- Amazon.co.jp ・洋書 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9780385490818
感想・レビュー・書評
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In Margaret Atwood’s dystopian future, environmental disasters and declining birthrates have led to a Second American Civil War. The result is the rise of the Republic of Gilead, a totalitarian regime that enforces rigid social roles and enslaves the few remaining fertile women. Offred is one of these, a Handmaid bound to produce children for one of Gilead’s commanders. Deprived of her husband, her child, her freedom, and even her own name, Offred clings to her memories and her will to survive. At once a scathing satire, an ominous warning, and a tour de force of narrative suspense, The Handmaid’s Tale is a modern classic.
(↑ Amazon.comより抜粋)
以前本屋に出向くとよく積み上げられてた、当時話題だったディストピア系の本。気になってはいたもののなかなか読めず。つい先日、本屋でこの本の続編が売られているのを見て、読みたいと思っていた時期からもうそんなに時間が経ってしまっていた事を痛感…という訳で、今回耳読書してみました。まず、主人公が生きる時代の世界観がすごく独特。ディストピアというだけあって、制度や法律が今と全く違う近未来(現在のアメリカが舞台)で生きる主人公が、誰宛にでもなく一人でその様子を語る…という形でストーリーが展開するんだけど、その近未来の設定が極端に歪んでいて、なおかつストーリーの序盤に丁寧に読者に説明されるわけでもない。読者は「この世界には一体どんなルールがあって、人々の生活は今に比べてどう変わってしまったのか」を少しずつ理解していく。最初から最後まで暗くてよどんだ世界観で、今の自分の生活がどんなに自由なのかを再確認してしまう。主人公が最後にどうなって、ストーリーがどうゆう終わり方をするのかがすごく気になりながら聴いていたけど、終わらせ方がすごく巧いなぁ、ニクいなぁ、と思った。ディストピアものって作者の想像力がすごく発揮されるジャンルだと思うし、今自分達が住んでいる世界が、そう遠くない未来にとんでもない場所になってしまう可能性を想像したら恐ろしい。そして、今ある生活をしっかり噛み締めていこう…とそんなことを感じたハロウィンの日でした。続編もダウンロード済だから、近いうちに聴かねば。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オーディブルで聴きました。
マーガレットアトウッド氏最高。この本でアトウッド氏にハマり、いろいろ読み始めました。
アトウッド氏になぜもっと早く出会わなかったんだろう。こんな本を1985年に書いてしまうとは、かっこよすぎる。彼女は詩人でもあるためか、言葉にエッジが効いている。センスの塊。英語ネイティブでは全くない私でさえそう感じる。
ドラマで有名になっているので、多くの人がストーリーを知っていると思うけれど、この本の内容はシーズン1まで。シーズン2、3はドラマ オリジナル。ドラマは本をどこまで再現しているのか、どこがドラマオリジナルなのかを知るためにも、原作もぜひ読んでほしい。
本に戻ると、まず印象に残るのは、主人公がカナダに来た日本人女性観光客を見て「うらやましい」と思うところ。そして、主人公は日本人観光客から「幸せですか?」と質問される。
この本は、1985年に出版された。この年、日本では男女雇用機会均等法が制定された。欧米からみたら、日本は令和の人が思う明治時代(江戸?)みたいな男尊女卑の最たる国。
アトウッド氏は日本人女性の地位がかなり低く、憐れむ存在だと思っていたはず。この「男性に従順に生きていくしかない、かわいそうな国の人」に幸せかどうかを聞かれるって、欧米人にとってこれ以上の屈辱ってあるだろうか。自分が見下していた人にいきなりマウント取られてしまうような…。
ドラマではこのセリフを言うのは日本人ではない。今となっては日本人女性がそこまでかわいそうな存在ではなくなったというのもあるのかもしれない。
また最後のHistorical Noteは、「これってなに?」と聞き始め、状況を理解すると「おお、そういうことか」とまたさらに アトウッド氏の頭の良さにひれ伏す思いでした。 -
現実味のないディストピア作品だったが、世のオートメーション化が進み人間がモノ化する時代が実際に来るのならば、この本のような現実が訪れるのかもしれない。
私は課題読書なので頑張って読みましたが、気分が悪くなるような内容なのでおすすめはしません。 -
ディストピア物だから当然なんだけど、暗い。そしてモノトーン。でもシーンを想像すると結構末恐ろしい。彼女がどうなったかも気になる。
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Audible。 ナレータはClaire Danes。
10年くらい前に読んだのですが、映像化(最初の方しかまだ見てないけど結構面白い)されたり続編が出たりしたので再読。
つらい話ではあるので心の体力が持つかなと思ったのですが、そう思ってコージーものに逃げたら楽しめなかったので、読み応えのあるものを求めているんだろうと思って挑戦しました。
あらすじは覚えていましたが、二度目なのもあるのか、記憶以上にreadabilityが高く、また最近のアメリカを含む保守化の動きととても似ているところも多くて、現実感をもってぞっとしながら読みました。ディストピアものは、現実世界を反映していることが非常に大切だと思うので、そういう意味でも名作ですが、小説としても単純にとても面白く、読ませるなとあらためて思いました。
Claire Danesは、私がホームランドを見ていないのもあってどうしてもロミオ+ジュリエットの美少女イメージが強いのだけど、2012年当時ですっかり大人の声で(あたりまえだけど)、聞きごたえのある良いナレーションでした。今だったらドラマ主演のケイト・モスが演じるのかもしれません。
ワンクッションおいて(エンタメにいったん逃げて)、その次に続編に行こうと思います。 -
英語で読書を楽しめるように、と友人お勧めのこの本を選びました。
所々読み飛ばすこともあったけど、ラストに向けてはページをめくる手が止まらなかったです!
ネタバレ読まずに進めて良かった、と読み終わった瞬間、自分を褒めたくなりました。
積読している英語の本色々あるのでしばらくは読み返さないかな、と思いつつ、もう一度読んでも熱中出来そうなので星4です! -
The Testamentより怖い。
個人の尊厳とアイデンティティが奪われたとき、人はどれくらい絶望するのか、実にリアルに描かれている。 -
世界の小説を読む第5冊目カナダ
「侍女の物語」マーガレット・アトウッド
ギレアデ共和国と呼ばれるかつてアメリカだった地は、宗教の名の下に厳しく統率された階級社会へと進化した。そんな街で侍女として暮らすオブフレッド。彼女は異常なまでに出生率が低下してしまった世界で、司令官の子を設けるためだけに家に仕えている。ただ生殖のためだけに生かされ、監視された息苦しく孤独な毎日を送る彼女の唯一の心の拠り所は、かつて夫と子と過ごした最後の時間のみ。そんな彼女の生活にも、少しずつ歪みが生じ始める。ディストピア小説大好きなので面白かった。案外こう言う世界も間近なのかもしれない。