An Artist of the Floating World

KazuoIshiguro

• Faber & Faber (2001年4月9日発売)

感想・レビュー・書評

[0107springsteenさんの感想 · 2016年1月20日]

★3.5。
この作家の英語自体は読み易いのだが、小説そのもののカラクリというか志向を追っかけるのは英語だけに苦労しきり。そのカラクリとは主人公の意識・無意識の徹底的な露出なんだろうと。
一人称で描写される主人公の発言・認識・回想等には整合性が必ずしも認められず曖昧としていて、結局主人公は何者であるのか、他者である他の登場人物、更には読者には明瞭には分からずじまいで途方に暮れさえする。それでいて最後まで読ませる展開力でもって、読者にその主人公に係る解釈を全面的に委ねてもいる。
見事と言うべき表現・構成でありまする。そして戦争責任の追求に手を緩めない姿勢も流石かなと思わざるを得ませんです、はい。

[levyさんの感想 · 2006年9月22日]

主人公の性格にちょっとイライラ。