21 Lessons for the 21st Century

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Amazon.co.jp ・洋書 / ISBN・EAN: 9781787330870

感想・レビュー・書評

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  • 『サピエンス全史』を著した歴史家ユヴァル・ノア・ハラリの最新作。
    本著では現在を軸に社会が直面している、また、するだろう課題について、どう捉えていくべきか、膨大な知識、見識を基に論じている。
    現在のトピックスとしてテクノロジー(バイオテックとインフォテックの融合)の問題やトランプニズムの捉え方についても触れていて興味深い。
    今後、認識すべきことが多々見つかった。

    以下抜粋~
    ・デモクラシーはリンカーンの原則に基づくもの
    You can fool all the people some of the time, and some people all of the time, but you cannot fool all the people all the time.

    ・AIを考える際に、ひとりの自動運転者とひとりのドライバー、ひとりのAI医者と一人の人間の医者を比べるべきではない
    We should compare the abilities of a collection of human individuals to the abilities of an integrated network.

    ・(Universal Basic Incomeについて、子供の教育ということを”仕事”と捉えることができる。将来の世の中を背追う次世代を社会として経済的にも支援していくという発想。例えば、専業主婦であっても、”仕事に従事”しているという観点で経済的メリットを享受すべき。社会福祉の考え方を違った観点で捉えているところが興味深い)
    We need to flip a switch in our minds and realize that taking care of a child is arguably the most important and challenging job in the world.

    ・We are now at the confluence if two immense revolution. Biotech and Infotech revolution.

    ・(もっとも貴重な資産、個人情報を容易く提供していることに関して)
    It's a bit like African and Native American tribes who unwittingly sold entire countries to European imperialists in exchange for colorful beads and cheap trinkets.

    ・Each of these three problems - nuclear war, ecological collapse, and technological disruption - in enough to threaten the future of human civilization.

    ・The most important secular commitment is to the truth, which is based on observation and evidence rather than on mere faith.

    ・(世俗的な価値観は、何も宗教的な価値観と異にするものではない)
    Jews value the truth, Christians value compassion, Muslims value equality, Hindus value responsibility, and so forth.

    ・My first question to you is :
    What was the biggest mistake your religion , ideology, or worldview committed? What did it get wrong? If you cannot come up with something serious, I for one would not trust you.

    ・(AIの時代に学校で教えるべきことは)
    The four Cs- critical thinking, communication, collaboration, and creativity.
    Most important of all will be the ability to deal with change, learn new things, and preserve your mental balance in unfamiliar situations.
    In order to keep up with the world of 2050, you will need not merely to invent new ideas and products but above all to reinvent yourself again and again.

    ・In history, the roof is sometimes more important than the foundations.
    (宗教間の戦争、虐殺などは、決して、その宗教的な基礎的な考え方から起こるものではなく、表層的な解釈によって起こる)

  • 【241冊目】日本でもベストセラーになった「サピエンス全史」の著者、ユヴァル・ノア・ハラリさんの最新作。「サピエンス全史」の、人間はフィクションを操ることによってここまで文明を発展させることができたという言説を下敷きにして、21世紀を生きるための21の教訓(lessons)が語られる。

     正直読むのに時間かけすぎて、前半の方をほとんど覚えていない…線引きながら読んで良かった笑。

     ただ、本のエッセンスは、最後の章の1段落にまとめられてると思うので、長いけど訳しておこう。
    「テクノロジーが進歩するにつれて2つのことが起こった。1つ目は、石器のナイフが時間をかけて核ミサイルになり、社会秩序の動揺は一層危険性を増した。2つ目は、洞窟の壁画がテレビ放送に進化し、簡単に人々を幻惑させることができるようになった。近い将来、アルゴリズムがこの流れをほぼ完全なものにしてしまい、我々は自分自身に関する現実をありのままに観察することがほぼ不可能になるだろう。私達が何者で、自分自身の何を知るべきなのか、それをすべて決めるのはアルゴリズムになるだろう。
    この先数年、または数十年の間は、まだ私達に選択肢が残されている。もし努力すれば、私達の本当の姿を探求することは私達自身が行える。ただ、もし本当にこの機会をつかみたいなら、今すぐそうするべきだ。」

     そして、筆者は、自分の本当の姿を探求する手段としてmeditationを勧めている。それは、自らの感じるところや主観を本当の意味で見つめることができるのはmeditationしかないと筆者が考えているから。
     
     すぐにAIはバイオテクノロジーの進化とあいまって、私達の「外側」から心拍数の上昇や発汗、体重の増減等様々な生体反応と変化を数値化し、観察し、分析し、私達がいつ・どこで・何を食べ、どんな運動をし、何時に寝るべきかを判断するようになる。というか、この変化はすでに始まっている。
     初めはこうした流れにあらがっていた人々も、やがて政府が生体情報の提出を義務付け、あるいは保険会社が生体情報の提出を保険加入の要件とすることにより、私達自身の一部(=データ)がAIに吸い上げられていくようになる。
     そういう時代に、これまで我々がしてきたように、イデオロギーやナショナリズムや宗教に頼ることは出来ない。なぜなら、それらは所詮人が作った「物語」でしかなく、真実ではないから……というような論が展開されている印象。

     特に前半のAIとBiotechnologyの進化によって、自分自身や人類自身に関する主導権を奪われていくさまを描いた部分は、恐怖すら覚えた。
     最も印象に残ったのは、もはやコンピュータが人類と勝負する時代ではなく、コンピュータ同士の勝負の時代になったという次のエピソード。
     2017年12月7日、ストックフィッシュ8というプログラムとグーグル社製アルファゼロが対決した。ストックフィッシュ8は、2016のコンピュータチェスのチャンピオンであり、数百年に及ぶ人間のチェスの歴史と数十年分のコンピュータチェスの経験にアクセス可能な代物だった。
     ストックフィッシュ8が1秒間に7千万回の計算をこなすことが出来るのに対して、アルファゼロは1秒間にたったの8万回の計算しかできない。しかも、アルファゼロの製作者は、チェスの戦略を何一つ教えなかった。その代わりアルファゼロは、最新の機械学習を習得しており、自分自身と対決することによって自己学習していく。
     アルファゼロはストックフィッシュ8に対し、28勝0敗72分け。人間から学習したものが1つも無いアルファゼロは、ストックフィッシュ8に1度も負けなかった。驚異的なのはここからで、アルファゼロが全くの初心者からストックフィッシュ8との対決までの準備に費やした時間は、たったの4時間であったこと。人間の助けを全く借りずに、ずぶの初心者が前年の世界王者に勝ってしまったのである。

    ……人間の「創造性(creativity)」なんてそんなもんだ、と筆者は言っている。

  • 面白かったです。

    21はバラバラなようで有機的なつながりを感じながら読むことができました。

    みんなが「歴史書」というのですが、私の中では哲学書ととらえたほうが納得しやすいのですが。

    それはともかく、AIに対するとらえ方は、機械学習なる言葉が生成AIに置き換わっても何の問題もなく読める大局観を感じます。

    また、このそれぞれのストーリーはばらばらなようで、最後が瞑想というのも、とても納得のいくストーリーでした。

  • 近々邦訳が出るであろう、人気作家の文明論。テーマは基本的に前作・前々作においてそれぞれ考察された人類の「過去」と「未来」に再度の洞察を加えることにより、人類が直面する「現在」の諸問題に立ち向かう術を見出そうというもの。したがって前二作の読者には既視感のあるグローバルな視点からの論点も多いものの、あくまで現下の同時代人が抱える諸問題が切り口となっており、個々の読者に向けられたまさにプライベートな「レッスン」のような親しみやすさが本書の特徴。また、本作の終盤ではこれまで直接著者の口から語られることの少なかった本人の生い立ちに焦点が当てられており、著者自身がそこから得た教訓をもとに読者に最後のアドバイスが加えられるという点も前二作には見られない点だ。
     「世の中の言説・ナラティブはそもそもポスト・トゥルース」という主張はややシニカルに響くが、「依るべきものを持たないことの強さ・自由さ」を思い起こさせてくれた。個人的には、終章の瞑想体験に関する心身二元論的主張には少々違和感を覚えたが、著者の一番の特徴である読みやすさは少しも損なわれておらず、楽しく読むことができた。なんと言っても、原書がヘブライ語であるため、英訳の際に「こなれた」文章になっており、英文が平易で読みやすい。

  • ホモデウス>サピエンス全史からこちらへ。最初の10章くらいはまあそうかって感じだけど、宗教とか最後の5章くらいはけっこうおもしろい。まあなに読んだかあんまり覚えてないけど。あと、最後のQ&A最高。あなたがゲイであることはあなたの著作に影響を及ぼしていますか?とか。そして21章めでは、やっぱ瞑想だよね。みたいなところも最高である。仏教って一切空とか言ってるけどさあ、ビルマの回教徒迫害とか見てみなよとか。once upon a time in hollywood的な面白さ。

  • 彼の本は2冊目(ホモデウスを英語で途中まで)だが、彼の著書であるサピエンス全史、ホモデウスの中で言及されている”なぜ人間が現在地上でもっと力のある生き物になっているのか?”、”それがこれまでの歴史の中でどう使われてきて、今現在の社会の中でどう使われているのか?”、”そしてこれからどう使われる可能性があるのか?”という彼の軸となる考えを中心に、彼の持論が各トピックで展開されており、自分なりにそれを再解釈し読み進めていくことができるので非常に面白い。
    自分や目に見える範囲を大切に日々過ごしていくことも大切。一方でたまに大きな視点で社会全体を捉えて考えてみなければ誰かの都合の良いシステムの中に組み込まれ、現状を疑ったり、考える力も失ってしまい、都合よく生かされ、何か有事の際にはあっというまの、、、、

    英語の本は読了までにかかる時間が大きなリスク。一方で新しい視点での考え方や英語の学習がで切るというのが大きなアドバンテージ。宗教に関する逸話なども多いので、そこら辺は興味をもって読み進めてもいいし、理解できなければ読み飛ばしても全体の理解には問題ないなと思った。英語として難しい単語もあるけどWordwiseの機能があるのでストレスは少ない。今回は読了に1ヶ月もかかってしまったのでもう少し集中して読み進めることができればよかったかなと。

    特に面白かった章
    Part I: The Technological Challenge テクノロジーがもたらす問題
    Chapter 1: Disillusionment 幻滅
    Chapter 2: Work 仕事 
    Chapter 3: Liberty 自由
    Chapter 4: Equality 平等

    Part IV: Truth 真実
    Chapter 15: Ignorance 無知
    Chapter 16: Justice 正義
    Chapter 17: Post-Truth 「ポスト真実」の時代
    Chapter 18: Science Fiction サイエンス・フィクション(SF)

    PartV: Resilience 負けない強さ
    Chapter 19: Education 教育
    Chapter 20: Meaning 意味
    Chapter 21: Meditation 瞑想

    最近サピエンス全史がAudibleになったので、またこちらも聴き進めながら、ホモデウスも再開し、この本に戻ってこれたら面白いなと思う。

  • 「サピエンス全史」「ホモ・デウス」の続編。「過去」「未来」と来て、やっぱり出ました「現在」編。「いま」読むのが大事かと思い、原書で。こういう本の場合特に、日本語版が出るまでのタイムラグって勿体ないよなあ。「ホモ・デウス」のディストピア的なトーンは変わらないものの、読者が現状をどう捉え、どう動くかの指針を示す実践編的な意味合いとして前向き。Irrelevant, Uselessな層にならないよう、(これまで通り)継続的な変化へのストレス耐性を高めるべく努力してまいる所存。

  • 一作目の「サピエンス全史」で宗教・国家・貨幣などの「虚構の物語の共有」という斬新な視点から人類の“過去”を分析し、二作目「ホモ・デウス」では一転してITとバイオテクノロジーの発達がもたらす「機械によって支配される」人類の“未来”を予言した著者が、今回は人類の「現在」に焦点を当て、今日の世界が抱える諸課題の根本要因を前二作の観点を通じて解き明かすとともに、その解決に向けた方向性やアイディアを示した啓発書。

    文明といったマクロな観点でみれば、実は現代は自由主義・個人主義的価値観によって人類史上最も「統一化」された世界である一方、狩猟採集時代の小規模集団で培われた人類の倫理観は地球規模の共同体を維持するほどの適応力がなく、科学的或いは生命の歴史といった大局的見地から見ればほぼ無視し得るほどの小さな文化的相違を巡って様々な対立が激化している。

    著者は、今日の世界において支配的な、“個人は自由意志を持った(完璧ではないが)合理的な意思決定主体として自らが属する共同体の成長と発展に寄与する”という考え方自体が、実は国家や民主主義などの「虚構の物語」によって作られた幻想に過ぎず、その信念が強いほど人類は排他的となり、自らの正義のために他者を傷つけ、より大きな地球規模の課題から目を反らすことをも正当化される現状に警鐘を鳴らす。

    このような“自由意志という名の脆弱性”を自覚し克服するための教育や努力がなければ、情報技術やバイオテクノロジーがますます発展する中で、単なる生態学的アルゴリズムに過ぎない人類は無意識のうちに自らのデータをすべてインターネット上に蓄積し、あらゆる意思決定を人類よりも合理的な判断ができる工学アルゴリズムであるAIに委ねるようになる一方、ほとんどの人類が肉体労働・知的労働の両方で不要になるという悲劇的な未来を招く。

    そのような最悪の事態を避けるためには、人類はあらゆる宗教や文化、国家や民族に共通的な倫理観(「世俗的な理想」)として、合理的な手法での真実の追求、他者の苦しみに対する共感、多様性を重視しつつ階層のない公平性、思想や実験の自由、一切の偏見や抑圧に対して戦うと同時に無知や不確実性を受け入れる勇気、そして何をすべきであり、何をすべきでないかについての主体的な責任を負う(宗教などに拠り所を求めない)ことが必要と説く。

    また個人レベルでの意識改革として著者が推奨するのが「実用的な瞑想」すなわちマインドフルネスであり、宗教色を排した実践的な瞑想によって「虚構の物語」に踊らされることなく自らの意識や物事の本質に目を向けることで、たとえAIがほとんどの経済活動を支配する社会になったとしても、意味のある人生を送ることが可能であるという。

    前二作のように明確な「結論」が示されるというよりも、著者自身が前著出版後に世界各地で多様な人々との間で交わした議論をもとに、読者にもその議論に加わるよう誘う“入口”として、様々な論点とそれに対する著者なりの考え方が示される。著者の分析の奥深さや切れ味鋭い論評は変わらないが、タイトルが表すとおり21個のテーマに関する「レッスン」として、現在進行形の議論に自らも参加する気持ちで読むのが良い。

  • ホモ・サピエンスの来し方、行く末?としてのホモ・デウス、そして、この書は、「今」を、技術、政治、絶望と希望、真実、レジリエンスと大きく5つのパートに分け、さらに相互に関連する21のレッスンという形で議論するもの。著者の個人的見解も強く示されている箇所があり、深く考えさせられました。しっかりと噛み込んで、読み直しが必要と思いました。

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