The Kite Runner

  • Riverhead Trade (2004年4月27日発売)
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Amazon.co.jp ・洋書 (400ページ) / ISBN・EAN: 9781594480003

感想・レビュー・書評

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  • アフガニスタンのカブール出身の作家による作品。
    この本は数年前からずーっと読みたいと思っていて、”The Reading List (by Sara Nisha Adams)”に登場するリストにも載っていたこともあって「読まねば…」という気持ちに更に拍車がかかり、読了後に勢いでこのバーチャル本棚に登録したはいいけど、作中でも誰かが『とても悲しい話だから、心がhappyな時に読まないといけない本』みたいなことを言っていて、なかなか読むタイミングを掴めずにいた。けど、そうこうしているうちにまた年が明けてしまいそうなので、今回腹をくくって、作者本人の朗読によるオーディオブック版を耳読書することにした。

    私はアフガニスタン情勢や文化にはとても疎いので、9.11が起こるずっと前から始まるこの物語を通してそれらをちょっと知れたことは、正に『読書を通して今まで知らなかった知識を得る』という読書の醍醐味を実感した気がするし、主人公Amirの目を通して描かれるアフガニスタンの人々の暮らし、階級差別、戦争前後の生活の激変ぶり、そして友人Hassanとの友情や彼に対する後悔と罪悪感なんかがリアルに感じられた。前知識で『Amirが何らかの形でHassanを裏切ってしまうことになる』ということは知っていたんだけど、その形が想像していたよりもショッキングで、Hassanの気持ちを想うと悲しくなると同時に、父親の愛情ばかり追いかけて勇気の欠片もないAmirに腹が立つわ、変わらずにAmirを慕うHassanが健気だわで、いたたまれない気持ちに。どうやら、このAmirがHassonを裏切る(見て見ぬ振りをする)場面は、『タリバンに苦しむアフガニスタンを見て見ぬ振りをする、国際社会に対する皮肉』として描かれているらしい。アフガニスタンにおける階級差別の言及も興味深く、パシュトゥーン人(アフガニスタンとパキスタンに居住するイラン系民族。アフガニスタン内で最大の人口を持つ。パフトゥーン 、パターン 、アフガンなど様々な名で知られる。アフガニスタンは、ペルシア語およびダリー語で「アフガン人の国」の意味で、Amirはパシュトゥーン人)とハザラ人(アフガニスタンを中心に居住するモンゴル系民族。イスラム教シーア派の信者が多く、日本人に似た特徴的な容貌や宗教的信念により、他のアフガニスタンの民族から宗教的迫害のみならず文化的、経済的差別に直面してきた。Hassanはハザラ人で、Amirの父親の使用人の息子)という民族間に存在する差別について初めて知った。若い頃のAmirがHassanの見た目を”Like a Chinese doll”と表現することがあったけど、それはモンゴル系民族というルーツから来ていたということか。ハザラとして生まれたら、きっとずっと差別の対象として生きていかないといけないんだろうな…と思ったら、インドのカースト制度や、日本で言う穢多・非人もそうだよな…と思って、階級差別の理不尽さを改めて感じた。

    評判通り、とっても悲しいストーリーなんだけど、ベストセラーになったことで人々がアフガニスタン情勢に関心を寄せるきっかけになったことは間違いないだろうし、最後にはちょっと希望が見える、美しいエンディングだったのに救われたし、心が洗われた。タイトルも、読了してみてから改めて考えると、とってもいいタイトルだなと思う。Hassanの忠誠心の尊さよ…。しかし、作者本人の朗読スキルが全く好ましくなく、綺麗な英語で聴き取りやすくはあるんだけど、常にフラットな読み方で、登場人物達の会話も全く同じイントネーション・声色なので、誰が喋っているのか困惑したり、感情が込まれてないなと感じる場面が多々あったので、それがすごく残念だった。大切な本を自分の声で届けたいという願いは理解出来るんだけど、やっぱりプロの朗読者の仕事は素晴らしいし、素直にプロに頼もうよ…と思わずにはいられない作家さん達が朗読した本をこれまでに何冊か聴いてきたけど、これもその一冊になってしまったのが残念。この作者の別作品、”A Thousand Splendid Suns”も読みたいと思っているけど、こちらは作者ではなく、女性が朗読している様子。やっぱり1作目の朗読の評判が良くなかったからかな…なんて勝手に想像してしまったけれど、単に”A Thousand Splendid Suns”は女性の視点から書かれた作品だから、という理由からかも。アフガニスタンで使われる言語を喋るプロの朗読者がなかなかいないのかも知れないなぁ、なんて余計なことを色々考えてしまった。

  • アフガニスタンの無常。

  • 嗚咽が止まりません・・・素晴らしい作品。人間、人間社会はとても複雑で、それによって望まぬようなことが引き起こされてばかりですが、ひとそれぞれが持って生まれた魂は例外なく善良なのだろう、と考えさせてもらいました。(映画もよかった!)

  • 107,052words

    • angel2013さん
      メッセージありがとうございました!うれしかったです。同じ著者の違う本を読んだことがあります。感動しました。これも読んでみようかなあ。もしよか...
      メッセージありがとうございました!うれしかったです。同じ著者の違う本を読んだことがあります。感動しました。これも読んでみようかなあ。もしよかったら、読書日記は再開したので、遊びにきてください!本家もあるけどまだです(笑)http://angelbooklog.blog.jp/
      2013/10/29
  • 可愛いだけでない子どもの心が丁寧に書かれていて引き込まれましたが、その分、終盤の展開は厳しすぎて読むのが辛かった。

  • アフガニスタン、テロの温床くらいしかイメージがないけど、その奥の普通の人々の心情や出来事がありありと思い浮かべられる。
    かつての素朴な日々と一転して変わった様子。
    世界のほとんどの人が知らない世界だと思う。

    始めから表現がいいなと思うところがあって、最後3ページはすごくいい。
    喧騒の中、2人の時間が止まった瞬間の描写から最後まで。

    "For you, a thousand times over"
    I heard myself say.
    Then I turned and run.
    It was only a smile, nothing more.
    I didn't make everything all right.
    I didn't make anything all right.
    Only a smile. A tiny thing.
    A leaf in the woods, shaking in the wake of a startled bird's flight.
    But I'll take it. With open arms. Because when spring comes, it melts the snow one flake at a time, and maybe I just witnessed the first flake melting.

    I ran. A grown man running with a swarm of screaming children. But I didn't care. I ran with the wind blowing in my face, and a smile as wide as the valley of Panjsher on my lips.
    I ran.

  • 悲しくも美しい物語。
    主人公を中心とした様々な絆をメインに話が進みます。侵略前と後のアフガニスタン、どんな時にでも、文化を大切にし、家族や周りの人を愛する気持ちを忘れない登場人物にとても心が惹かれます。

    心に響く台詞も盛りだくさんです。

  • ソ連がアフガニスタンに侵攻してきた当時の、お金持ちの家に生まれた少年と、その召使の息子との友情の物語。悲しく、切なくなりながらも、ストーリーに引き込まれ2日間で読了しました。英語表現が非常に美しく、繊細な景色が目の前にありありと浮かんでくるようです。

  • Excellent story and writing. I believe everyone will enjoy reading it. Tis definitely a must read book!

  • この本が原作になった映画を見たのが2007年。
    あれから随分長い時が経ったけれども、
    先日読んだ[A Thousand Splended Sun]が素晴らしかったので
    ようやく彼のデビュー作になるこの作品を読む事ができた。
    映画も良かったのを覚えているけれども、やっぱり原作は違う!
    これがデビュー作だなんてすばらし過ぎる!

    A Thousand Splended Sunも根を掘れば軸は家族だったけれども
    この本も軸は、家族のあり方、家族の姿だ。

    マスターの子と召使の子。
    立場は違えど兄弟のようにして育った二人。
    しかし、ある事件をきっかけにすべてが崩れていく。
    何も出来なかった主人公。
    傍観者でいることは時に罪だ。
    そしてその罪の意識に耐えられなくて更なる嘘をつく。
    崩れてしまった二人の関係。
    幼い頃の記憶と現在が行き来する。

    アフガニスタンと聞くと遠い国だ。
    ニュースや新聞ではいくらでも名前を聞く。
    この作品は、アフガニスタンの歴史や民族や文化に触れながらも
    描かれているのは家族愛。扱っているのはそこで生きる人々の姿だ。
    アフガニスタンの文化はもちろんのこと、移民文化もしっかり描かれている。
    アフガニスタン紛争の末、アメリカに亡命した主人公とその父。
    ”自由"の国アメリカで一から生活をやり直した移民としての二人の暮らしぶり。
    それもまた興味深い。

    少しずつ明かされていく真実が、波のようにじわじわと押し寄せてきて
    本当にもう素晴らしい!
    親子2世代で犯した罪と懺悔。
    人は生きていれば幾度も間違いを犯すだろう。
    その間違いと向き合っていくには、そして償いとは……。

    これで、この人の作品2冊とも読んだけれども
    まだ3作目は出ていない模様。
    すっかり大ファンになってしまったのでこれからがまた楽しみでしかたない。

    A Thousand Splended Sunとあわせて絶対お勧め!!

  • 2冊目の英語で読みきった小説。
    こんなハッピーエンドで終わるんだね、と思ったら予想をくつがえされ、今度こそこういうことだろうと思ったらまだ一山あって、、、。アフガニスタンという文脈があると、こんなにも難しいことが続出するのか、と。長期で続く紛争の悪影響を、様々な面から切り取って見せられたと感じた。

    Redemptionというのがキーワードだろうか。自分にも、「あの時、なぜああしなかったのだろう?あるいは、なぜああしてしまったのだろう?」ということはあるが、それをいつか清算できる日は来るのかな。または、清算せざるを得ない日がくるのかな。

  • YL7.8 106,895語

    AfghanistanのKabulで実業家の父Babaと裕福な生活を送る
    Amir。女性のいないこの家で召使として働いているAliは身分
    こそ違えど、Babaと幼い頃から兄弟のように育ってきた。
    そのAliの息子HassanはAmirの一つ年下で父親の仕事の手
    伝いをしながら学校から帰ってきたAmirと遊ぶことを楽しみに
    していた。何よりもAmirに物語を読んでもらうことを。
    Babaの友人、Rahim KhanはAmirの良き理解者であり年上
    の友人として暖かく見守ってくれている。月日は流れ、2001年。
    AmirはRahim Khanから電話を受け取る。

  • 私の洋書ベスト1。
    英語の本を読んで初めて号泣した。
    版によっていろいろな表紙があるが、このバージョンが一番好き。

  • ロシアによる侵攻前のアフガニスタンからはじまり、現代まで。
    既に組まれた歴史の構図の中で育つ、二人の少年の哀しく奇妙な、「友情」よりも複雑な絆の話。
    過去に犯した罪にさいなまれる主人公。贖罪とは、どういうことなのか。
    君のためにできることがあるならば、僕はその一歩を踏み出せるのか。


    アフガニスタンっていう土地の独自性ー歴史ーが、常に過去と現在が繋がってる太い綱みたいに浮き上がってくる。ニュースでワンシーンとして見るアフガニスタンではなくて、歴史の中で連続性を持った、大きな世界の力。
    でも同時に、感情もまた理性じゃどうしようもないから、
    両者が複雑に絡み合って、また辛い歴史の一歩が出来上がる。
    そして被支配者はいつだって、強くならざるをえないんだろう。精神的にね。優しいってのは努力だと思う。

    現代に舞台を移してからは、
    過去が浮遊してしまう、歴史から切り離された移民の苦しみとか。
    築き上げたものが意味なく破壊される、虚無感とか。
    今も尚「戦火」にはないけど暴力の中にいる人々が、かの地で生活してるとか。
    今日の問題が映し出されてます。
    数字とニュースの文面だけじゃ、きっと連想できなかった、私は。


    “for you, a thousand times.”っていう言葉に、がらにもなくどっと涙があふれてしまった。本当に、辛いお話なんだけど・・・衝撃と痛みの連続で・・・でも希望がある。一縷ではあるけども。
    非常に簡単だけど力強い語りです。「アフガニスタン問題」ではなく、「アフガニスタンの人々」に興味のある人に、読んでほしい一冊。
    それにしても、凧揚げしたくなった。

  • 英語のクラスで読んだ洋書です。

    中東の話というのは自分には馴染みも無くて最初は話が掴み辛くて、結構目を背けたくなる話とかもあったけれど読み続けていくうちに止まらなくなりました。後半の舞台となるアメリカのカリフォルニアは正に今自分が暮らしている地域なのでフィクションなのにフィクションとは思えない。ストーリー自体はフィクションでも、作者の生きたアフガンという地のバックグラウンドはこの作品とそうそう変わらないんじゃないだろうか。

    宗教、父親、民族、そして友達…いろんな葛藤があって、いろんな生き方があって、最後は泣かずにはいられなかったです。ハッサンのいつでも、いつまでも純粋な心はイタイほど。自分は大抵原作を知ってしまうと映画のほうはどうしても劣って見えてしまうんだけど、これの映画版もとても素敵な出来でした。

  • 主人公はアフガニスタンから娘一家の住んでいる米国サンノゼ市近郷に亡命してきており、馴染みの土地がよく出てくるので買って読んでみた。素晴らしい本である。中央アジアの詩人の魂を英語で表現でき、かつアフガニスタンの部族対立のすさまじさ、その中で翻弄する人々また毅然として生きる人々をよく表現できている。
    アフガンの再建は難しそう。

  • 2/26開始。

  • Fog Index: 7.1

  • 数年前の全米でのベストセラー(今でも米主要都市の空港の本屋さんなんかでよくみかけます)。前半は、アフガニスタンが舞台。主人公の少年が、正しくないと思いながらも、少数民族で、家の使用人の子である幼なじみを差別していく様子が衝撃的。途中、SFベイエリアが舞台となり、やり手の実業家だったお父さんがブルーカラーの職について、一生懸命主人公の学費を工面するようすが印象的。後半はすこしドラマティックな展開すぎて、しかも、先がよめてしまう感じ。けれど、なかなかの大作で読み応えがありました。サンフランシスコ在住のお医者さんのデビュー作(2006年12月のブッククラブ課題本)

  • アフガニスタンで育った少年の成長と消えない後悔や懺悔、そんな話。
    前半部分は本当にやるせない。

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