- Amazon.co.jp ・洋書 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9780679860402
感想・レビュー・書評
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最初は誰にも理解されなかったけれど、自分自身の確信を追い求めた結果、社会を変えた先駆者の話。
レオ・レオニのイラストはきれいでとても好きだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
レオ・レオーニ作。
ふしぎな絵本。繰り返し読んだ。
Corneliusというワニがいる。彼は卵から生まれるとまもなく、直立歩行しだした。
彼には、4足歩行のワニたちには見えないものが見える。
「茂みのはるか向こうまで見えるよ」
とCorneliusは言う。しかし他のワニたちは、
「それでどんないいことがあるのさ」
と返す。
「上から魚が見えるよ」
とCornelius。
「だから何さ」
と他のワニはイラついて言う。
ついにある日、Corneliusは怒って歩き去る。
ここからがまた謎な展開。
Corneliusはサルに会う。そして2本足で歩けるのだと自慢する。
しかしサルは逆立ちもできるし、尻尾で枝からぶら下がることだってできる。
「ぼくもできるようになるかな」とCorneliusは驚いて言う。
サルはCorneliusが逆立ちとぶら下がりの練習をするのを手伝ってやる。
ついに新しい技ができるようになったCorneliusは、他のワニたちのもとへ戻っていく。そして新しい技を見せつける。
「だからなにさ」
と相変わらずワニたちが言う。
Corneliusが怒って再び立ち去ろうとする。が、ふと振り返ると、他のワニたちが逆立ちをしようと、また枝からぶら下がろうとしているではないか。それを見たCorneliusは微笑む。
まず何となく浮かんだのは、これはサルからヒトへの進化みたいだなあという感想。じっさいサルも出てくるし。
しかしどうもちょっと違う気もする。
気になったのは、他のワニたちはそれほど2足をうらやんでもいないこと。しかし、サルに伝授された逆立ちとぶら下がりは真似したがる。これはどういうことか。
ひとつには、ワニたちにとって”遠くが見える”ということは目新しいが何もメリットがないのかもしれない。だから、「だから何なのさ」というセリフは本心。
しかし逆立ちというのは視点の高さがあまり変わらない。だからこそ他のワニたちの心をつかんだのだ。
その視点の高さの意味が何なのかはわからない(笑)何か、このワニたちがワニであるために譲れないものだったのかもしれない。
ふたつめには、突然変異でいきなり2足歩行を始めたCorneliusの真似を他のワニたちすることはそもそも不可能だけれど、Corneliusが努力してサルから"学習したこと"であれば、自分たちにも習得できるのではないかと他のワニたちが考えたから!?
つまり本書は、
生まれながらの違い<学習あるいは文化
だと伝えたいのか。だとすればおおいに賛成。 -
変わり者のワニ、コーネリアスくんのお話。
自分はワニだからこれはムリといったような限界を決めず、やってみたいことを精一杯努力して練習して、ちょいと誰かのヘルプを受けてモノにする。
それを平凡に生きている兄弟たちにも伝えて、みんなで楽しいワニ生を送る。
イイネ!
おサルさんの
"All you need is a lot of hard work
and a little help"
の"hard"がさり気なく大事なんだろうなぁ…。 -
語数279語
ここに載せているのはペーパーバックですが、図書館の本はハードカバーです。 -
279words RL3.2 270L