スペンサーシリーズ31作目(2004年)。
スペンサーがある女性に頼まれて引き受けたのは、離婚のための浮気調査だった。しかし夫を尾行していると、浮気相手にも私立探偵の尾行がついていることがわかった。浮気相手は夫の同僚の妻。何かがおかしい、と感じたスペンサーは夫の勤め先の電力会社の人々について調査を始める。すると、会社の警備主任に捜査を阻まれた。そして依頼人の夫がその会社のオフィスで殺される。スペンサーは真実をつきとめるために捜査範囲を広げていくのだった。そして浮かび上がってきたのは、会社内の背信横領行為だった。
スペンサーが横領の仕組みを会計士に説明されるシーンがあるが、私は彼以上にちんぷんかんぷんで、その部分は適当に読み飛ばしてしまった(笑)。多分日本語で説明されてもわからないだろうと思う・・・。
ストーリーはけっこう複雑で、最後まで色々謎を上手に残してくれたので緊張感を保ちながら読んでいくことが出来た。相変わらずホークは何も言わずにすぐ来てくれる頼もしさで、ヴィニーもヒーリーもクワークもベルソンも、皆元気そうなのが嬉しい。
それにしてもスペンサーは年を取らないなあ。(ホークもスーザンも)もう年齢的に言えば60過ぎか、下手をすれば70を過ぎていてもおかしくないはずなのに、ずっと40代後半くらいのままで年を取らずに30年くらいシリーズが続いている。
まあ、そんなことを突っ込むのは野暮というものだろうか。ちなみに、スペンサーが携帯(車電話は今作でまた登場した)使う描写がまったく出てこないし、いまだにコンピュータ音痴のようだ。ということは、あれかな、もうずっと1980年代の設定でやっている、ということかな(笑)。あ、でもオニールトンネル(2003年にオープン)が出てきたりするから、やっぱり現代の設定なのだろう。
それにしてもシリーズも終わりが近づいてきた。残念ながら未完で終わってしまったシリーズだが、これが終わったら彼の他のシリーズも読んでみようと思っている。スペンサーシリーズはあと、8作を残すのみとなった。