The Unbearable Lightness of Being

著者 : Milan Kundera
制作 : Michael Henry Heim 
  • Faber & Faber (1985年4月29日発売)
4.40
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780571135394

The Unbearable Lightness of Beingの感想・レビュー・書評

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  • 100 listには掲載されていませんが以前からタイトルに惹かれていて、読みたいと思っていました。

    まず作者の独特な書き方が完全にタイプで非常に心地よかったです。哲学や論理と物語を織り交ぜて伝える手法が新鮮で最後まで飽きる事なく読み続けられました。

    Unbearableにおいては冒頭からこの書き方が明確に確立されています。「万象は何度も繰り返される事により次第に重みを増してゆき、最終的に「歴史」として固定される。」「繰り返されるからこそ、出来事1つ1つ、人の決断1つ1つは大きな重みを持つ」というニーチェの考え方をまず説明した上で、「万象は繰り返すのではなく、一度しか起こらないのではないか」とこれを批判し、更に「一度しか起こらないというlightness(軽さ)はそれはそれで大変」みたいな事を言って、小説全体を通して作者が伝えようとしている考え方をバーンと提示してしまうのです。

    このようにニーチェの引用から入る小説を読んだのは初めてだったし、物語の種明かしを堂々としてしまう小説も初めてだったので、非常に驚きました。

    更に読み進めていくと、「登場人物が実在するという非現実的な前提を押し付けるつもりはありません。所詮、登場人物というのは作者が「まだ誰も提示した事のない考え方」を表現し伝えるために作り出された架空上の道具にすぎません。ところで私が表現したかった考え方というのは…」という感じの記述があります。作者=黒子というstorytellingの大前提を放棄して、真っ向から「ぶっちゃけこれ全部嘘だから」と言いきってしまうわけです。物語に感情移入をしていた読み手側としては「え〜ちょっと黙っててよ〜折角入り込めてたのに」とがっかりしてしまう所もあります笑

    以上から明らかな通り、この本は「lightnessとweightの研究」という小説の目的が全面的にプッシュされています。物語は目的達成のための手段にすぎないので、作者は自由自在にタイムラインを行き来しながら、4人の登場人物それぞれの目線から見た物語と作者自身の考え・分析結果や歴史の解説を織り交ぜていきます。

    4人の登場人物のうち2人はlightness、もう2人はweightを象徴しています。lightnessの象徴であるTomasは人生の1回性に悩まされます。「この女を私は愛しているのか、それとも私が気が狂ってしまったのか」「この女を追うべきか、追わずに自由を追及するべきか」「自分の人生そのものだった仕事を辞めるべきか、辞めないべきか」 もしニーチェの言うように万象が繰り返すならば、道Aをとった場合の結末と道Bをとった場合の結末を比較してより良い方を選ぶ事ができるはず。しかし人生は1回しか起こらないからこそ、どの道が正解だったのか、知る余地はない。そのlightnessに繰り返し苦悩するのがTomasです。

    Tomasの愛する女Terezaはweightを象徴しています。Terezaにとって1つ1つの出来事は大きな重みを持っています。Tomasは2人の出会いがいかに偶然的であるか(lightであるか)という事を思い出すたびにゾクっとしている一方で、Terezaは全ての出来事には意味がある(heavyである)と信じているので
    、2人の出会いを引き起こした偶然の重なり合いは運命そのものと考えます。Terezaにとってweightは非常に苦しく、彼女は狂気一歩手前まで追い込まれます。しかしそんなTerezaにしか見えない人生の美しさがあると作者は言います。

    Lightnessの象徴であるSabinaとWeightの象徴であるFranzについては本質的に違いすぎて何においても通じ合う事ができないという切ない恋愛を繰り広げます。二人がいかに違うニュアンスで1つ1つの言葉を使っているかを表すために数々の言葉が辞書のように紹介されていくのも独特なwriting styleで惹かれました。言葉の無意味さもまたlightnessの一現象なのかなと思いました。

    空しいのは、4人とも完全な幸せを得る事ができないという事。Lightnessを追及したSabinaは誰にも何にも縛られる事なく孤独な旅を貫きます。人生にあまりにも重み付けをしすぎて現実離れしていったFranzは皮肉にも無意味であっけない死に方をします。TomasのためにLightになろうとしてもどうしてもなれず、重く重く生きたTerezaと、Terezaのために少しずつ重みを人生に取り入れていったTomasは、最後の最後に1日だけ完全な幸せを手に入れますが、その翌日にはトラックの重み(物理的なweight)に押しつぶされ共に死にます。

    結局LightnessとWeightどう考えたら良いのか。肝心な結論は示されていない気がします。交錯する4人の人生を通して、lightnessとweightの美しさと醜さを描いた名作です。

  • Life and being. The soul and body.
    Lightness and weight.

    Milan Kundera. The way stories told is so intense. And come with shocking surprise. He let you know the shock ending and fill you in with the detail afterward.

    There is a reason for this book to be
    classic.

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