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- Amazon.co.jp ・洋書
- / ISBN・EAN: 9781439177518
感想・レビュー・書評
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エマは二人の息子を抱えたシングル・マザー。元夫は次男のテオが生まれてまもなく離婚してカリフォルニアに引っ越していった。長男ジェイコブは2歳を過ぎた頃から変化を見せ始め、最初はオーティズムと診断され、その後の長い診療検査を経て現在はアスペルガー症候群と診断されている。一日の生活時間が規則正しく決まっており、食べ物、アクティヴィティに至るまで細かく管理されている。それもすべて、アスペルガーの症状を極力抑える為の努力で、エマが与えるサプリメントはすべて保険が適用されない。母親が兄に掛かりっきりで、ジェイコブがパニックを起こしたらすべての事が後回しにされるのを余儀なくされる事を日常とするテオ。この家族の様子が丁寧に描かれています。
それだけでなく、ジェイコブが巻き込まれる警察事件では、警官と検察官のアスペルガー症候群と診断された容疑者/被告の扱いの様子がまた興味深い。アスペルガーに対する理解の低さ、アスペルガーゆえに法的責任が無いとするかしないか、そしてアスペルガー特有のリアクションやパニックの様子をどう陪審員に理解してもらうか、など、たくさん考えさせられるところはありました。
ただ、この本を読んだからと言って、アスペルガー症候群について、オーティズムについて分かったつもりになるのは危ないと思う。その辺の危うさを感じて★4つになりました。読者がオーティズムやアスペルガーについて知ろうとするきっかけになればよいし、そこでちゃんとノン・フィクションを読んで理解を増すのが好ましいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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