Sea of Tranquility

  • Picador (2022年4月28日発売)
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Amazon.co.jp ・洋書 (272ページ) / ISBN・EAN: 9781529083491

感想・レビュー・書評

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  • ある任務を負って20世紀初頭のカナダから25世紀の月面コロニーまであちこち「旅」をするGaspery。各「時代」で彼にインタビューされる人々の人生の一コマが読者に分かりやすく示され、コロナ禍を絡ませて短めながら満足度の高い読書だった。レイ・ブラッドベリの短編達を思い出させるような情緒的な部分や、デイヴィッド・ミッチェルのクラウドアトラスを思わせる幾つもの時代の移り変わりが個人的にはツボ。来月の家族読書会の課題図書。オバマ元大統領の昨年の読書リストに載っていたので選んでみた。

    この作品の中には作中作品としてパンデミックを題材としたMarienbadというのが出てくるのだが、この名前を聞いて思い出したのが「去年マリエンバードで」という映画(未見)。というのも、萩尾望都の「バルハラ異界」に出てくるマリエンバードとこの映画が繋がっていて、いつか観てみなければと思っていた映画だったから。この本ともつながりがありそうで、ますます興味出てきた。「去年マリエンバードで」は黒澤の「羅生門」に影響を受けてたとかいうのも面白い。

  • いろんな時代で、同じような不思議な現象が起きているのを、未来の人が謎解きをする話。
    登場人物のつながりが面白かった。

  • 2019年に読んだデストピア本"Station Eleven”の著者による、新たなデストピア/SF作品。”Station Eleven”では、Georgia fluと呼ばれる、潜伏期間があり得ないほど短くて、感染したら数日で確実に死に至る病気が蔓延した世界が舞台だったけど、今回はCovid-19がキーイベントとして登場。でも前作と全く異なる点は、数少ない生存者がサバイバルを賭けて必死で生き抜こうとする展開になるのではなく、パンデミックはあくまでもタイムトラベル主観のプロットに彩りを加えるような役目を補っているだけということ。1912年から始まるストーリーは、1994年、2172年、2195年、2203年、2401年などなど、順不同で舞台やキャラクターを変え、「これらが全部どう繋がっていくんだろう?」と思いながら読み進めていくと、最後の最後に「おおー、なるほどそう繋がるのか!」と唸る展開へ発展する。個人的には”Station Eleven”のラスト(特に何も起こらず)よりも断然面白かった。未来では地球上で引き続き暮らす人々がいるだけでなく、月や土星に創設されたコロニーに移住している人間がいるという設定や、そんな未来都市の描写も新鮮だった。本当に将来、人間が地球外で生活するようになったりするんだろうか。そして、タイムトラベルが実現したりしちゃうんだろうか…。

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