Pastime (Spenser)

著者 :
  • G.P. Putnam's Sons
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本棚登録 : 10
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780425132937

感想・レビュー・書評

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  • ここまで読んだROBERT PARKERシリーズで最も難解な本。何が目的で、なにがどう解決したのかさっぱりわからないまま、2週間。拷問に近い読書だった。

  • スペンサーシリーズ18作目。邦題は「晩秋」。これは素晴らしい邦題である。

    スペンサーシリーズで今のところ私が一番好きなのは7作目のEarly Autumn (初秋)であり、これはシリーズ中でもかなり人気がある名作である。「初秋」でスペンサーに救われ、事実上彼の保護下となった少年ポール。すっかり立派になり、今ではニューヨークでダンサーとして活躍している。7作目以降、クリスマスなどにも彼はスペンサーのところへ「里帰り」してきた。スーザンと一時期別れてすっかりダメになりそうだったスペンサーを必死で支えてくれたのもポールである。

    そのポールがもう一度、過去としっかり向き合う時がやってきた。それがこの作品である。

    ポールの母、パティがいなくなった。どうやら新しいボーイフレンドと共に姿を消したらしい。いい母親とはお世辞にも言えないが、やはり母親のことは心配だ。ポールはスペンサーにパティを一緒に探してくれ、と頼む。まずはボーイフレンドが誰なのかを探るところから二人の捜査は始まった・・・。

    大人になったポール。カウンセリングやスペンサーの愛情、薫陶を受けてすっかりあの子供時代から立ち直ったかのような彼だが、やはり子供の頃の「愛されなかった」傷跡は深い。今回、スペンサーとともに、大人として母に向き合うことで、ポールはまた一つ壁を破っていく。それは決して楽なことではないし、壁を破ったあとも傷は残り、痛みは消えないのだけれど。

    今作では、もう一つ、シリーズを通して続いてきた物語が一段落する。それは、一作目から登場しているボストンの暗黒界のボス、ジョー・ブロズとのかかわりだ。ジョー・ブロズとスペンサーは嫌いあう仲だが、ブロズの右腕であり、有能極まりないヴィニー・モリスは、スペンサーにある種の敬意を持っている。スペンサーもモリスには敬意を払っており、この二人の間には、ある意味、敵ながら時には協力もするという不思議な関係が生まれていた。

    その関係を少しずつ崩しそうになったのが、ジョーの息子、ゲリーの存在である。最初に登場したのは12作目のWidening Gyre(拡がる環)。父親のジョーはそれでも犯罪界のボスとしてそれなりに切れるが、この息子は正直、ダメな二代目の典型である。その後も何度かスペンサーとゲリーはぶつかる機会があった。

    今回、パティのボーイフレンドはゲリーに追われており、このことが理由で、本の最後にはジョーに言いつけられ、ゲリーは一対一でスペンサーを殺そうとする。当然勝てるわきゃないのだが(笑)。スペンサーはゲリーに怪我はさせるが殺さない。

    そして、ジョーのゲリーへの盲目的な愛は、結局彼の大事な右腕であるヴィニーがジョーを見捨てる結果につながる。ブロズファミリーの終焉が近いことを匂わせる。これからはヴィニーがボストンを牛耳ることになっていくような気がする。

    そして今作で登場する新キャラクターの犬、パール。スーザンの元夫が海外に移住となり、この犬をスーザンに預けて(譲って)いく。このパールが、スペンサーの良き(笑)パートナーとなりそうだ。数々の描写が、いかにも犬好きのパーカーらしい。

    また、スーザンとスペンサーの会話の中で、スペンサーの少年時代の思い出が語られる。これが、後年パーカーが少年少女向けに書き下ろしたChasing the Bear(スペンサーの少年時代を描いたもの)という本につながっていくのだろう。これも後で読むのが楽しみで積読してある。

    ほろ苦く、しかし後味はそう悪くない終わり。ラストシーンは夜のボストン。雨の中でスーザンを抱きしめてキスをするスペンサー。男の人ってどうしてこうもロマンチックなんでしょう(笑)、という感じの終わり方。スーザンも本の中で同じことを言っているのがおかしい。

    このまま次作に進む。

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