The Boy Who Drew Cats and Other Japanese Fairy Tales (Dover Children's Thrift Classics)

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  • Amazon.co.jp ・洋書 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780486403489

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  • “Our Missing Hearts (by Celeste Ng)”で、『Birdの母親Margaretが彼に昔話して聞かせた日本の昔話が”The Boy Who Drew Cats (猫を描いた少年)”だった』という設定から、作中でその昔話の全貌が語られる前にこの短編集のebookを見つけたので読んでみた。表紙を見て、日本人の小泉八雲という人が書いた本をPatrick Lafcadio Hearnという人が英訳したものだと思っていたら、なんと2人は同一人物で、Lafcadio Hearnはギリシャ生まれの新聞記者(探訪記者)、紀行文作家、随筆家、小説家、日本研究家、英文学者で、小泉八雲という名前は本人が1896年に日本国籍を取得した後から名乗り始めた日本名だそう。へーーーー。

    小泉八雲が書いたのは”The Boy Who Drew Cats (猫を描いた少年)”を始め、“The Old Woman Who Lost Her Dumpling (団子をなくしたお婆さん)” や”The Goblin Spider (化け蜘蛛)”など数作品が収められていて、他にも『因幡の白兎』や『ぶんぶく茶釜』などなど、名前は知っているけど内容は覚えていないような昔話も一緒に並び、それを英語で読むのは一味違った気分で面白かった。”Our Missing Hearts”の作中で語られるMargaret版の”The Boy Who~”は、主人公の少年の生い立ちだったり、そういった設定の詳細がこの短編集のものとは少し違うんだけど、要は、昔猫の絵を描いてばっかりの少年がおり、自分が壁一面に描いた数えきれないほどの猫の絵が現実に猫となって現れ、牛くらいデカいネズミの怪物から救ってくれた…という話の筋は一緒。この話、昔聞いたことあったような気もする。この短編集の最初の話として収められている”Chin Chin Kobakama (ちんちん小袴)”という話では、日本の至る所にいる神様達の中に、畳の神様なるものも存在し、畳と畳の間の隙間に使用済の爪楊枝や梅の種を押し込んで知らん顔していた人達の元に、丑三つ時に侍の姿をした小さな小さな男達が何百人も現れ、歌って踊り、一睡もさせてもらえない…と、なんとも可愛い仕打ちを与えるというもの。八百万の神がいるとされる日本では、畳の神様がいたって不思議ではない。というか、むしろいて欲しい。と、思ってしまうような、色んな神様の存在を自然と受け入れる自分の日本人としての感覚を改めて実感した。そういえばシンガポールで友人達とごはんを食べる際も、いつも米粒一つ残さず食べる私を見て「日本人ってみんなそうやって綺麗に残さず食べるの?」と聞かれることがあるけど、「一粒のお米には7人の神様が宿ってるらしいからね」と答える私は思い切り日本人だなと改めて思う…。

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