Grandfather's Journey

  • HMH Books for Young Readers
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感想・レビュー・書評

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  • とても静かな絵本。

    語り手の「私」は日系アメリカ人。
    本書は戦前、アメリカ合衆国を旅し、やがてサンフランシスコに居を構えた祖父の思い出を語る。
    しかし娘(語り手の母)が生まれると、祖父母は日本に帰国する。
    その娘が日本で結婚して「私」が生まれる。
    祖父は日本にいながらまたアメリカに行くことを望んでいたが、戦争が勃発したせいでけっきょく叶わずに亡くなってしまった。

    そしていま、孫の「私」がカリフォルニアにいる。「私」は少年時代に見た日本の山や川のことを覚えている。同時に、祖父がかつて愛したこの土地のことも愛している。

    「可笑しいことに、一方の国にいると、他方の国のことが恋しくなってしまう。
    今なら祖父のことがわかると思う。祖父がとても恋しい」

    本書はそう締めくくられる。

  • YL0.6 語数569 2024.7.23★SHM 
    1994年 コールデコット・オナー賞
    僕のお祖父さんは日本人 若い頃世界を見たくて日本を出発して アメリカへやってきた。という冒頭から始まる日系アメリカ人作者の書いた絵本です。
    子供の絵日記のような 淡々とした文体で綴られていますが、かえってそれがリアルに響きます。絵と文章の呼応が素晴らしい!
    最後に大人になった僕もアメリカと日本を行き来しますが、二つの国が両方とも 日本に帰ったらアメリカを思い、アメリカにいれば日本を思います。
    結びの言葉 I think I know my grandfather now. I miss him very much. それにしてもアメリカ人の子供って絵本を読んで こんな深い心情わかるんでしょうか? どれだけ成熟してんねん!とつっこんでます。(笑)

  • 海外に住み始めて10年になる私の今の心境を物語ってくれた本でした。海外で生まれ育った子供に自分の気持ちを分かってもらうきっかけになりました。やっぱり隣の芝生は青く見えるものなんだと実感。

    感動した部分は、最後の部分もそうですが、アメリカを横断中に出会った様々な人種の人達と握手をするという部分です。当時人種差別で他の人種と握手するなんて考えられない時代に、他の人種や文化をオープンアームで受け入れる日本人の立ち振る舞いに誇りを感じました。

  • 何かを懐かしいと思う気持ちって切ない。懐かしいという気持ちはいい思い出があって初めて出てくる感情だと思う。うちの子たちも何回も引っ越ししてるけど、いろんな場所で撮った写真を見て懐かしいと思ってくれてるようでありがたい。甘酸っぱい切なさが味わえる一冊。最後の部分で涙ぐみました。いろんな機会に、たくさんのこどもに紹介したいお話です。

  • レビューは ブログ http://ameblo.jp/esaprogram/ に書いています。

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