Never Let Me Go

著者 :
  • Faber & Faber
4.15
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本棚登録 : 453
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780571258093

感想・レビュー・書評

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  •  SFっぽい設定だし、ミステリーの要素もあるけれど、生きることの意味について深く考えさせられるシリアスドラマというのがこの物語の本質だと思います。

     最初にHailshamでの日常生活の中のこまごまとした出来事やそれに伴うKathyとその同窓生たちの気持ちの動きを綿密に描写することで、彼らにかけがえのない「生」があったのだということを読者に強く印象付け、後段の物語の悲劇性を浮き彫りにしているのだと思います。

     それにしても後半はせつないです。

     読み終わってからしばらくは物語が頭の中から離れませんでした。

  • Audibleで聴きながら同時に字も読むというトレーニング方法を初めて試したけどかなり良い感じ。読み手のRosalyn Landor氏の仕事が素晴らしいです。

  • 一人の女性が淡々とした語り口で昔のことを回想していく。淡い恋、友情、悩み、誰にでもあるようで、何かぼんやりした違和感が少しずつ形を見せていく過程が秀逸だった。

    臓器提供のためにだけ作られた人間と同じ形の人間とは認められない子供達
    なぜ彼女たちは彼らに教育を受けさせたのか。教育さえ受ければ魂を持つ、という実験だったのか、それともいつか自由を得ることができるようにだったのか。教育を受けたがために自分たちの置かれた境遇をより理解してしまうのは果たして幸せだったのか。
    「境界」を越えてはいけないと教えられた彼らは、大人になってからも限られた世界の中でだけ生きていく。家族はなく、仲間たちは一人また一人と去り、ただ役目のためにだけ生きる絶望的な孤独の中で、わずかな希望が光を灯すがそれもやはり幻だったことを知る。

    どんなに時が経っても、思い出だけは決して忘れないと語る主人公の救いようのない孤独が胸に刺さる。かつて失くしたものが集まるという街で、失くしたものは二度と戻らないと自分に言い聞かせたようなラストシーンはあまりに印象深く読後も情景が頭から離れない。

  • カズオ作品を原文を読んだのは初めて。
    柴田元幸氏もカズオ・イシグロの英文は非ネイティヴも読みやすいと言っており、確かに読みやすくて美しい文章だった。
    翻訳を読んだ後だったので理解しやすかったのも大いにあるのだけど、トミーの咆哮とラストシーンは原文の方が感情が押し寄せた。
    他の作品の原文も読んでみたい。

  • 96,374words

  • 読んだ後、刹那くて何も言えなくなってしまった。サイレントマジョリティ-について考えてしまう

  • 実際にはkindle 版を読んだので、この版についてのコメントはできない。
    この小説に関してはネタバレはしたくないので、ネタバレ含みの詳しい話はしない。

    読了後、1日ぐらいたって不意にラストシーンがフラッシュバックして涙ぐんだ。こんな経験は久しぶり。
    文章はとても読みやすい。使われている英単語のレベルが低いというようなことではなくて、作者の文章が心地よく流暢だからだと思う。

  • 思いきって原書で読んでみました。とても素晴らしい作品。

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