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- 本 ・洋書 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9780734410788
感想・レビュー・書評
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絵はショーン・タン。まだ20代の頃の作品。
本作に細緻に描かれている寓話的世界、並々ならぬ才能だ。脱帽。
テクストはオーストラリア出身のJohn Marsden。
本作のタイトルにある「ウサギ」とは、かつてオセアニアを植民地化した英国だ。
そのウサギたちが、「私たち」の土地にやってくる。そしてどんどんと数を増やしていった(やたらと繁殖するウサギ、ここが英国に対する最大に皮肉といえば皮肉)。
ウサギたちに理屈は通じなかった。都市化して土地を荒廃化させ、動物と病気を持ち込み、子どもたちをさらっていった。争いが起き、「私たち」は戦いに負けた。
本書にはわかりやすい結末がない。
一羽のウサギと、「私たち」の仲間の一匹が、途方に暮れて月を見上げるだけ。
最後のページでいわば個人ならぬ個体どうしが、対面しているところが救いといえば救い。種族としてではなく。少なくともこの一羽と一匹だけは、多かれ少なかれ意が通じ合っているのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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