AND Mrs Harris Goes to New York (The Bloomsbury Group)

著者 :
  • Bloomsbury Publishing PLC
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9781408808566

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  • 小学校の頃、図書館で見たことのあるハリスおばさんシリーズで、
    当時は気になっていたのですが読まず仕舞いでした。
    ハリスおばさんパリへ行くとニューヨークへ行くの二冊の合本です。
    レベルがどのくらいなのか、語数がどのくらいなのか分からないので
    そのあたりは適当です。

    夫に先立たれ、娘は嫁ぎ、今はロンドンで家政婦として働く
    ハリスおばさんですが、とても現実的で質素な暮らしをしていて、
    お金持ちのお宅からもらったしおれかけた切り花を蘇らせたり、
    自分でも安い鉢植えを買ったりするのをささやかな楽しみにしています。
    そのハリスおばさんが、お掃除をしていたダント男爵夫人のクローゼットで
    目にしたディオールのオートクチュールのドレスの美しさに
    魅入られ、パリのディオール本店でドレスを仕立てるため、
    3年弱かけて様々な方法でお金を貯めます。
    率直で飾らない人懐こいおばさんはパリの人たちと打ち解け、
    ディオールのマネージャーであるマダム・コルベールの夫や
    トップモデルのナターシャ、会計係のフォーベル君の
    人生をも変えてしまいます。
    そしてようやく手に入れた「誘惑」という名のドレスの運命は・・・。

    ハリスおばさんがシャサニュ侯爵に
    ペニー銅貨を花瓶に一枚入れると切り花が長持ちするんですよと
    教えてあげるシーンが好きですね。
    いくつになっても学ぶことはあると感心する素直な侯爵も良いです。

    ニューヨークへ行く編では、隣のガセット家に預けられたヘンリー少年が
    アメリカ人の父からの送金が途絶え、再婚した母とも連絡が取れず、
    隣の家で辛い思いをしているのをハリスおばさんと
    家政婦仲間のバターフィルドさんは気にしています。
    勤め先であるシュライバー夫妻が栄転でアメリカに戻るのに
    有能な家政婦さんに同行してもらいたいと望まれ、
    それに便乗してヘンリー少年を密出国させます。
    パリで出来たお友達であるシャサニュ侯爵が
    今作では駐米フランス大使になっていて、
    孫と偽ってヘンリー少年の入国を助けてもらったりと
    パリでの交友関係もしっかり続いています。
    ヘンリー少年の父の名前はジョージ・ブラウンで
    アメリカ空軍の軍人としてイギリスにいたことしか手掛かりがありません。
    家政婦の仕事をしながら、ジョージ・ブラウン氏を電話帳で片っ端から
    調べていきます。
    そしてようやく見つけ出したブラウン氏ですが・・・

    9/28 後半がどうしても気になり、再読しました。
    ハリスおばさんとバターフィルドさんがクイーンエリザベス号で
    ロンドンへ帰る時の盛大なお見送りの後で
    シャサニュ侯爵が演説します。
    'If I had my way,'he said,'I would rear a statue in a public square to
    women like that, for they are the true heroines of life. They do their
    duty day in, day out, they struggle against poverty, loneliness, and
    want, to preserve themselves and raise their families, but still they
    are able to laugh, to smile, to find time to indulge in dreams.'
    The Marquis paused, relfected a moment, sighed and said,
    'And this is why I would rear them their statue, for the courage of
    these dreams of beauty and romance that still persist. And see,'
    he concluded, 'the wondrous result of such dreaming.'

    年を取っても、こうありたいと強く思いました。
    シリーズはあと3冊あり、ハリスおばさんに思いを寄せるあの方と
    どう発展するのかが楽しみです。

    67冊目 YL6.0 約9万語
    total 1,121,433words

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