The Code Book: The Science of Secrecy from Ancient Egypt to Quantum Cryptography

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  • Amazon.co.jp ・洋書 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780385495325

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  • 暗号の歴史の本。最初の百ページは古代から第一次世界大戦まで、つまり無線ができる以前の暗号について。ここは少年少女向けの冒険物語に出てくるような話が多く、暗号の仕組みを学びながらワクワクできる。

    次の百ページはエニグマの仕組み等、無線と暗号の話 。エニグマは期待通りの面白さだったが、より興味深く読んだのは太平洋戦争時のアメリカが用いた、ナヴァホ語を用いた暗号の話。ナヴァホ語なんて知らない日本は歯が立たなかったらしい。暗号は同じ語の繰り返しを糸口に解かれてしまうものだということで、その点に甘さが出て失敗したエニグマと、大いに配慮して成功したナヴァホ語暗号との対比が印象的だった。

    次の百ページはインターネットと暗号について。ぼんやりと聞いたことのある、公開鍵と個人鍵の話など。ワクワク感はやや薄れるが、とにかく現代の話なので共感しやすい。ここで「アリスとボブと、イブ」という架空の3人の人物が登場して暗号の仕組みの説明に役立ってくれるのだが、この3人には最後まで実にお世話になった。

    最後の50ページが量子コンピュータと暗号の未来について。量子力学については何度読んでも夢のような感じがする。しかし何度何を読んでも同じことが書いてあるので、うすうす「そんなものなのかなぁ…」という気がしてきた。とにかく量子コンピュータが実現すれば、暗号解読は全く新たな領域に入るらしい。

    テンポが良くて分かりやすかった。図表が多く掲載されているのも良い。巻末に暗号解読チャレンジ問題が付いていて、しっかり暗号の基本をおさらいできるようになっている。

  • 暗号という、情報の伝達・共有手段を極限まで機能化・理論した、かつ大昔から存在する行為/道具に焦点を絞り、その歴史を網羅的にたどりながらも、特に象徴的な事件は掘り下げて記述した、科学ドキュメンタリーのベストセラー。エニグマとかボンベとかチューリングとか。もちろん最新の事例は、コンピューターの機能と暗号、量子科学とのせめぎ合いまで話は及びます。

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