Topoi: The Categorial Analysis of Logic (Dover Books on Mathematics)
- Dover Publications (2006年4月28日発売)
- Amazon.co.jp ・洋書 (592ページ)
- / ISBN・EAN: 9780486450261
感想・レビュー・書評
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自主ゼミで勉強した本。2020年の10月頃から読み始め、最終的に9章の関手functorまで。
圏論(category theory)とは、その対象が具体的にどのようなものかというよりも、数学的対象の間にある関係を主に扱う数学の一分野。Wikipediaによれば、圏論は「関連する様々なクラスの数学的構造に共通する性質を見出そうとする試みだ」そうだ。
もっと詳しく書くと、categoryとは
(1)objectとarrowという2種類の要素から成り、
(2)2つのarrowにはcompositionというassociative lawを満たす演算が定まり、
(3)各objectに対してidentity arrowというarrowが存在する、
というものである。
本書は主に、Setというcategory(objectは集合、arrowは集合の間の関数)が持つ性質を抽出し、それを一般化するという形で議論が進む。また、圏論にもさまざまな応用があると思うが、目次を見ても分かるとおり、特に論理との関連について詳しく書いてある。
今回のゼミでは前半を読んだだけだが、議論や証明に大きなギャップもなく丁寧。例には位相空間(Top)やモノイド(Mon)が登場したりするが、それはあくまで具体例なので、本書を読むにあたって特に前提知識は必要ないだろう(強いて言えばZFCは何ぞやとか、ある程度の集合論は知っているとよいかも)。圏論の歴史みたいなのも結構書いてあって、面白い。
1 mathematics=set theory?
2 what categories are
3 arrow instead of epsilon
4 introducing topoi
5 topos structure : first steps
6 logic classically conceived
7 algebra of subobjects
8 intuitionism and its logic
9 functors
10 set concepts and validity
11 elementary truth
12 categorial set theory
13 arithmetic
14 local truth
15 adjointness and quantifiers
16 logical geometry詳細をみるコメント0件をすべて表示