Born a Crime: Stories from a South African Childhood
- One World (2017年9月19日発売)
- Amazon.co.jp ・洋書 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9780525509028
感想・レビュー・書評
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アメリカの有名なお笑い番組「The Daily Show」で司会を務めたことがある南アフリカ出身コメディアン、トレバー・ノアの自伝。
自伝はあまり進んで読まなかったけど、今年は何冊か読んでみたいと思ってKindleでゲット。
アパルトヘイト統治下の南アフリカで、コサ族の血を引く黒人の母パトリシアと、スイス人の白人の父との間に生まれた。でもそれは当時の南アフリカでは違法だった。
知らないことがめっちゃあった。
差別について考えさせられる内容だった。特にトレバーのお母さんはすごい強いな〜。過酷な生活もしていたし。これを読むとホントに自分の悩みなんか大したことないやんって思う。
〈内容〉
・アパルトヘイトの中で家族も自分もどんな過酷な環境の中で過ごさないといけなかったのか。
・肌の色が理由で自分の居場所を見つけるのが大変だったこと。
・黒人の肩を持つべきか、白人の肩を持つべきかと本来はそんなことで悩まなくてもいいはずなのにそんな状況に置かれることが多かったこと。
・自身の初恋について
…などなど
〈お気に入りの言葉〉
Don’t fight the system. Mock the system.
Love is a creative act. When you love someone you create a new world for them.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Probably the only book so far that I recommend enjoying in audio rather than paper. I've never binge-watched TV shows, but I think I know how that feels after bing-listening this book. It's too good a story to stop.
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毅然として権威に挑む、彼の母親の勇気とバイタリティに圧倒される。著者の語り口が明晰でユーモアに溢れ、最後まで引き込まれて読める。
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アパルトヘイトは世界史の教科書で読んで知ったので昔の話のように勘違いしていたけど、自分と歳が一つしか違わない人がアパルトヘイト下で生まれ育っていることに衝撃を受けた。
内容はTrevor Noahの自伝。アパルトヘイトやそれに由来する数々の人種差別も衝撃的だけど、国の弾圧、近所からの孤立、貧困、DVの父親と言った絶望的な環境が描かれているけど、一貫してどこか前向きで高潔な雰囲気が漂うのが不思議。こんな環境でも思春期のドキドキや友人と悪巧みするのは万国共通なのか。世界的コメディアンとして活躍するだけの超絶ポジティブ思考があるのだろうけど、それもこれも彼の母の存在なくしては語れない。
友人に勧められて英語で読んだけど、確かに平易な言葉で一つ一つの章も短く読みやすかった。 -
じっくりと、長い時間をかけて少しずつ読んだ。彼のキラキラしたキャリアやいつでもシュッとした態度の裏に、虐待、貧困、差別、DVという、過酷な過去が淡々と描かれる。言葉遣いの秀逸さに、さすが言葉をつかってお金を稼ぐ人だ、と感じる。
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アパルトヘイト下の南ア、白人と黒人の両親の元に生まれたノア氏のお話。当時はタブー的存在だった氏の人格形成には、敬虔なクリスチャンでありながらも型破りで捉われない母親の存在が非常に大きかったんだと思う。お母さんパワフルでとても面白かった。
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アメリカで活躍する南アフリカ出身のコメディアン。
アパルトヘイト政策下でカラーと呼ばれるRaceとしての生活を面白おかしく赤裸々に描いてるけど、自分と同世代でこんな生活をしていたなんて。でも、本人の人生よりもお母さんの生きる強さが本当にすごい。過去や自分の生まれた環境から脱出し、子供たちには負の連鎖を断ち切るように強く生きるように身をもって教えている。
この本の前に嫌われる勇気を読んで、どうしたらいいんだーなんて思ってたけど、このお母さんがそのまま先生が言ってた人生を見せてくれた気がする。 -
今はコメディアンやプロデューサーとして米国で有名な著者が、生まれ育った南アフリカでの生活をつづった伝記です。アパルトヘイトの下で、それぞれの人がどう暮らしていたのか、うかがい知ることができました。人種の区分が決して固定していたわけではなく、肌の色や髪の毛のちぢれ具合を変え、認定の試験をパスすれば、違った人種で登録されることも可能となることなど、知れば知るほど、見た目で区分することの馬鹿馬鹿しさが伝わってきました。
本人自身は、黒人の母親と、白人の父親の間に生まれて、どちらのグループにも加わりづらい立場にあったようです。そのため人種差別の問題を違った角度から見せてくれました。文句なしで面白く、ためになりました。
英語のレベルは、分からない単語(特にスラング)がありはしたものの、全体的に構文が素直で読みやすかったです。 -
本屋でも見かけて、誰かのブログでも紹介されてて、Amazon.comでも高評価。かなり前に本人が朗読するオーディオブックを入手してたけど、今回やっと聴けました。
南アフリカで、アパルトヘイト時代に白人の父親と黒人の母親の間に生まれた作者。今はコメディアンやラジオショーのホストとして成功しているこの人の事を今回まで知らなかったけど、この本ですっかりファンになってしまった。BlackでもWhiteでもない、混血(Colored)児として貧乏な家庭で育って、色んな苦労を体験しながらも、あらゆる手で自分の居場所を見つけ続けて素晴らしく逞しく成長していくトレヴァー。自分を驕ることなく、苦労を笑いに変えて面白可笑しく語る彼の体験記を聴きながら、彼のタフさに「人間ってどんな状況になっても、自分が置かれた環境に順応していくんだなぁ」と感心してしまった。後は、素晴らしく強い母親の存在。こんな肝っ玉母ちゃん、かっこよすぎる。そして、彼女の信仰心の強さにも感服。普通の人なら音を上げてしまう状況に置かれても、神様がついていれば絶対に自分は大丈夫、と心から信じられることで乗り越えられるものってたくさんあるんだろうなぁ。私には全くといっていいほど信仰心はないけど、こんなに信じることが出来る存在を持ってる人がちょっと羨ましいかも。
トレヴァーは英語やアフリカーンの他に、アフリカに何十も存在する現地語のいくつかを流暢に喋ることが出来る。本の中で「相手と見た目が一緒でも、相手の言葉が喋れないと、仲間として見られない。逆に、相手と見た目が違ったとしても、相手の言葉を喋ることで『その人』になれる」みたいなニュアンスのことを言ってたけど、ほんとにその通りだなって思った。言葉ってすごい。