思えるようになっているから、むかつくことがあっても自分の感情を受け流したり、落ち込んだら好きなもの食べて寝るとか対処法を見つけてまぁ無難に生きてるわけですが、それができないのが青春よねー。男の子は女の子に比べても一層不器用だよね、と若かりし日の弟を思い浮かべて見たりもして。10年前に読んでたら私はどう受け止めただろう?

  • 独特なレトリックが楽しい小説なので、原著でも読んでおこうと思って読了。村上春樹訳を読み込んだ直後に読んだので、かなりスラスラと読めた。英語の勉強だけが目的だったら、訳書に続けて読むというのもかなり効率的だな。

    ストーリーはもちろん邦訳通りなので、これと言った話はなし。独自の語彙("phony", "lousy", "have time", "kill me" and all)に慣れれば、英語は平易。

  • 初めて原書というものを読んだ。
    日本語訳(野崎訳)は3回くらい読んだことがあるので、英語が苦手でも情景がすっと頭に入ってきた。

    自分の周りのことや人を全てインチキ(phony)だといい、それが嫌いだというホールデン。
    行動の端々から、それと向き合って納得して、大人に近づこうという彼の無意識の努力を感じる。
    しかし、それはことごとく空回りしてしまう。

    この物語の舞台は50年ほど前のアメリカだけど、インチキだと思うことって今の日本にもたくさん存在してると思う。
    建前上の挨拶とかそんな類のこと。
    みんなそのインチキに、時には憤りを感じ、怒って、悲しんで、そして自分の中で無理矢理納得して大人になっていく。
    納得しないとホールデンみたいに人間社会に溶け込めなくなってしまうから。
    アントリーニ先生が言っていた「高貴な死より卑小な生」とはこういうことなんだと思う。

    一番好きなシーンはやはりラストのメリーゴーランド。
    このシーンで唯一happyという単語が出てくる。
    無邪気で純粋で賢いフィービー。
    可愛いし愛らしい。
    まさにShe kills me.なのだろう。

  • we all are Holden Caulfield. this story never get old.

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