Die With Zero: Getting All You Can from Your Money and Your Life
- Mariner Books (2020年7月28日発売)


- Amazon.co.jp ・洋書 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9780358099765
感想・レビュー・書評
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将来の緊急事態や老後に備えて貯金をするのはいいけれど、その貯め込んだお金をしっかり使い切って人生を楽しむことなくこの世を去る人が実は多い…という事実を基に、「死ぬ時には銀行口座に残ったお金がゼロになるように人生計画を立てていこう!」というのが、この本のタイトルが押し出す主張。「人生とは、培ってきた思い出達の集大成である」という考えの作者がお勧めするのはやっぱり、体験にお金を遣うべき、というもの。他の本でも同じことが言われてるけど、この作者はもうちょっと突っ込んで、「お金が無くても、体力があって健康体な若いうちに、旅行はたくさんしておくべき。お金を貯めて、時間がたっぷりある定年退職後に世界旅行をしようとしたって、肝心な体力がないと旅行も楽しめない」とか、「子どもがいる場合、自分が死んでしまった後で読まれる遺言状で遺産を相続するよりも、遺産をもらう側も若いうちにもらったほうがお金が活きるんだから、自分が生きている間にさっさと遺産相続しておくべき」とか、面白い視点で描かれてるのが印象的だった。私は結婚もしてないし、子どももいないけど、体力のある今のうちに行きたい場所にはどんどん行っておかないと、楽しい旅行も将来楽しくなくなっちゃうというのは納得。そして、家族や友達や大切な人達との楽しい時間や、将来思い返して幸せな気分になれるような体験にはしっかりお金を遣っていきたいなと改めて思わせてもらった。コロナのせいで、旅行はおろか一時帰国も出来ない状況だけど、シンガポール国内でもたくさん思い出は作れるし、こんな状況だからこそ、離れている家族に手紙を書いたり贈り物をしたり、今だから出来ることを引き続きやっていこうと思う。
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ルール1 「今にしかできないこと」に投資する
『自分は今までいったい何をしていたのだろう?これ以上、先延ばしをせずに、今すぐ、本当にやりたいこと、大切なことをすべきだ』
『残念なことに、私たちは喜びを先送りしすぎている。手遅れになるまでやりたいことを我慢し、ただただ金を節約する』
『大切なのは、自分が何をすれば幸せになるかを知り、その経験に惜しまず金を使うこと』
『金のために人生を犠牲にすべきではない、仕事や物質の奴隷になってはいけない』
『節約ばかりしていると、そのときにしかできない経験をするチャンスを失う。その結果、世界が必要以上に小さな場所になってしまう。人生は経験の合計だからだ』
ルール2 一刻も早く経験に金を使う
『人生でしなければならない一番大切な仕事は、思い出づくりです。最後に残るのは、結局それだけなのです』
『経験からは、その瞬間の喜びだけではなく、後で思い出せる記憶が得られる』
『金を払って得られるのは、その経験だけではない。その経験が残りの人生でもたらす喜び、つまり記憶の配当も含まれている』
『もちろん、老後の備えは必要だ。だが、老後で何より価値が高まるのは思い出だ』
『とにかく早い段階で経験に投資すべきだ。そうすれば、年齢を重ねるほどに驚くほど多くのリターンが得られる』
ルール3 ゼロで死ぬ
『莫大な時間を費やして働いても、稼いだ金をすべて使わずに死んでしまえば、人生の貴重な時間を無駄に働いて過ごしたことになる。その時間を取り戻すすべはない』
『生きているうちに金を使い切ること、つまり「ゼロで死ぬ」を目指してほしい』
『最後の数日、数ヶ月を生き延びるのに必要な医療費を貯めるために、人生の貴重な数年間を犠牲にしてまで働きたいと思うだろうか?』
『今の生活の質を犠牲にしてまで、老後に備えすぎるのは、大きな間違い』
ルール4 人生最後の日を意識する
『リスク許容度を考えて備える場合と、単に闇雲に恐怖にかられて備える場合とでは、とてつもなく大きな違いが生まれる』
『富の最大化ではなく、人生の喜びを最大化するための方法を探すこと』
『人生の残り時間を意識しよう』
ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える
『どれくらいの財産を、いつ与えるかを意図的に考え、自分が死ぬ前に与える』
『親が財産を分け与えるのは、子どもが26〜35歳のときが最善』
『幼少期に親から十分な愛情を注がれた人は、成人後も他人と良い関係を築け、薬物中毒になったりうつ病を発症したりする割合が低くなる』
ルール6 年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化する
『今しかできない経験への支出と、将来のための貯蓄の適切なバランスを取る』
『金の価値は加齢とともに低下する』
『金ではなく、健康と時間を重視すること。それが人生の満足度を上げるコツ』
『年齢を問わず、健康ほど、経験を楽しむ能力に影響するものはない。健康は、金よりもはるかに価値が高い』
『若い頃に健康に投資した人ほど得をする』
『時間は金よりもはるかに希少で有限だ…時間をつくるために金を払う人は、収入に関係なく、人生の満足度を高めることがわかっている』
ルール7 やりたいことの「賞味期限」を意識する
『死ぬ前に後悔することトップ2』
①「勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった」
②「働きすぎなかったらよかった」
『人は終わりを意識すると、その時間を最大限に活用しようとする意欲が高まる』
ルール8 45〜60歳に資産を取り崩し始める
『人生のある段階で、まだ経験から多くの楽しみを引き出せる体力があるうちに、純資産を取り崩していくべき』
『死ぬまでに必要な金=1年間の生活費×人生の残りの年数×0.7』
『老後資金を必要以上に増やそうと働き続けると、何か(金)は得られても、それ以上に貴重なもの(時間と健康)をのがしてしまう』
『老後のために過度に貯蓄すゆのではなく、金をもっと早い段階で有効に活用することを計画すべき』
ルール9 大胆にリスクを取る
『デメリットが極めて小さく(あるいは、失うものが何もなく)、メリットが極めて大きい場合、大胆な行動を取らないほうがリスクとなる』
『年を取ると、失うものは増える。成功して得られるものも少なくなる』
『本当にやりたいことを探したいのなら、リスクを取るときがあってもいい』
『確実性は低いが経済的、心理的にはるかに大きなやりがいが感じられる大胆な道』
『一番恐れるべきは、「80歳になったときに潤沢な資産があるか」ではない。人生と時間を無駄にしてしまうこと』
人生で一番大切なのは、思い出を作ること -
We cannot take money with us when we die. Then, what we should do in our life more than earning money? Author tells passionately about what is the best way of living in the limited life. I should like to live a life as I can say that my life was really good at the last moment.