Tehanu: The Earthsea Cycle (Earthsea#4)

  • Saga Press
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・洋書 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780689845338

感想・レビュー・書評

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  • ”The Farhest Shore”(1972)から18年後1990に発表。児童書というのはかなり無理がある超ダーク。物語はえげつないセンセーショナルな出だしで、2巻の主役アミュレットのテナーはゴンドで農家の嫁になり夫に先立たれ寡婦となって、普通のおばさんとして暮らしている。そこに、6か7歳で体重は2歳児ぐらいの虐待された幼児テヌーが、強姦され、殴られ、火にくべられて半身を焼かれた状態になっているのを助け、一緒に暮らし始める。すぐに、オジオンが死に、入れ替わりでFarhest shoreで闇の穴を閉じるのに全ての魔力を使い果たしたゲドが帰還。さらにサイコホラー的に話は進み、とうとう虐待親テヌーの父親一派はテヌーの母を殺し、さらにテヌーを殺そうと追ってくる。そこまでであまり出て来なかった魔力を失ったゲドが人力で戦い助け、ゲドとテナーは夫婦になり、ゲドは童貞を捨てる。さらに”悪い”魔法使いとの戦い(ここでやっと魔法がでてくる)そして最後に悪い魔法使いに殺される寸前に、竜が助けにくる。そこで、はじめてテヌー(テハヌー)が竜人であることがわかって、大団円。何度か出てくる問いに、”処女や童貞でなければ魔力や超常的な力を得ることができないのか?””障害や異常のある人間は魔力を得ているからなのか?”など、言葉を置き換えると、非常に現代社会と全く同じような価値観とその価値観に疑問を持つ(多分作者の)考えが浮き彫りになる。そして、テハヌーはその真の姿(竜)故に、動物的で無知な親に恐れられ虐待され殺されようとしたのか?テハヌーの受けた虐待が竜になる通過儀礼だとは思えないが、火にくべられ半身を焼かれても死ななかったのは黄金の火竜であったからなのはわかる。生きていてよかったというラストではあるが、本当に疑問だらけのイニュエンドだらけ。
    かなり辛い性愛もthemeになっていて、幼児強姦、村の性処理を引き受ける村に属さない村に住む占い女、ゲドとテナー老肉体愛など、ちょっと生々しい話が多く読んでいて非常に変な汗がでる。魔法もほとんど出ず、最後に悪い呪いだけが少しでるが良い魔法はなし、前作3巻に比べ”魔法”が良いものとして全く出て来ないのが、魔法読み物ファン的には寂しい。親子の確執や、異邦人にや障害者は”悪しきもの”的な扱いをする村社会の実態など、人間の闇をえぐる、非常にディープな物語だった。読了感が微妙。

  • The Farthest Shoreを飛ばして間違えてこちらを先に読んでしまったけど、話はちゃんと追えました(だからもう最後まで読んじゃった)。

    Gedがそいういうことになってしまったので、別のテーマがわらわらと出て来たんだけど、「そうかそういう展開になるんだー」と色んな意味で感心しました。<でもやっぱり切なかったよ。>

    ヒーローがいつまでたってもヒーローでいるよりも、真実味・現実味があっていいなぁ。Tenarとの関係の成就も。

    <前作を読んで思ったこと---そうか。The Farthest Shoreで既にTenarとの関係性の伏線がもうはってあったのか。語りの部分でちらりと出てくるだけなんだけど>

    私がLe Guinのwizard(達)が好きなのは、他の誰も使えないような魔法が使えても賢人でも「超」人間ではなく、限界のある人間だからだ。

    これもほぼ一気読み。

    自分が常々思っていることーーでももやもやとした概念で留まり、言葉にならないようなことーーが的確な言葉で表されているのに出逢うのはとても幸せな、心強い体験。

    本作を書いた時点のLe Guinにはどんな心境の変化が起っていたんでしょうね。フェミニズムを色濃く感じたけど、これまた現実味があって私は好きだった。解決されないままの謎も多いけど、それもまたこの世の真実。

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