Methods of Quantum Field Theory in Statistical Physics (Dover Books on Physics)

A. A.Abrikosov L. P.Gorkov I. E.Dzyaloshinski Richard A.Silverman

• Dover Publications (1975年10月1日発売)

感想・レビュー・書評

[BRICOLAGEさんの感想 · 2023年8月5日]

　3人の著者の頭文字を並べてよく"AGD"と呼ばれる、物性物理学、特にGreen関数法の教科書。およそ60年前に出版された本だが、未だに「物性理論を研究したければこの本を読んどけ」と言われるほどの大古典である。1章から4章までと、7章を少し読んだ。

　よく名前を聞く一冊だが、一方で、行間が非常に広く、おまけに誤植が多いことでも有名。僕(たち)も出来るだけ行間を埋めようとしたが、脚注でさらっと言及されていることを示すのにレポート用紙6枚に及ぶ積分計算が必要だったこともあったし、さっぱり分からず白旗を掲げざるを得なかったことも・・・。

　今回読んだ正直な感想を言えば、Green関数法を学ぶには別のもっと親切な本を手に取った方がいい気がしなくもない（例えばFetter&Waleckaとか）。ただ、教員の方々が皆さんおススメしている本であることも事実なので、多分、もっと僕の物性物理の理解が進んだときにまた読み返せば「めっちゃ良いこと書いてるやん！」と気づくのだと思う。Amazonのcond-matさんという方のレビューで"ダイアグラム法の説明からスタートしてたった330ページでフェルミ液体や超伝導といった厄介なものを見事にまとめあげている”と読んで、それは確かに、と。というわけで、自分の中での本書の評価は、一旦保留としたい。

1 GENERAL PROPERTIES OF MANY-PARTICLE SYSTEMS AT LOW TEMPERATURES
2 METHODS OF QUANTUM FIELD THEORY FOR T = 0
3 THE DIAGRAM TECHNIQUE FOR T ≠ 0
4 THEORY OF THE FERMI LIQUID
5 SYSTEMS OF INTERACTING BOSONS
6 ELECTROMAGNETIC RADIATION IN AN ABSORBING MEDIUM
7 THEORY OF SUPERCONDUCTIVITY

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