Workers: An Archaeology of the Industrial Age
- Aperture (1993年10月1日発売)
本棚登録 : 21人
感想 : 2件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (399ページ) / ISBN・EAN: 0884868436627
感想・レビュー・書評
-
セバスチャン・サルガドによる、世界の様々な労働者の姿を捉えた写真集。
「農業(Agriculture)」、「食品産業(Food)」、「鉱山(Mining)」、「工業(Industry)」、「石油(Oil)」、「建築(Construction)」の6章に分けられる。
副題の"An Archaeology of the Industrial Age(産業時代の考古学)"が、なかなか含蓄があって難しいが、ハイテク化が進む現代にあってなお、肉体労働の時代の痕跡を色濃く残す労働環境の像といえようか。
ブラジル生まれのサルガドは、軍事政権に対抗する学生運動に注力していた経験もあり、社会的な視点が強い写真家と言えるだろう。
砂糖黍、紅茶、タバコ、カカオといった農場。
漁業や屠畜の場。
織物工場。
自転車やバイク、自動車、大型船舶の工場。
チタンやマグネシウム、鉄や鉛、硫黄や金の鉱山。
油田。トンネルやダム、灌漑用水路。運河。
人間の手足によって動かされる労働の場は、しばしば危険も伴い、人々はまさに体を張って生きている。わずかばかりの娯楽もあるが、多くは重苦しく、おそらくはフィルムに収められた人々の多くは過酷な労働に見合うほどの報酬は得ていないだろう。
働く肉体の美しさも感じるが、「労働者」の重さも感じる。
重厚な1冊である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この写真集は、世界の貧困層の労働現場を扱ったものです。私たちのこの快適な生活は、実はこういった過酷な労働環境で働く人々の上に成り立っているということを、この写真集は痛烈に告発していると思います。しかしそれはあからさまな告発ではなく、労働の中で生きる普通の人々の、普通の目線で無言の内に語られています。私たちは文明の利器を利用して暮らしていますが、こういった文明の利器の存在すら知らない人、存在を知っていても買うだけの賃金を得られない人がたくさんいて、そういった人々の上に成り立っている危うい生活です。本当の豊かさとは何だろうと考えたり、本当に大切なものとは何だろうと考えたり、そして生きることは何だろうと考えずにはいられません。
快適な部屋でパソコンを相手に仕事をする。ときに気分転換にたばこを吸う。そのたばこの原料を作っている現場は、とても過酷な労働条件。どちらが豊かとか、どちらが人間らしいとも言えないけども、自分たちが失ってしまったものが一方の暮らしにはある、さてそれはいったい何なのか・・・いろいろと思いは馳せるのである。
SebastiaoSalgadoの作品
