Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About The World - And Why Things Are Better Than You Think
- Sceptre (2018年4月3日発売)
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感想 : 28件
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Amazon.co.jp ・洋書 (342ページ) / ISBN・EAN: 9781473637467
感想・レビュー・書評
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非常に読みやすい英語
はじめの質問が、チンパンジーが答えるより低い確率でしか合っていない
人間の勘違い、本質から抜け出すにはどういう思考が必要かを教えてくれた -
「世界は、思っているほど絶望的な状態ではない」ということを、自らを “optimist” ではなく “possiblist” と表現する著者が、純粋なデータに基づいて伝えてくれる本。かつて「先進国」「発展途上国」という言葉で二極化された世界のギャップは、もはや存在しない。国や宗教が違っても、収入レベルが同じくらいの世帯はみな同じくらいの生活を営んでいる。教育を受けられる女子生徒の数、電気が通っている地域の割合、ワクチンを接種できる幼児の数は増加し、自然災害による死者の数、絶滅危惧種に認定された動物の数は減少している。完璧な理想に到達したわけではないし、地球温暖化やテロリストによる脅威など悪化している項目もある。それでも、長期的な視点でデータに則って過去を総括的に振り返ってみると、良い方向への変化が非常にたくさん存在することに気付かされる。その変化が本当に微々たるものであっても、決してゼロではない。
その小さな、でも確実に存在する良い変化に気付くことは非常に難しい。メディアが伝えるニュースはネガティブなものがほとんどであること(ドラマティックさに欠ける情報はニュースにならない)。そもそも人間は、自らの感情や、過去の経験からくる先入観などによって、純粋なデータに基づいた判断を下すことが極めて難しいこと。しかしそういった「衝動」に屈することなく、事実に基づいた冷静な判断を下すことが人間には可能である、と筆者は信じている。
こんなにも、読めば読むほどポジティブにな気持ちになる本は今までなかった。今の自分の生活とは直接は関係のない遠い国の状況について、人生で初めてといってもいいくらいに興味を持った。難しい単語もないし、ジョークを交えつつ読者に語りかける文体はウィットに富んでいる。医師として、講師として、凄まじい知識と経験がありながらも、私のような無知な読者でも十分理解し、納得できるような文章を書ける筆者に、会ってみたかった。その願いは叶わないけれど、TEDに過去の講義があるようだから是非聴いてみようと思う。
最後に、印象に残った文章をいくつか引用しておく。
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“It is comforting, as well as inspiring, to learn that the world is much better than you think.” - p.51
“Remember: things can be bad, and(italic) getting better. Getting better, but still bad.” - p.113
“... the main factor that affects how people live is not their religion, their culture, or the country they live in, but their income.” - p.155
“Cultures, nations, religions, and people are not rocks. They are in constant transformation.” - P.170
“Slow Change Is Not No Change” - p.179 -
データの可視化と解釈の仕方に、なるほどと思わせる部分が多かった。バブルチャートは作るの大変そうだが、バブルの大きさを差っ引いたとして、データの解釈は基本的には散布図なのだ。データを通じて事実をベースに結論を出すのことが求められているが、データの抽出の仕方や、解釈の仕方には様々な陥りやすい罠があり注意が必要なことを11の章立て(観点)でわかりやすく書いてある。
結局のところ、データの取り扱いも恣意的に扱われることが多い。こうあってほしい、こうしたいから、という背景のもとにデータを扱ってくるようだとダメだよね。
コロナ禍で注目されているみたいだけど、著者のHans Rosling氏は公衆衛生学者というところに、時代の不思議なかみ合いを感じる。 -
Hardly had I ever been so impressed by a book...
和訳本がベストセラーになっていますが、啓発本に分類されがちなこの一冊、その内容は、本当に深く、洞察に満ちて、近年で最も感動した書籍の一冊です。
Instinctsがもたらす問題を、事実で反駁し、良き生のために、我々がどうすべきなのかをはっきりと指し示すもので、最後の方を読んでいて、思わず涙が浮かんだのはどうしてだろう?
そして、acknowledgments が感動的なことなんて普通ないと思うのに、この本はまさにそうなんです。
なにより、著者たちが、世界は混乱と複雑さの最中にありながら、1日1日、少しずつbetter place to beになっている、そして、我々の不断の心がけがあれば、もっと良い世界となると、心底から思い、信じていることに、深く深く共感しました。
この書が世界に生み出されたことを深く感謝します。 -
思い込み、バイアスなどから生まれる世界に対する誤った理解にどう対応するか。世界は変化しているにも関わらず、人の知識がアップデートされないまま、それが正しいと思い込んでいる。ファクトベースで考えることのファクトに対する認識が正しいかどうか常に意識が必要。
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世界は複雑で、自分たちはそれをなんとか理解しょうと努力している(つもりだ)。
でもその認知は歪んでいる。
どのくらい歪んでいるかというと、世界の貧困・衛生・教育・男女格差などの現状を3択問題にした時に、正答率が1/3を下回るくらい歪んでいる。ランダムより悪い。筆者はこれを、『チンパンジーより悪い』という。この認知の歪みは教養の有無とは関係がない。インテリジェンスといわれる層も同様どころか、場合によってはさらに誤った認知をしている傾向すらある。
今を生きる、特に今先進国を生きる者にとって、世界の認知がいかに歪んでいるか、それはどのように形成されているのかという話。
“bad”(いまの状態として悪い)”better”(傾向として良くなっている)を分けて考えなければならないという指摘は、特に重要で説得力がある。”bad”だが”better”でもある状態がある。そういう時、”bad”である以上は改善に向けて批判的検証が要るが、これまで”better”にするために積み上げてきた努力・成果を蔑ろにすることも適切でない。
なぜ、正しい認知が必要なのか。筆者はいう。
Of course, I am the first person to wish the number was even lower and falling even faster. But to know how to act, and how to prioritize resources, nothing can be more important than doing the cool-headed math and realizing what works and what doesn’t. And this is clear: more and more deaths are being prevented. We would never realize that without comparing the numbers.(p. 131)
筆者は途上国での医療・衛生問題に取り組んだ医者で、眼前にある”bad”に対処する情熱や人々に寄せられる同情と、対処療法で済ませない社会をつくるための資源の適切な配分も念頭に置く”cool-headed”を併せ持っていた。そんな筆者に惹かれ、素朴な尊敬の念がつのる中、OUTROに最後の驚きがある。そういう本だと思っていなかった。なんとも。 -
無意識な思い込みに左右されがちな我々の思考に気付きを与え、データに基づき考えるということを教えてくれる本。
思考せず情報を鵜呑みにする人の多い昨今、自分で考える訓練は本当に大事だと思う。
「無知は恥ではない。だから恥じるよりもまず関心を持て」 -
読んでいきましょう・・
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I felt like wording is quite easy for non-native speaker so I could read it without any stress.
We human beings are surrounded by media and too much information, but we do not understand properly how we should handle it .
The book gave me a perspective to see the world which I have almost forgotten. -
The English used in this book is easy for non native English speaker to understand.
The book is about how to capture our world based on facts, not on fears or urgency instinct.
The author tells us that the world is getting better and better than the majority of us think. It’s not just irresponsible optimism. It’s based on data and analysis.
After reading this book, you might be able to process news or articles better even if those are titled sensational phrases. -
丁度読みたかった本で、英語の勉強も出来るし、イギリスの書店でセールをしていたので、一石三鳥。
「何事も、正確で関連性のあるデータに基づいて判断を下すべきである。」ということが、著者の経験に基づきながら、色々な角度から″力説″している。
結局人間って虚構を生きる生き物だから、事実に基づかずに行動するのは仕方ない。ただ、それとは正反対のベクトルに読者を何とか持っていこうとする著者の熱量はすごく伝わってくる。 (この辺り、日本語訳が気になる)
総じて、世界でバカ売れしてるだけあってめちゃくちゃ面白かった。内容だけでなく、所々入れてくるジョークやアイロニーもクスッと笑えて面白い。 -
英語だったので大体しか理解できてないかもしれないが、最新の情報というものがいかに把握できていないのか、いかに偏見を持って世の中を見ているのかということを気付かされた。世の中はどんどん悪くなってきているのかという思い込みがあったが、世界の貧困層はかなり減ってきている、世界の人口は増え続けない、犯罪や事故死は減少してきていることなどを理解できて安心した。
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世界をちゃんと知ること。問題点も成長も、事実に基づいて掴むこと。当たり前の極みなんだけど、実践できてはいなかったなあ。読み終わった自分がこのあとどう実践するか。そこが問題だ。
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自分の思考感覚が下手をしたら戦前のままである、と言うことに気づかされた。(戦後生まれですが)
新聞、メディアで活用されるグラフ、数字は、何かを強調するためには、いくらでも操作できる道具であった。とかく私たちは数字を出されると何でも信じがちである。でもその数字は加工されたものであることが多い。何かの比較、経過などが出てきたら、その数字の出所をきちんと見つけてから考えるようにしようと思う。
本の内容が素晴らしく、目から鱗であるのは間違いないが、章の構成がワンパターンで途中から私は飽きてしまった。日本人にとっては、いささか長すぎる本ではないだろうか。半分以降はAudibleの読み上げで聴き終えた。
英語はそれほど難しくなく、ネイティブでなくてもたまに出てくるわからない単語を調べれば簡単に読める。
日本の本は大概短く、洋書は大抵長い、慣れの問題かもしれない。 -
邦訳本が話題だというので読んでみた。ステレオタイプなイメージに惑わされて、思考停止になるのは止めよう、と言うシンプルな主張なのだが、どうしてそんなことが人々の注目を集めているのか理解できない。
そもそも皆がクイズ(と敢えて書く)に正しく答えられないのは、84年のアフリカ大飢饉によって餓えた人々のイメージを引きずっているだけであって、物事を悲観的に見るバイアスが原因とは言えないのではないか。アフリカの貧困状況なんて誰も興味がないから、単に”USA For Africa"で沁みついた昔の記憶がアップデートされていないだけだ。
それにむやみに楽観論を振り撒くのもどうなのか?気候変動はもはや取り返しのつかないレベルに達していると言う人もいるし、最悪の事態を想定して対策を打っていくのが人類の叡知ではないか。人間は尻に火が付かなければ本気にならないのだから、”最悪”シナリオを否定したり、拙速を批判したりするのも危険だ。著者の住んでいたモザンビークでも昨年猛烈なサイクロンで15万人が被災し100人以上が亡くなった。とてもではないがgetting betterと喜んでいる場合ではないだろう。 -
私たちが世界を見るときに持ちやすい先入観と、実際のデータに基づいた世界の状況が、非常にわかりやすく説明されている。
著者が晩年に命を削りつつ書き上げた本でもあり、英語のわかりやすさ、論理や例のわかりやすさ等から、著者の熱意を感じる。
著者自身も注意書きを残しているように、著者は "The world is getting better." とは言っていても、"The world is good." とは一度も述べていない。データに基づいて進歩は進歩として認め、しかし問題は問題として受け止めて解決策を模索する。総合的には良いとも悪いとも判断しない。
それはかなり難しいことだが、変化が著しい今の世界において特に求められる姿勢なのだと学びを得た。 -
2F 企画展示 「見つめ直す」(2024.10月)
選書企画2019 「図書館に置いて欲しい本 書いて!貼って!」 で選書した図書
【配架場所】 図・3F開架
【請求記号】 361||RO
OPACへのリンク】
https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/189644 -
よくなっていることも、まだ改善すべきことも、真摯に事実と向き合う筆者の前向きさが素晴らしかった
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