アンパンマンの遺書

  • 岩波書店
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000000642

作品紹介・あらすじ

やさしいヒーローを生んだ、やわらかな生き方。アンパンマンは、人の心の一番やわらかい片隅から飛び立つ。アンチ・スーパーマンを育んだ、しなやかな人生70年。アンパンの顔に隠されたもう一つの戦後漫画史。

感想・レビュー・書評

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  • 今は亡きやなせたかし氏の生前の遺書。亡くなった後だから余計に泣けてしまう。冒頭部からかなり感情移入をしてしまう。この本は亡き夫人に捧げた本だろう。夫人への愛情をひしひしと感じる。大器晩成のやなせたかし氏の意外な人生を知ってもらいたい。(図書館)

  • やなせさんが生きてきた中で関わった仕事はとても多く、種類も様々であったことがわかった

    だからこそ、自分は何がやりたかったのか、ずっとわからなかったという

    でも、その多岐に渡る経験は、アンパンマン誕生にとても影響を与えていて、今尚人気が残っているのだと思った

    アンパンマンに込めた、やなせさんなりの正義が理解できた

    小さい頃読んだ紙芝居や、中学生時代に見ていたアニメのアンパンマン
    やなせさんの込めた思いなどは知らなかったけど、楽しかったことを覚えている

    今後は、やなせさんが込めた思いを意識しながら見てみたい

    また、タイトルに"遺書"という言葉を入れたのは、関わった人々がだんだん亡くなっていき、悲しかったからだと思う

    とても謙虚で、自分はB級だ、というように書かれているが、才能溢れる方だったからこそ、様々な仕事を依頼されたのだと思う

    サンリオの前身の会社との関わりや、手塚治虫とのお仕事など、魅力的なお仕事をたくさんしていた

    相互に影響を与えていた、手塚治虫や大友克洋などの作品も見てみたくなった

    やなせさんの作詞も、正義とは何か、考えられていて、いま私たちが考えるのもいいと思った

    2013.12.15

  • 奥様を亡くされた時に書かれた自伝。
    アンパンマンの顔が無くなるのは、無名の市井の人こそヒーローで、顔のないアンパンマンの姿こそ描きたかったのだという。

  • やなせたかしさん自身による自伝のようなもの。
    どのようにしてアンパンマンが生まれたのか。

    戦争を経験し、長い下積み時代を過ごし、やなせさんの人柄のせいか、たくさんの不思議なご縁で色んな仕事をすることが出来た。
    本の中で何度もご自身で「なぜ?」と問いていたけど、それはやっぱり人柄としか言いようがないと思う。

    決して順風満帆な人生ではなかったけど、素晴らしい人生だったと思います。
    でも来世では、もう少し奥さんのことを気にかけて欲しいですね。
    それは本人が一番分かってることだと思いますが…。
    アンパンマンは子供にとっても、大人にとってもヒーローです‼︎

  • 2013年10月13日に亡くなられた誰もが知ってるヒーロー「アンパンマン」の生みの親 やなせたかしさんが奥様が亡くなられたのを機におよそ20年ほど前に書かれた生前の遺書

    やなせさんが鬼籍の人になられて丁度1年経った今この本を手にしたのも何かの縁かな?

    アンパンマンは自分と同じ年代生まれで、ヒーローなんだけど「カッコイイ」だけじゃなく人間臭くて「何のために生まれて何のために生きる」そんな誰もが持つ疑問にもそっと寄り添ってくれる

    やなせさんの生い立ちから戦争体験 就職してから奥様との出会い 奇跡の積み重ねのような出会いの数々
    やっぱり人生って「縁」だよね
    出会うべく人には最高のタイミングで出会うべくして出会う物
    「大器晩成」「とりあえずなんでもやってみる」
    遅咲きでもいいじゃないか
    生きてる限り 未来から見れば今日が一番若い日

    子供がいなかったやなせさん夫婦にとって「アンパンマン」は子供のような存在
    アンパンマンだけでなくやなせさんこそが「BE HERO」だな

  • 1994年11月発行 アンパンマンはぼくの子どもであり、ぼく自身でもある 子供の時は自然の中で遊んでいた方がいい。基礎体力をつけた方がいい ルネ・クレール「巴里祭」 日本には年号がある。明治、大正、昭和と変わっていく。不思議なことに年号が変わると、時代が変わる

  • <閲覧スタッフより>
    2013年10月に亡くなった「アンパンマン」の生みの親であるやなせたかしさん。激動の時代を生きたやなせたかしさんの人生、そして人生の結末とは…。アンパンマンのテーマソングにもある「なんのために生まれてなにをして生きるのか」と自分に問いかけたとき、答えることのできる生き方をしなければならないと考えさせられる一冊です。
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    所在記号:726.1||ヤタ
    資料番号:10129392
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  • 器用貧乏なオッサンが歳を取ってから売れる悲劇。やなせたかしが好きになったよ、俺。

  • タイトルでなんとなく借りた本だったけど、すごく面白かった。
    「詩とメルヘン」は中学の図書館に置いてあって、たまに読んでいたけど、
    サンリオとやなせさんによって創刊されていたことをこの本を読んで知った。
    そのときなんとなく感じていた怖さは、
    やなせさんの強い思いに怯んでいたのかなぁ。
    童話作家というわけではなく、いろんな仕事を行ってきたことも初めて知った。
    あんぱんまんのアニメは、自分が生まれる1年前に放映が始まったとか、自分はあんぱんまん世代なんだな。
    OPにもEDにも歌詞に自分の名前入ってるし。

    「なんのために生まれて、なんのために生きるのか
    答えられないまま終わる、そんなのはいやだ」
    自分を見つめ直すのにも聞きたい曲だなと改めて感じました。

    絶対的な正義なんてなくて、あるとしたら、
    他人への優しさなのかもしれないと考える。

  • (メモ:高等部2年のときに読了。)

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著者プロフィール

1919年生まれ、高知県出身。百貨店宣伝部にグラフィックデザイナーとして勤務の後、漫画家・絵本作家として活動を始める。絵本の作品に『やさしいライオン』『チリンのすず』『あんぱんまん』(フレーベル館)など多数。2013年永眠。

「2022年 『アンパンマンかみしばい③』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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