The Silver Linings Playbook (film tie-in)
- Picador (2012年10月25日発売)
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感想 : 2件
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Amazon.co.jp ・洋書 (304ページ) / ISBN・EAN: 9781447219897
感想・レビュー・書評
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読み終わった後に映画も観てみたけど、私は断然原作の方が好きだった!
病んでるけどコミカル。重くない。
何でなんだろう?と先が気になってどんどん読める。
表紙にあるブラッドリー・クーパーを頭に浮かべながら最後まで楽しく読めた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画「世界にひとつのプレイブック」原作。
当初予想していた「ネタ」が実は予想を超えて(良い意味でも悪い意味でも)ひねりのないものだったからこそ、痛烈に「近く」感じる。(ただし、あくまでも近くであって、自分のこととして共感できないあたり、自分の人生経験の浅さを痛感せざるを得ない。)
私自身は、心配性かつそこはかとなくpessimisticなので、物事のsilver liningを見つけるのがすごく下手。だからこそこの題名に惹かれたのだけれど、opitimisticに生きろ!という類の本では決してなかった。
むしろ、辛い現実を耐え抜くために、無理やりにポジティブな「解釈」を加えていくことで刻まれる悲痛な目に見えないキズと、そんなキズをたくさんたくさんこさえても、報われないことだってあるという現実。
現実から逃避して「いつかは失った人が帰ってくる」と信じる人に対し、「それは違う」と伝えたい気持ちと、一方でそこまで自分を追い込んでいる人の叫びを守りたいと思ってしまう、周囲の人の気持ち。または、その人の苦しみを知ってはいるし、その人を大事に思っているけれど、何十年と培ってきた自分の表現の仕方上、うまく接せられない人間らしさ。
…という、危うい前向きさの周りに漂う、不穏だけれど思いやりが薫る空気を描いています。
311以降、とりかえしのつかない物事、ということと、病的な心理状態と所謂「正常」な心理状態の境目ってなんて薄いんだろう!ということを強烈に意識しながら、文章や作品をまなざすことが多いけれど、
この本はそんなまなざしでもって読むのに向いていると思う。
望んていたエンディングが手の中からこぼれおちてしまっていたとしても、大事なものがまだどれだけ残っているのかに目を向けろ。
それって、言うほど簡単には納得できない正論です。その先に再生の道があるんだとしても、ひとりじゃ歩みきれない。
silver liningは、ひとりで見ていると遠くあり続けるのかもしれない。
映画版の方はアメリカ映画らしくコミカルに描かれているようだけれど、小説の方は主人公の視点で語られる分、ちょっと悲痛さが強いです。
映画は別物として見てこよう。
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