Who Moved My Cheese 2003 Calendar: An A-Mazing Way to Deal With Change in Your Work and in Your Life
- Andrews McMeel Pub (2002年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・洋書
- / ISBN・EAN: 9780740724664
感想・レビュー・書評
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常に変化を感じること、恐れないこと、慣れること。ネズミと小人の話を通して私達に教えてくれる。
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少し前までは毎日のように、長男は箸を使うことを拒否し、次男はオマルに乗せると声を上げて泣き出していた。子供らしい駄々と言ってしまえばそれまでだが、彼らなりに変化(成長)の必要性を認めつつも、変化を恐れていたのだと思う。妻だって知らない駅での待ち合わせを提案すれば嫌がるのを見ると、決して子供だけの話ではないことがわかる。
このヘム&ホーの物語では、ヘムは最後まで変化を拒否し、ホーは変化に活路を見出す。ホーは逡巡を繰り返しつつも、やがて変化を恐れる心を見つめ、笑い飛ばし、そこに希望があることを発見する。このプロセスは人生を生きていく上で大事なこと。毎晩の酒で誤魔化してしまった父にも教えてあげたいけど、脳卒中で倒れてしまった今となってはもう遅い。
一方のヘムは企業の合理化提案に拒否を貫く労働組合員のように描かれている。変化を受け入れなければメシのタネにありつけない、と救いは一切ないし、後段のdiscussionでも「(変化を受け入れなければ)We had to let them go」とあるから、筆者の視線はかなりシビアだ。
思うに、変化を恐れる心は人間にとって必要だから備わったもの。未知の場所には害敵がいる可能性があるから、心にブレーキがかかる。これは当然のことなので、筆者ももう少し、ヘムに理解を示してあげれば良かったのに、と心情的には思う。