The Hundred-year-old Man Who Climbed Out of the Window and Disappeared

著者 : JonasJonasson

• Hesperus Press Ltd (2014年2月21日発売)

感想・レビュー・書評

[gurudoneさんの感想 · 2014年7月29日]

この作品では、2つの話が並行して進みます。1つは現在、もう1つは過去です。
現在編は2005年、しょっぱなから100歳のアランが自身のパーティーを飛び出し、周りの個性的なキャラを巻き込みつつ笑える展開を見せつけてくれます。
過去編は、世界の史実にフィクションを織り交ぜながら、歴史上の有名な人物たちと関わってきたアランの波乱万丈な人生を語っています。

問題なのは、過去編が異様に本作品のスペースを取っているところ。確かにトルーマンやスターリンや金正日などとも関わって歴史的事件にも影響を与えたアランの人生は面白いものがありますが、長い長いタイトルが示すように、主役は過去のアランでなく100歳のアランのはずです。もう少し過去編を削って現在の方で話を膨らませるべきだったのではないかと思います。後半から現在編にも少し影響してくるのですが、この延々と続く回想が面白くないと、チャプター間の長い過去編は苦行になるでしょう。

現在編が面白かっただけに、過去編の冗長な展開で勿体無さを感じました。