Fahrenheit 451

著者 :
  • Ballantine Books
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780345410016

感想・レビュー・書評

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  • 2012/07/20

    ラストでモンターグが思い起こした黙示録の言葉。

     "either side of the river, the tree of life with its twelve kinds of fruit,
      yielding its fruit each month.
     The leaves of the tree were for the healing of the nations."

     「川は、都の大通りの中央を流れ、その両岸には命の木があって、
     年に十二回実を結び、毎月実をみのらせる。
     そして、その木の葉は諸国の民の病を治す。 」

     (ヨハネの黙示録 『新約聖書』)

    この辺りはやはりキリスト教について知らないと、ピンと来ないですね。
    そもそも焚書というテーマからして、プロテスタントの勃興において
    行われたものがもとになってますし。

    また、序盤で自ら本と共に焼けることを選ぶ老女の台詞。
    ヒュー・ラティマーによる辞世句です。

     "Be of good comfort, Master Ridley, and play the man;
     we shall this day light such a candle,
     by God's grace, in England, as I trust shall never be put out"

     「お気を楽に。リドリー教授。勇敢に振舞いましょう。
     我々は神の御恵みにより、この地イングランドで、
     いつまでも消えない灯芯と成らん。」

    物事を深く考える人々がすなわち人を思いやれるのか、
    単に知識があることが偉いのか、
    人生において享楽だけを追い求めるのはいけないことなのか。
    (ミルドレッドは不眠のようだが、本人は幸せだと言っている。
    おそらくは無関心ゆえに利己的になることが災いなのであって、
    悩みがなければそれに越したことはないとも思う)

    街が廃墟と化した後、モンターグはついに
    妻と最初に出会った場所を思い出す。
    これはモンターグが決定的に生まれ変わり、
    都市に住んでいた住民と袂を分かった瞬間だったのかもしれない。

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