Everything I Never Told You

著者 :
  • Blackfriars
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本棚登録 : 41
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 8601410724337

感想・レビュー・書評

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  • アジアンアメリカンが書く人気小説って何がある?と聞けばCeleste Ngの小説を答えられることが多い。アメリカでのアジア人像を掴む一環としての基礎教養として読み進めてみようと思っている。本作が私の入門作だ。

    結果から言うと、色々構築しすぎて逆に真実性を失ってしまった小説だと思った。メッセージ性をクリアにしようと、登場人物に象徴性、記号性を持たせすぎてしまった結果、人物から多面性が失われ単調になった。典型的なメロドラマの構成に、人種のスパイスを振りかけたような意外性のない物語。

    一方で、描きたかったメッセージは明確だ。
    ただただ周囲に馴染みたかったアジア人の男性、そして特別になりたかった白人の女性。それぞれが自分たちのエゴを子供達に押しつき、子どもたちは否応なくその負の遺産を引き継ぐ。潜在的な自己嫌悪によるアジア的な見た目を引き継いた子供に対する軽視と、そうじゃない見た目の子供の重視。直接的な、そして非直接的、時々自意識で作られた差別によって行動や態度を規範され制限される生き方。

    ないよりは、ある方がいい小説。
    断片的で狭窄な理解だったとしも、理解がないよりはいい。
    でもきっと、もっともっと評価が高く、より広く知られる作家が育つ余地がまだまだある。

  • Engのクラスで読んだ初めて英語の小説ちゃんと終わらせた。
    知らず知らずのうちにわたしもリディアの父みたいになりそうで時々怖い。

  • 中国系移民2世で周囲に溶け込めないことがコンプレックスだった父、良き妻良き母であれという母親の信念に反して医者になりたかった母。父は母似で青い目の娘が周りに溶け込んで生きることを熱望し、母は自分の果たせなかった医者になる夢を娘に託した。そして娘はある日湖で死んだ。
    それぞれが自分の視点だけで相手を見ていた結果起こっていたボタンのかけ違いは少しずつ家族の関係のひずみとなっていて、それが娘の死をきっかけに亀裂となり家庭は崩壊へと向かう。

    両親の果たせなかった夢を託された長女、妹に親の注目を奪われたがゆえに自由になった長男、家族全員に存在すら認識されない次女。親の期待という名の呪いがテーマかなと思うが、それ以外にも人種差別や性別による差別なども大きく関わっている。
    父や母がそうなってしまった背景には同情するが、それにしても身勝手だろうと思ったし、下の妹はなんかよくわからない役回りだった。

  • 「料理本」が果たしている役割がよかったというか上手かった。

  • 選書企画2021 「図書館に置いて欲しい本 書いて!貼って!」 購入図書

    【配架場所】 図・3F開架
    【請求記号】 933||NG
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/459283

  • 思った以上に暗い‥。後半までどんどんどんどん暗くなっていくからついついラストが明るくなったような気がしちゃうけど、実は結構最後まで暗いよな。

  • Lydia is dead.から始まる。冒頭で主人公が死んでいる。自殺なのか他殺なのか、、New York Timesのベストセラーだというので読んでみたけど、、暗い。。星2つかな⭐️⭐️⭐︎⭐︎⭐︎
    主人公?は白人の母と中国系アメリカ人の間に生まれた目の青いアジア系の少女。米国社会の中の差別を描いているのかと思いきや単純にそうではない。結婚前に医者になりたかった母親の娘に対する期待、白人社会の中で努力してHarvardを卒業して大学教授となった父親が娘に寄せる期待や彼女の兄妹の思いが複雑に絡み合って結局彼女は池に沈んでしまう。
    主人公の死の告知からスタートしてだんだん話がもっと暗くなり、途中から死に至る周りの状況が明らかになりながら終わる。沼の表面からどんどん底に沈んで、途中から浮かび上がって、最後は湖面の明るさが沼の底から浮かび上がるときに表面の明るみが見えて終わるみたいなストーリーの流れです。
    私は能天気に明るいストーリーが好きなんですが、、ミステリー小説と間違えて読んでしまいました(TT)次は明るいのを読みたいのですけど、、
    カズオ イシグロの新作 Klara and the Sunが3/2にリリースされるのだがカズオイシグロも能天気に明るい話の訳はないよなあ、、カズオイシグロはほとんど読んできたので意地でも新作は読みますが

  • Little Fires Everywhere の作者のデビュー作。
    長女のLydiaが池の中で溺れて死んでいるところから物語はスタートしたので、ミステリー系かと思いきや、家族1人1人がそれぞれ抱えている苦悩が積み重なっていて悲劇に繋がった、という話。
    アメリカに住んでいる中華系アメリカ人のお父さんと白人のお母さん、ハーフの子どもたちがそれぞれ悩みやコンプレックスを感じながら暮らしていて、長女が亡くなったことにより家族内の亀裂が表面化された。お父さんはアジア人の見た目であまり学校などで馴染めず、お母さんは女性として子どもができて科学者としての道を諦め、Lydia はそんな両親からすごく期待されてしまっていて息が詰まってしまった。アジア人ならではの親を裏切りたくない気持ちなど描かれている。
    Little Fires Everywhere もそうだったが、アジア人が物語に出てくるがすごく新鮮に感じる。これからも作者にはそのアジアアメリカ系にフォーカスしたものを出して欲しいと強く願う。
    あまり根本的な解決が出来ていなくてスッキリするわけではなくて、それぞれの苦悩を繰り返し強調されていたのがあまり好きではなかったけど、すごく読みやすい話だった。

  • Very sad story - but believable characters and dialogue.

  • すごく悲しい物語なんだけど、サスペンスと思いきや家族の葛藤や中国系アメリカ人の苦悩、親子や兄妹の愛情など考えさせられることの多い素敵な本だった。

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