Chased by the Light: A 90-Day Journey

JimBrandenburg

• Creative Pub Intl (2001年10月1日発売)

感想・レビュー・書評

[花谷タケシさんの感想 · 2010年7月15日]

この写真集との出会いは1998年、一年間カナダに滞在していた当時、本屋でなんとなく手にした。
副題【A 90-DAY JOURNEY】が引っ掛かったからである。
解説を読むと、ある秋から冬にかけての90日間、写真家ジム・ブランデンバーグがミネソタ州北部の森に籠もり『一日一枚だけの撮影』をしたときの写真集だった。
僕自身も写真を始めた頃だったので見入ってしまった。

『一日一枚』だから並の写真もあるが、『一日一枚』なのに凄い写真も多い。

『一日一枚』ということは…
もし朝撮ったらその後どんなに素敵な瞬間に出会ってももう撮れない。。。
もしなかなか良い瞬間に出会えぬまま一日が終わろうとすれば焦るだろう。。。

自然界に対するスタンスや、極限の制約を自らに課し自分の能力を全て引き出そうとするストイックさに魂が揺さぶられた。
以来僕の中で彼は現役自然写真家の中で最も尊敬する人となった。
当時は世界の写真家のことなどまだ全然知らなかったが、実は作者Jim BrandenburgはNational Geographic誌などにも寄稿する世界的に有名な野生動物写真家だった。

ずっと手元に置きたかった写真集であるが当時はハードカバーで手が出なかった。Amazonでペーパーバックの2nd Editionを発見し念願の購入。

『一枚に込める想い』が軽くなってしまったデジタル時代だからこそ、この写真集の存在意義はさらに高くなったと思う。
自然派写真家の方には是非見て欲しい一冊。