The Code Breaker: Jennifer Doudna, Gene Editing, and the Future of the Human Race
- Simon & Schuster (2021年3月9日発売)
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Amazon.co.jp ・洋書 (560ページ) / ISBN・EAN: 9781982115852
感想・レビュー・書評
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Walter Isaacson の書いた本はいくつか読んできたが(Einstein, Jobs, The Innovators, DaVinci)、私には少しTech Optimist 過ぎるかも〜と思っており& Doudnaさんが戦闘的すぎて(研究はすごいけど)あまり好きではないと思っていて、というのもあり、この本を読むのも敬遠してたのだが Ezra Klein podでのIsaacsonインタビューを聞いてみるとかなりバランス取れてそうだと思って読んでみた。ら、やはりかなり Optimist & Doudna賛同者ではあった、が、話はわかりやすく面白かった。ふだんクリスパー関連は情報多すぎて私もあまりニュースを追ってなかったがこの本のおかげでとても整理された。
最初はダウドナ氏の人物伝と研究とクリスパー研究競争について。ショスタク研でphdをしたあとバークレーで自分のラボを開いてRNAの構造と生化学の第一人者として活躍してたお方。CRISPRが細菌の免疫システムだと発見されて世界中で研究が進んでたときダウドナ氏はしらなかったが微生物学者Charpentier氏がRNA生化学ができる研究者を求めてダウドナ氏にコンタクトをとり共同研究がはじまる。アイサックソンしかによれば、そのときまでに、Cas9とcrRNAが重要であることは言われてたが、tracrRNAの重要さや役割はまだ曖昧だった。それがダウドナシャルパンティエ共同研究で明らかになった: DNAを切るために必要な十分条件はCas9, tracrRNA, crRNAの3つである。と。それをはじめてインビトロで明らかにした。
同時期にいろんな研究者がクリスパー研究をしていてそのひとたちも紹介されるが、なかでもブロードのファンジャン。かれはもともとTALENやZFN使ってヒト細胞のゲノム編集してたが、やはりクリスパーシステムにも目をつけて、いろんな組み合わせて、DNA切断に必要な組み合わせをさがしてた。ダウドナシャルパンティエ論文の直後にCas9を応用したものでヒト細胞ゲノム編集、論文出版。チャーチも同時期。その後の特許バトルも詳しい。これを読んでも、ダウドナさんが必要以上に戦闘モードすぎて拗れたのではと思ってしまうのだが、著者はどっちかというとダウドナ氏擁護?世論もそんなかんじだった気がする。でもダウドナさんが工学にリスペクト払ってない感がわたしはあまり好きではない、、わたしはエリックランダーの意見がごもっともだと思ってしまう??もちろん大きなコントリビューションしたのは間違いないが、ダウドナ氏のことば遣いでクリスパーキャスを「私の子」のように語りすぎることに違和感だった。シャルパンティエ氏も似たようなコメント。たしかに競走に勝ったのはすごいけども、、
そのつぎはゲノム編集、とくに人間のゲノム編集の是非について。中国のクリスパーベビーの話、He Jiankui の話しがとても詳しくて面白い。彼は純粋に頑張ってたんだろうなあ、、ちゃんと米国教授とか米国マスコミとかとも入念に準備していた。でもバイオエシックスとか国際世論わかってなさすぎたのかな。生まれた双子のゲノム配列がパブリッシュされてたけどそれを見た友人はこれはやばいと言っていた。そしてこの本ではヒトのゲノムを編集する是非についてかなり詳しく議論している(EzraKlein pod では殆どがこの話であった)。著者はかなりオプティミスト寄りである、、?Biohacker Zaynerさんとかでてくる。慎重にしかし前進すべきと言ってる。あとJames Watsonの差別的思考とか優生学の危険の話とか。個人的にはシッダールタムカジーのgeneの本のほうがこのセンシティブな話を上手に議論してたような、、。ハンチントン病とか鎌状赤血球症とかはゲノム編集治療して人類から消してももいい?身長体重髪色は?自分の子供に望む形質を金持ちだけが買える社会、ますます格差が固定される?などなど。
さいごは新型コロナ。ここの話題はアッチコッチいっててあまり纏まりがなかったが、しょうがない?クリスパー使った検査ツールをダウドナ陣営もジャン陣営も開発してて、特許論争事件とは逆で、みんなオープンでやってる、という話。
そして、一昔前のコンピュータこように、こんどは分子生物学が一般の家庭にも広がってきたぞ!みんな分子生物学に慣れ親しむ時代だ!というメッセージでおわる。
印象的なのは本の前半のダウドナとジャンの研究論文バトル。相手陣営の情報を入手して、査読を早めたり、真似だと訴えたり。著者は、好戦的な人は研究に必要だ!だから研究が加速する!と言って褒めてるけど個人的にはどうなのかなーとおもう、好戦的で搾取的なやり手の研究者に、優秀でクリエイティブな人が潰されてきたのをたくさんみてきたので、、、まあトップはこうあるべきなのだろうか?弱肉強食こわい私には無理だった。というわけで著者のenthusiasmや意見はあまりシェアできないなとは思ったが、内容についてはとてもよくかけているわかりやすく素晴らしい本でした。 -
登場する人達https://booklog.jp/users/ritsuonishiuchi#のスナップ写真が多くのっていて、その人たちの現実の歴史なのだとういうことと 人物描写以上に写真が人物を語っていて 印象的。CRISPRの発見物語が半分。CRISPRの未来をどう考えるかが半分。COVID-19については、何年かたって読み返すとき、どういう思いをわかせるのかは わからない。厚いほんだけど、余白が多いので あっという間に読めた。面白かったです。
WalterIsaacsonの作品
