Esperanza Rising

  • Scholastic Paperbacks
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本棚登録 : 22
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780439120425

感想・レビュー・書評

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  • たまたま本屋で見つけたため購入。
    プラ・ベルプレ賞受賞の児童書とのこと。

    以下、物語のあらすじ(ネタバレ注意)

    主人公のEsperanzaはメキシコのAguascalientesの農場経営者の娘として、両親、祖母、召使いたちに囲まれ、何不自由のない生活を送っていた。だが、ある日父親が強盗に殺されてしまってから彼女の生活は一変する。
    悲しみに暮れる中、権力者である叔父たちが現れ、Esperanzaの母Ramonaと叔父とを結婚させなければ資産は没収、さらにひどいことが起こるだろうと脅される。
    Ramonaが申し出を断ったため、家は放火されてしまう。叔父との結婚を逃れるため、Esperanzaたちは夜逃げをし召使いのつてをたどってアメリカのカリフォルニア州へと向かうが、火事で負傷した祖母Abuelitaはメキシコに残り離れ離れになってしまう。
    たどり着いた農園では、かつて所有していた家とはまったく違う質素な生活が待っており、Esperanzaたちは小作人として働くことになるのだった。そして、砂嵐が彼女らを襲い、Ramonaは病に臥せってしまう。
    そんな中、近隣農園でストライキが起こり、彼女たちの職も危なくなる。拠り所であったAbuelita・Ramonaに頼れなくなったEsperanzaは、家族を助けるため奮闘する。
    ↑あらすじ終わり

    Esperanzaは最初、一人でお風呂にも入れないくらい、何でも召使いにやってもらう至れり尽くせりの生活をしていた。そんな彼女は突然の不幸に見舞われ、全く正反対の貧しい生活を送らざるを得なくなってしまうが、幼さとあまりにも急な変化により彼女は新しい生活になかなか適応できない。
    カリフォルニアに向かう列車内で、小汚い人々を見て、無意識に見下した態度をとるEsperanzaの描写などから、読み進める中で「この話は、お金持ちで傲慢な少女が改心する物語だろうか」と思った。
    また、Martaたちが主導するストライキに対し、最初は批判的だったEsperanzaが「自分たちの権利を訴えているだけで国外追放されるのはおかしい!」と憤る場面では、「このあとストに加わり権利を勝ち取るのだろうか」と思った。
    しかし、いずれの予想も間違っていた。

    Ramonaの入院する看護師たちのために買ったpiñataを貧しい子供たちにためらわずに与えるシーンや、家族を思って祈りをささげるシーンからEsperanzaは心根が優しい少女であり、ただ単に無知ゆえに差別的な態度をとってしまっていただけ。
    結局スト参加者は追放され、彼らの住居はがらんどうになってしまう。
    また、Isabelは人種差別を覆すことなく、Queen of the Mayに選ばれずに終わる。

    書籍のタイトルにもあるように、当初のテーマはEsperanzaの成長である。児童書と言っても、みんなで大団円、ハッピーエンドという話ではない。最後にAbuelitaと再会し物語は幕を閉じるが、結局貧困は解決していない。
    とはいえ、何も一人でできない少女だったEsperanzaは、最後には英語を学び、家族を助け、いつか小さな家を買うという夢を持つことができた。将来への希望を手に入れたのだ。

    非常にリアルな話だと思ったが、作者あとがきによると、作者の祖母の体験をベースにしたフィクションとのこと。細部に違いはありこそすれ、実際にメキシコからアメリカに移住した当初の環境を、様々な人にインタビューをしながら忠実に表現しているようだった。
    その事実を知ったうえで物語を振り返ると、貧困と差別という絶望の中でも希望を捨てず、家族を思いやり、日々まじめに生活している彼ら・彼女らの強さが一層輝いている。
    私事だが、夫の会社の労働環境の悪さやF1での日本人ドライバー差別と思われる偏ったジャッジに憤っている状況下本書を読んだので、いろいろ考えさせられることがあった。
    本書はフィクションだが、過去の歴史でもある。自らの生活を守るため、果敢に奮闘した人々が存在したからこそ今があることを忘れてはいけないと思った。

    余談だが、作中に日本人もメキシコ人と同じくくり(差別される側)として出てくる。(Esperanzaが買い物に行く店が、Mr.Yakotaの経営する店なのだが、横田と書きたかったのだろうか…?と少し面白かった)
    昨今DiversityやらInclusionやら叫んでいるが、実際のところやはり白人主義はなかなか根絶されないのだろうな、とF1だったり海外在住者のブログを見ていて思う。
    私たちは日本にいるから普段意識しないが、(不名誉だが)欧米人から差別を受けうる立場であること、Globalizationの中たたかっていくには、そういった日々の差別や困難と闘い、権利を勝ち取ってきた人たちと競争しなければいけないことは胸に刻むべきだと思う。

  • 少女の成長と周りの人々を暖かく描く。すべてを失い移民となり、奮闘して家族を支える少女の成長物語。

  • For my spring break book.
    This book is such an inspiring, strong, and powerful story.
    The protagonist, Esperanza was rich and acting like she is a princess. But the things totally changed when her dad was assassinated by someone. Her mom, her servants' family, and Esperanza decided to move to America due to lack of money.
    At first, I was kind of irritated at Esperanza's attitude and didn't like the sad setting. However, I could see how she totally changed her personalities and attitudes. She scarified her struggle for her mom, Ramona and grandma, Abuelita.
    Also, I love the last quote by Esperanza to Isabel, "Do not ever be afraid to start over."
    I feel like some connection between my life and that quote. Love it:)

  • 2006年に書いたレビュー(ぎゃーお粗末


    まだ英語力が全然なかった頃に読んだ本だったけど、強く心に残っている作品。購入した頃はアマゾンにレビューがなかったのに……最近更新されていた!嬉しい限りである。

    キャンプ場での苦しい生活には目を見張るものがあった。エスペランザの母親が倒れた時、胸が詰まる思いだった。そしてミゲルが連れてきたある女性との再会の時には涙が止まらなかった。読み終わってもう半年ほど経つが、本を開くとエスペランサたちの強く生きる姿に勇気をもらえる気がする。

  • まだ英語力が全然なかった頃に読んだ本だったけど、強く心に残っている作品。購入した頃はアマゾンにレビューがなかったのに……最近更新されていた!嬉しい限りである。ここではそのレビューを引用させていだだきます。ぜひアマゾンに遊びに行ってください。「『英語ペラペラキッズ(だけにじゃもったいない)ブックス』 より
    エスペランサは、メキシコの裕福な地主の家の少女。きれいなドレス、大きな家、たくさんの召使と欲しいものはすべて持っていた。ところがある日、強盗に父親を殺され、堕落した叔父に屋敷を追われ、エスペランサは母とふたりで、国境を越えカリフォルニアの労働者キャンプへと移り住む。母の病、労働条件改善のためのストライキ。エスペランサのサバイバルがはじまった。
    詩的な表現と文章で、少女が強く生きる姿を描いた本書には、背景として、大恐慌時代の移民の様子、合衆国政府と移民労働者の対立、メキシコ革命後の状況などもきちんと描かれている。実祖母が、メキシコからアメリカへと移民してきたときの実話を元に書かれた本書は、いまだ完全には解決されないアメリカの移民問題を問うているのかもしれない。」
    キャンプ場での苦しい生活には目を見張るものがあった。エスペランザの母親が倒れた時、胸が詰まる思いだった。そしてミゲルが連れてきたある女性との再会の時には涙が止まらなかった。読み終わってもう半年ほど経つが、本を開くとエスペランサたちの強く生きる姿に勇気をもらえる気がする。

  • メキシコのある大農園の一人娘、エスペランサは何不自由なく暮らしていたが、13歳の誕生日の前日、父が襲われ亡くなってしまう。農場は叔父のルイスへと渡ることになった。さらに母と結婚しようと企てる叔父から逃れるため、財産を何もかもなくしてしまったエスペランサたちは信頼するアルフォンソ一家のアメリカ行きについていくことにした。<br>
    ★2002年プラ・ベルプレ賞受賞作

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