Threat Vector: INSPIRATION FOR THE THRILLING AMAZON PRIME SERIES JACK RYAN (Jack Ryan Jr)
- Penguin (2013年12月5日発売)
- Amazon.co.jp ・洋書 (720ページ)
- / ISBN・EAN: 9780718198138
感想・レビュー・書評
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【概略】
中国のアメリカに対する脅威は、陸・海・空のみならずサイバー空間まで及んでいた。コードネーム「センター」率いる中国のサイバー組織が、武力との併せ技でアメリカの中枢を蝕む。アメリカの対テロ民間極秘組織「ザ・キャンパス」の存在も把握され、センターのターゲットとされた!ホワイトハウスのジャックライアン大統領は外交のレベルで中国の脅威に立ち向かい、その息子ジャックライアンJr. は「ザ・キャンパス」のメンバーとして中国の脅威に立ち向かう。極東を中心に繰り広げられるサスペンス作品。
2019年11月15日 読了
【書評】
ペーパーバックで所有していたのだけど、字が小さくて小さくて(涙)Kindle 版を読み切ったという。今後、洋書はそういう(ペーパーバック→ Kindle)流れになっていくだろうなぁと・・・本編とは全く関係のない話題から(笑)
2012年に書かれたこの本、一部預言書のような感じに見えてしまったのは自分だけだろうか。中国の太平洋への渇望、東シナ海への渇望は、現実のものとなっている。フィリピンしかり、ベトナムしかり、そして台湾しかり。トム・クランシーはそういった国際情勢を背景に、アメリカらしい(ハリウッドらしい?)テイストで本編をドラマチックに描いてる・・・そんな読了感だったなぁ。
サイバー攻撃って、目に見えないから本当、タチが悪いよねぇ。あと、政府のエージェントの買収→スパイ化とかって、自分のような市井の人にはわからないレベルで繰り広げられてるのかなぁ。日本だと公安とか内調とか陸幕とか?スパイ防止法とか、冗談抜きで考えないといけないのでは?なんて思ったり。イスタンブール、香港、インド、台湾、そして米国内での様々な衝突・・・サイバーだけじゃなく、しっかりとアクション、そして戦闘機の描写などもしっかりしてくれてて、そのテの話が好きな自分には楽しめた一冊だったなぁ。
残念なのは、二つの「読み手としてのレベルの低さ」かなぁ。一つは、トム・クランシー作品、はじめて読んだんだよね、洋書としてだけじゃなくて、和書も読んだことなくて。ジャックライアンの「ザ・キャンパス」シリーズとか、全然わかってなくて。そういった文脈をわからずに、「ジャックライアン=Amazon プライム作品の人」なイメージでいて。「あれ?Amazon プライムの人って大統領の息子だったっけ?」なんて思いながらの読み始めだった(笑)もう一つは、英語力・・・というよりも国際政治や軍事モノで使われる表現などについての知識量が少なかったこと。こちらについては読み進むうちに頻出のものについては吸収していったので、逆に今後も楽しみとなったかなぁ。
あとは、トム・クランシーの文体って、ちょっと独特だねぇ。こういった著者による文体の違いなども、英語でだってもっともっとわかるようになれば、もっともっと世界は広がるなぁ、なんて思った一冊だった。
3年後ぐらいにまた読もう。多分、違う感動を得ることができるから。詳細をみるコメント0件をすべて表示