The Biggest Bear: A Caldecott Award Winner
- Clarion Books (1973年3月15日発売)


- Amazon.co.jp ・洋書 (88ページ)
- / ISBN・EAN: 9780395150245
感想・レビュー・書評
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結末についてまだ考えているが良い案が浮かばない。
本作の主人公の少年、ジョニー・オーチャードは谷を上ったところの森のそばの農場に祖父や両親と暮らしている。彼はメープルシュガーなどを買いに店に降りていくといつも、恥ずかしくなるのだった。
というのも、通り沿いのどの家々の壁にも、熊の毛皮が貼り付けて乾かしてあるから。ジョニーの納屋にはそれがあったためしがなかった。
そこでジョニーは銃で大きな熊を仕留めてやろうと、みずから森に入っていく。そこで出会ったのがまだ幼い仔熊。ジョニーはその仔熊を家に連れ帰ってしまう。
仔熊は家族の一員のようにジョニーの農場で暮らし始める。が、仔熊はすくすくと成長し、農場のリンゴを食べあらし、台所を荒らし、畑のトウモロコシを食い散らし、燻製にしていたハムやベーコンを平らげる。いつのまにか、一帯でいちばん巨大な熊にまで成長している。
集落の人たちと話し合った結果、しかたなくジョニーは熊を森へ返しにいくことにする。
ところが、すぐにジョニーの家に帰ってくる。たとえ船に乗せて湖の対岸まで連れていっても。
いよいよ、本作ではあからさまには書かれていないが、ジョニーは銃をたずさえて熊といっしょにふたたび森へ入っていく(このあたり、ドキドキしながら読んだ)。
この後の結末がやっぱり、なしだ。
ジョニーと熊は2人して罠にかかって閉じ込められる。じきに判明するが、これは街の動物園で飼育する動物を探しにきた人たちがかけた罠だったのだ。
熊の命は助かりましためでたしめでたし、問題解決、と言いたいのだろうけど、ん、ちょっと待てよと思う。
それでは、とりあえず共生できない危ない奴は入院させとけ、みたいな理屈だ。
「命」の大切さを伝えたいのだろう絵本が、それ以上に、それぞれ違った存在がたがいに「らしく生きる」大切さをないがしろにしている。
どうやら本作はリアリズム志向のお話らしい。だから別の結末をいろいろ考えてみたがなかなか難しい。
もしも結末まではっきりと描くなら、そして共生が不可能であるという事実を伝えるなら、
動物園に連れていくという偽善は描かずに、ジョニーは自分の持っている銃で熊を撃つしかないと思う。
そしてなんらかの仕方で丁重に熊を葬るか食べるか生活の一部として利用するかなどすればいいと思う。
でもそれはいくらなんでも……という思いもある。ここは結末を読者に委ねるかたちで、ジョニーと熊が森へ入っていくところで終わらせるのが妥当な気もする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
米国くもん推薦図書B2(小学2年生レベル)ー5/15
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●YL:2 総語数:974 1953年コルデコット賞 『人との距離感を失ってしまったクマ。途中、チョビ泣きでした』 ★audiblで音源購入可。
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(YL2 総語数:974)
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1953, Ages 4-8
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