スペンサーシリーズ22作目。ボストン警察殺人課のベルソンの新妻リンダが失踪した。そしてベルソンも誰かに撃たれて重傷を負う。スペンサーは友人ベルソンのためにリンダを捜し始める。そしてリンダの名前は偽名であり、彼女にはベルソンの知らない過去があることを知る。リンダはどうやら過去の恋人で、近郊のヒスパニック系ギャングの若者、ルイス・デレオンに誘拐されたのではないかと考えるスペンサー。しかしデレオンは、ヒスパニックが多く住むProctorの町の廃墟アパートを要塞のようにしている。スペンサーは対立する勢力と手を組み、リンダの救出を試みる。
Proctorはボストンの北にあるLawrenceをモデルとしているようだ。この町はヒスパニックが多く住み、治安もあまりよくないことで有名だ。途中で実在するHaverhillが「隣の町」として登場するのでほぼ間違いない。
今回はリンダの視点から描いた章がまじるので、読者はリンダがどうなっているか把握しながらスペンサーがそこにたどりつくのを見守る形になっている。Crimson Joyと似た手法だ。
残念なのは、ホークはなんと、ビルマに海外出張中(笑)で今回は参加していないこと。その代わり、Star Dust(スターダスト)に登場し、LAでスペンサーとかかわったヒスパニック系ギャングの大物、デル・リオの部下のヒットマン、チョリョが通訳として、スペンサーの相棒となり、大活躍する。こいつがまたかっこいいんである(笑)。
なかなか緊迫感のあるストーリーだった。このまま23作目に進む。