Nocturnes: Five Stories of Music and Nightfall

著者 :
  • Faber and Faber Ltd.
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本棚登録 : 72
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・洋書 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780571245017

感想・レビュー・書評

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  •  今年ノーベル文学賞を取ったカズオイシグロさんの小説を読んでみようと思って買った。でも正直に言うと駿台のセミナーで竹岡先生がいいと言ってたから買った、というのが本当の理由。「音楽と夜更けに関する5つの物語」という副題がついている通り、短編集。それぞれのタイトルはCrooner, Come Rain or Come Shine, Malvern Hillls, Nocturne, Celistsの5つ。
     どれも静かな男女の話で、かといって飽きない。明るい話でもないが別に暗いとか嫌な感じとか無力感といった要素も全くなく、むしろさわやかというか、まあ人間はこんなものか、という清々しい諦め、のような感じがした。
     洋楽の話があまり分からないので、アーティストの名前とか分からない分は損した感じもするが、それは仕方ない。個人的にはMalvern Hillsが良かったかなあ、と思う。なぜと言われても、ただ何となく情景が浮かんできてよかったかなあ、という程度だけど。すごく読みにくいということもなく、直近で読んだ洋書のZooの方が、なぜかよっぽど読みにくかった。
     あとは気づいた英語の話のメモ。「叱る」をscoldとかせずに、give ~ a hard timeの表現を使う、という話を別の本で読んだことあったが、実際に ~, where her schoolteachers gave her a hard time because she was always looking at magazines of movie stars instead of studying. (p.19)というのを見つけた。あと高校教師としては次の文の英文解釈を生徒にやらせたい。It was this realisation, and the fact that as the summer came closer I was running out of floors to sleep on, that made me feel for all the fascination of London - (略) - it would be good to take a break from the city. (p.92)という文とか。あと読んでて思わず噴き出してしまったのがMeg Ryan chess setの ”How does that work? Every piece looks like Meg?"(p.146)のところ。あとこういう感じでworkとかを自然に使えるようになりたいとも思った。あと "I'd like to play piano, but what can you do with hands like these?" (p.217)で、楽器の前にtheがない例。
     やっぱり今度は有名なのを読んでみたいと思った(17/12/27)
     

  • Nocturnesというタイトル通り、せつない。雰囲気がなかなか良い。

  • KAZUO ISHIGUROの2014年時点で刊行されていた最新作。

    "Crooner" :これから別れようという高名な音楽家夫妻に立ち会うこととなった無名の音楽家。

    "Come Rain or Come Shine" :かなりドタバタ劇。旧友夫妻の家に滞在した男が、妻のほうの日記を覗き見てしまったことをごまかそうとして一騒動。

    "Malvern Hills" :皮肉屋な若いギタリストが親戚の飲食店に来た老夫婦とかかわりあうことに・・・。

    "Nocturne" :才能はあるけれど、顔のせいで売れない音楽家が妻から別れを切り出されるとともに、整形手術をプレゼントされる。包帯でぐるぐる巻きにされた状態で滞在したホテルには、"Crooner"の元妻が同じく整形で滞在し・・・。

    "Cellists" :若く才能のある音楽家見習いが、より才能の謎の年上女性に指導を受けるが・・・。

    どれもハッピーエンドと呼ぶにはすっきりしないが、独特の後味が残る。

  • "Never Let Me Go" が出版された時のインタビューで、カズオイシグロが"sadness of human condition"について書きたかったと言っていたのが印象に残っている。
    こちらの短編集はもう少し身近な、人生の悲しみsadness というよりはdisappointmentという言葉が似合う。うまい日本語が見つからないけれど、こんなはずじゃなかった感、というか。
    結構なドタバタもあって、思わず笑ってしまったところもあるんだけど、やがて哀しいというか。若い人にはピンと来ないような気もするし、それは幸せなことのような気もする。
    しかしイシグロの文章は読みやすい。

  • 音楽をテーマにした短編集。
    日本語訳を先に読んでいたので、パラパラと流し読み。読みやすい英語だけど、奥深い。

  • 音楽というテーマだけでなく、それぞれの短編に共通する言葉がちりばめられていて、語どうしがやんわりと共鳴しあっている。
    come rain or come shineには笑った。

  • 途中まで読んでそのままにしていた短編集。残り二話を読み終えた。

    男女の過ごす時間ってなんてはかない…と思わせる、長年連れ添った夫婦。そしてそれを客観的に眺める若者。ひょんな事から出会い、非日常の一時的な場所で感情を絡め合わせる中年男女など。

    どれも本の題名に相応しい通り切ない感覚、とちょっぴりの笑いがあり、ストーリーBGMの余韻に浸れる1冊。

    恋愛ってなんだろうね…?

    Ken Ishiguroはやっぱり読みやすい。順番的には逆だけど、The Remains of The Dayも本棚にあるのでいつか近いうちに読みたい。

  • 初イシグロ。センチメンタルとか、アイロニーとか、そこらへんがキーワードかと思った。あとはきちっと笑いのツボを押さえているところがイギリス小説らしいのかなとちょっと思った。総じて優雅な娯楽であった。

  • Musicianについての、ライトタッチな小説が5つ。
    残るような、残らないような。
    哀愁と苦悩をあくまと淡々と、とらえとこなく描く。不思議。

  • Kazuo Ishiguroさんの文章に流れるトーンが好きで、何だか無性に読みたくなって久々に洋書を買った。
    ゆったりと移ろぐ心の景色はまさに夜想曲。
    コメディのような軽やかさもあり、夕暮れに遠い昔を想う切なさもあり。

    もっと、人生を振り返るくらいの歳をとってから読んでも良かったかなぁ、と思う。

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