Klara And The Sun

著者 :
  • Faber & Faber
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本棚登録 : 100
感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・洋書 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780571364886

感想・レビュー・書評

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  • カズオ・イシグロさんの邦題『クララとお日さま』。
    AF(Artificial Friend)のKlaraの物語です。

    悲しい結末になるんだろうと思いながら読んで、やっぱり悲しい気持ちで読み終えました。
    Klaraは自分を友達に選んだJosieを本当に大切に思っていて、捨て身でJosieを救います。成長した子供が、幼い頃大切にしていたぬいぐるみを忘れるみたいに、最後は離れ離れになってしまうのに。

    最後のシーンでKlaraは思いがけない人と再会します。そこでKlaraが語る内容を読んでいると、自分が幸せか不幸せかを決めるのは、詰まるところ自分自身なのかな、と感じました。
    読んでいてKlaraは本当に可哀想だと思うけれど、重要な場面では自分で行動を決めていて、後悔していない。周りの人たちの好意を信じて感謝して、周りの人たちの役に立つことを本心から幸せだと思って疑わない。自分の運命についても、読んでいるこちらの解釈とは全く異なる解釈をしていて、それも疑っていない。とても心揺さぶられました。
    KlaraがAFとして優秀であり、恵まれた環境で務めを終えられたことはよかったのでしょう。Klara自身にとっても。
    それでもやはり切ない思いがします。

    日本語版のカバーには女の子の絵が描かれていましたが、あれはKlaraなのかな。この本で与えられているイメージは表紙にチラッと見える『お日さま』だけです。本文の中にはKlaraが"Robot"と呼ばれるシーンもあって、彼女がいわゆるロボット(『オズの魔法使い』のイメージみたいな、例えば銀色の機械!っていう感じの。もしくはドラえもんとか、動物やお人形に寄せた感じ)なのか、もっと見た目も人間に寄せたアンドロイドなのか、どっちなんだろう。読み終えて、そんなことを思ったりしています。
    人間は、自分が作ったものや所有したものにどこまで責任を持てるのかな。それを思わずにあれこれ作ってもいいのかな。
    AIがKlaraほどの「思い」を持つとしたら、それはダメでしょう、と思わずにいられない、そんな物語でした。

  • こちらと日本語翻訳(再読)を併読しました。

    まず英語と日本語の比較を。

    クララの口調が一貫して丁寧なのは今回イシグロ氏からの要望だったと外部のブログを拝読しました。ただし、日本語のクララのほうがかなりおしとやかな印象ですね。「!」がある台詞の部分もすべておとなしい印象で訳されていました。

    日本語訳ですが丁寧に訳されているんだなと、読んでいて引っ掛かりのないように、でも原文の意味から離れすぎいないように、と細心の注意が払われていると感じました。

    カバーは私はこちらのほうが好きです。この話から受ける色のイメージがしっかり描かれています。

    日本語は再読。より深く読めました。初読はクララの健気さばかりに気を取られましたが、今回はクララの周囲の人々、子供の育て方、向上処置、AIの扱いなど、特にそれぞれの考え方の違いに考えさせられました。

    今現在、コロナ禍で2020年から数年経ち、それぞれの人の立場からの意見というものが出てきてる現象と似ているな、と。

    そしてクララについても前は健気さばかりに気を取られていましたが、その聡明さ故にでしょうか、「ジョジーという存在に完璧に成り代われるか」というジョジーの父からの問いに自ら答えを出し、自分の運命を受け入れる潔さ。その聡明さと潔さは果たして善なのか、と考えてしまいます。

    日本語版のレビュー・感想
    https://booklog.jp/users/kei1122/archives/1/4152100060

  • Klara being abandoned by humans despite all the things she did for them was really sad and I almost cried.

    Sometimes we ignore the dark side of things and just do things for our own benefit, but reading this book made me feel that I need to be more considerate.

    So touching. Great read.

  • Josieという病弱な女の子の家に買われていったKlalaという名のAIは、太陽の光に不思議な力があると信じている。Klalaはこの太陽の力を借りて、Josieの病気を治したいと考えている。精一杯Josieに尽くしたいと思っている。

    このKlalaの忠実ぶり、ひたむきさは、『日の名残り』の執事や『わたしを離さないで』のクローン人間にも通じるもので、また、身分の非対称、手にしている情報の非対称が読み手に生じさせる切なさを増幅させる点も読後感が似ていると思った。

    Klalaは、人間ではないがゆえに人間と同等の扱いをけっきょくはしてもらえない。それどころかいいように利用されそうにもなる。にもかかわらずJosieに尽くそうとする様子は読んでいてつらい。

    もうひとつ上の二作との共通点に気がついた。日の当たらない場所にいながら、いるからこそ、執事もクローンもKlalaも、作中でもっとも知恵ある存在だということ。

  • AIロボットの物語だけどたぶんそうじゃなくて、私たちが歳をとってさよならを言うことをなぞったとてもとても美しい物語。

  • Klara, an "Artificial Friend " mounted with AI, meets Josie and they deepen their friendship. The story is narrated by Klara who is a robot not a human, and makes us think about "What is the meaning of love?".

  • 近未来なのか不思議な世界で子供の友達として選ばれるロボットたち。その一人クララは観察して物事を理解するのが得意だった。クララの目から見る世界と人間たち。純粋なクララ、身勝手な人間たち。いろいろなことがはっきりとは説明されないまま終わるのだが不思議な余韻が残る作品。

  • ジョジーとリックの永遠、その時はそれが正しかった。今は違っても、また一緒になる時が来る。

    ゴーストはその人の中にあるのではなく、周りの人の中にある。

    リックの鳥のドローン、本当にクララを観察していたのだったらいいな。

  • 「Never Let Me Go」も良かったけど、これも何とも言えない独特の雰囲気があり…。「善良」という言葉が頭に浮かぶ。間に挟まる、分断やバックラッシュなどのトピックにも、まさに今の現実が反映されていると感じた。読み終わってもまだ、この静かな世界をもう少し味わっていたい。

  • 書評で『Nerver Let Me Go』を思い出させるというので構えて読み始めたけど文体も拍子抜けするほど英語が読みやすくストーリーもとても優しく始まり終わったのでなんかほっとした。『Nerver Let Me Go』はクローン人間でKlaraはAIロボットが主人公、ともにそれぞれの人間性に光を当てて問題を投げかける。視点が新しい。やわらかなペーソスが残って普段スパイものや殺人事件のミステリーものを読むことが多い私にはたまにほっとした気持ちになった。前作の『The Buried Giant』は英語が読みづらくて物語が頭に入ってこなかった。『The Remains of the Day』や『Nocturnes』は英語の文章が綺麗で際立っていたように感じたけど、この『Klara and the Sun』は子供のAIロボットの言葉で語られているので文体も柔らかくて読みやすい。
    # Klara and the Sun

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