A Thousand Splendid Suns

著者 : Khaled Hosseini
  • Riverhead Books (2008年5月発売)
4.28
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  • レビュー :10
  • Amazon.co.jp ・洋書 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9781594483073

A Thousand Splendid Sunsの感想・レビュー・書評

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  •  Khaled Hosseiniはこれまで3つの小説を発表していて、そのいずれもがアフガニスタンの人々の悲劇を描いています。それぞれが少しずつ異なるテーマを扱っていて、この小説では特に女性の悲劇に焦点をあてています。

     古い因習、ソビエトの侵攻、その後の内戦、イスラム原理主義に基づくタリバンの支配、911テロに対するアメリカの報復、これらの全てによって常に虐げられ一番の苦しみと悲しみを背負わされ続けてきたのは女性と子供であり、その原因を作ってきたのは懲りない馬鹿な男たちなのです。

     LailaとMariamに降りかかる不幸の連鎖は壮絶です。そしてLailaと子供たちの幸せのためにMariamが選んだ自己犠牲には大きく心を揺すぶられます。

     第四部、LailaがMariamの生い立ちを辿る旅は悲しみに溢れています。JalilがMariamに宛てて残した手紙に込められた思いは涙を誘います。手紙の中で、JalilはMariamに対して取り返しのつかないことをしてしまったことを悔やんで詫びています。しかし毎日のニュースを見ても分かるとおり、今もなお、人は取り返しのつかない愚かなことを繰り返し続けているのです。女性たちはそれでも前を向いて生き、子供たちは育ってゆこうとする。そのことが唯一の救いであるといえます。

     難しい名前の登場人物が50人ほど出てくるので、メモしながら読まないと訳が分からなくなります。ご注意ください。

  • The Kite Runnerに続くKhaled Hosseiniによる二作品目。


    アフガニスタンで生まれ育った二人の女性の過酷な人生を綴った物語。


    主人公たちの生きてる時代が実は私とあまり変わらないっていう事実が衝撃的で、途中で読みすすめるのをやめようかと思ったほど。


    9.11まで着目されることがほぼなかったアフガニスタンの現状をアフガニスタン出身の作者が巧みに語るという貴重な作品。


    今まで読んだ本のなかでもベスト5に入るくらい心に残る作品。


    邦題は、「千の輝く太陽」。

    すごくすごくおすすめ。


    アフガニスタンという名前だけでなく実状を知ってほしい。


    死と隣り合わせの人生の中で、それでも希望を持ち続け、自らの能力を最大限に生かす手段を見いだそうとする彼らの強さに触れてほしい。

  • PDF
    日本語版PDFあり 千の輝く太陽

  • アフガニスタンに住む二人の女性を中心に描かれた、性差別問題をテーマにした物語。タリバン政権の間ももちろん、それ以前にも以後にも、女性への差別が当たり前となっているアフガニスタンの現状。同じ女性として、読んでいる間はずっと胸が痛かった。こんな事ってありえるのだろうか、どうしてこんな事を許すのか。主人公のMariamとLailaを応援すると同時に、どうか最後はハッピーエンドですようにと何度祈った事か。二人の人生があまりにも壮絶すぎて、終始そればかりしか考えられませんでした。最後はもうショックと嬉しさと悲しさの感情の混ざり合いでした。Khaled HosseiniのThe Kite Runnerも読みましたが、個人的にはA Thousand Splendid Sunsの方が好きです。本当におすすめです。

  • 言葉にならないくらい素晴らしい本。一生忘れられないような読書体験。

  • Hosseini氏は、映画化もされた「君のためなら千回でも(原題:Kite Runner)」の著者でもあり、本作を購入するきっかけもその「君のためなら千回でも」を読んで、とても感動したからでした。(ちなみに映画の方も観ましたが、とても良くできた映画に仕上がっています。)

    今回はマリアムとライラという、ソ連の侵攻前からタリバン支配時代のアフガニスタンに生きた2人の女性が主人公です。

    この激動の時代のアフガニスタンは、現代の日本人の目から見れば極端な男尊女卑の世界であり、家庭内暴力なんか当たり前という非常に過酷な世界(妻の制裁与奪の権利は夫が持っている、くらいに彼の地では考えられているようです)です。本作では、様々な困難に直面しながらも懸命に生き抜いていく2人を描いています。

    しかし、その苛酷さは想像以上のもので、読んでいて気が滅入ってしまうほどでした。物語のラストでは光明が見えるものの、全体としてはやはり悲惨の連続。そう言った意味では、個人的には前作の「君のためなら千回でも」の方が好きです。

    英語の難易度はそれほど高いものが要求されるとは思いませんが、アフガニスタンが舞台となるため、その地域独特の風習や、民族衣裳の名前など英語に訳されずにそのままの単語が用いられているので、若干取っつきにくいかもしれません。

    本作品はフィクションではありますが、現代アフガニスタンにおける社会や女性の置かれている状況がどんなものか、その雰囲気に触れてみたいと思う方には良い作品だと思います。

  • ヒロイン達の運命に深く深く、苦しく、せつなく、やるせない気持ちに何度もなるので、読んでいて爽快な気分になれる本ではないかも知れません。寝る前に読むと、寝られなかったし。でも、やはり思ったのは、

    「これは読まなきゃいけない本でしょ。」

    顔を背けたくなるような事実でも、平和ボケした私達にはこのような素晴らしい語り口で語られる物語を通して現実を教えてくれた著者に拍手を送りたいです。昨日も書きましたが、かつてTIMEの表紙にもなった夫に鼻と耳をそげ落とされた女性や、投石刑(stone to deathと呼ぶ)なども最近見聞きしていたので、さらに目の前にタリバンの怖さをみたような気がしました。

    ヒロイン達のことを思えば、自分の日々の悩みなんてと思える作品です。私は涙もろいので、やっぱり何度も涙しました。子供の前ではつらかったので、本を読むのをやめた時もありました。

    最後のほうのシーンで一番涙がとまらなかったシーンで思い出した映画が一つ。

    「ニューシネマパラダイス」
    私の大好きな映画です。

    あの有名なラストシーン。私が何度見ても泣いてしまうラストシーンを彷彿とさせるワンショットがありました。ああいうの持ってこられたら弱いんですよね。

  • 「君のためなら千回でも」の著者カーレド・ホッセイニの2作目。
    実は「君のためなら千回でも」も映画は見たのだけれども原作はまだ読んでないの。
    でも、この作品を読んでからものすごく心を掴まれたので絶対原作も読む。

    この作品、もうすばらしかった!
    今まで読んだ洋書の中でもものすごく心に残る本。

    舞台はアフガニスタン。
    二人の女性の視点から書かれるアフガニスタンの女性像。
    まったく環境も年も違う二人の女性の人生があることをきっかけに結びつく。
    二人の人生から見たアフガニスタンの歴史も絡まって
    読みながらまるでこの女性たちの目線で
    共にアフガニスタンの歴史を駆け抜けているような気分になる。

    内容は正直いって決して気分のいいものではない。
    夫から受ける暴力、女性への徹底した差別。
    最近ではアフガニスタンものを読んだり見たりすることが多かったため
    「A Woman Among Warlords」や「Afghan Star」「アフガン零年」
    などで読んだり見たりしたことで、目新しい情報ではないにしても
    この著者の描き方がものすごく心に響いていてきて、心を揺さぶられる。

    (ネタバレ注意)


    耐えて耐えて耐え抜いたマリアムと戦い抜いたライラ。
    二人の女性のまったく違う「強さ」がこの作品では描かれている。

    子供のころは望まれぬ子として育って
    母親を亡くし、その罪の意識に囚われて、
    父親には裏切られて、結婚して自分の家族を作るのだと
    ようやく少し希望が見えてきたところでの流産。
    そしてそれからころっと変わった旦那の態度。
    耐えて耐えて生きてきたマリアムの人生。
    たった一度自分の力で人生を変えるきっかけがあんなことになるとは。
    マリアムの最期の瞬間までの回想には、胸が苦しくて。
    決して楽しい人生ではなかったはずなのに
    苦しみに耐えて耐えて、なぜ?ということが多かったはずなのに
    それでも何処か心は穏やかだとマリアムは回想しながら思う。
    ライラがいたことで、ライラの子供たちがいたことで
    自分は彼女たちを愛し、そして愛された。
    そう思えるマリアムの「強さ」にまた涙が止まらなくて。
    フィクションとはいえ、どうかどうか安らかに、と願わずにはいられなくて。

    その後、マリアムのお父さんの手紙に号泣。
    マリアムがこの手紙を読んでいたら。
    ちゃんと愛されてた。ちゃんと愛されてたんだよ、と。
    お父さんの後悔は遅いけれども、でもその想いがマリアムの想いが
    めぐりめぐって返ってきたんだろう。

    とにかく前半から後半への流れ。
    後半でぐっと掴まれて、読み終わったあと
    しばらくその余韻から抜け出せずにいました。


    彼の作品これからも追っていきたいです。
    次回作が楽しみ。
    まずは「君のためなら何千回も」を読もうっと。

  • 私たちが当たり前だと思っている価値観が全く通用しない世界:アフガニスタン

    そこで生きる女性たち。

    もし、自分がこの国に生まれたなら、、

    生活とか人生とかの前提条件があまりに違う世界の話に、適当な言葉がみつからない。

    小説でありながら、小説でなく現実であることを知っているので、感動したとかしないとか、そういうレベルではない。

    人生そのものを考えたい時、自分がとてつもなく不幸に思える時、そんな時読んでみるといい本かもしれない。

    自分には何ができるだろう? 

  • 邦題「千の輝く太陽」。
    Kite Runner(邦題「君のためなら千回でも」)の著者です。
    個人的には前作の方が好きだけど、こちらは女性の視点から、アフガニスタンの暴力的な構造を語ってます。うちに秘められた痛みを描き出すのが、本当にうまい。
    絶望的な怒涛の毎日の中、一筋の希望の光に向かって・・・って、そういう毎日を暮らす人が、どれだけこの世の中にいることか。

    ピノキオを見ようと思った。

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