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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784000002424
作品紹介・あらすじ
「官僚政治」の主役として行政のリーダーシップを担ってきた大蔵省。だが戦後四十余年を経て日本の官僚制も変容した。この「党高官低」現象をいかに捉えるべきか。昭和40年、均衡財政主義から脱却し赤字公債発行を余儀なくされた大蔵官僚を事例として取り上げ、現代日本の政策決定過程を分析するための新たな理論モデルを提示する。
感想・レビュー・書評
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大蔵省を論じた本を読みました。再読です。政治学の俊英たちは、大蔵省を博士論文のテーマにします。主な研究者だけで、加藤淳子さん、真淵勝さん、牧原出さんがいます。この本も、そんな本の一冊です。他の本は、ある程度記憶があります。残念ながら、いつ、どこで読んだのか記憶がありません。財政硬直化キャンペーン失敗について論じた部分を読みました。財政硬直化キャンペーンは、赤字国債発行を余儀なくされたことに由来します。戦後の大蔵省にとって、均衡財政は守るべき最大の目標でした。ただし、何故、均衡財政を守るべきなのかについて、理論的根拠があるわけではありません。財政当局としての職業的直観にすぎません。これでは、世間を説得することはできません。そこで利用されたのが、下記のような理屈です。日本の国際収支は不安定である。拡張的財政政策を採用すれば、国際収支は赤字に転落するだろう。国際収支の赤字をまぬがれるためには、均衡財政が不可欠である。均衡財政を維持するためには、硬直化した現状を改革する必要があるというものである。ただし、このキャンペーンは失敗しました。無敵を誇った大蔵省の政治力の失墜に由来するわけではありません。政府与党との交渉プロセスで致命的ミスを犯したわけではありません。自民党との力関係が、変化したわけではありません。大蔵省の見通しが間違っていたからです。以後、大量に赤字国債は発行されましたが、国際収支が赤字に転落することはありませんでした。つまり、大蔵省の見通しは、完全に外れました。この手のキャンペーンは、世論の支持があってこそ成立します。見通しを外した大蔵省のキャンペーンを世論が支持するわけありません。
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