現代紛争の構造: 非極モデルの構築のために

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000005944

作品紹介・あらすじ

国際政治を大国(「極」)間の関係として捉える従来の理論では、現代の国際構造の変動における「非極」(第三世界、民族解放運動など)の果たす役割は解明できない。本書の「非極モデル」は、非極の動向に焦点をあて、極-非極の対抗関係のなかに平和と紛争のダイナミズムを位置づけ、現代の国際紛争の動態と平和への方途を展望する。国際政治の理論的枠組みを問い直す意欲的な問題提起の書である。

感想・レビュー・書評

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/485505

  • 1992,5刷

  •  去年の6月頃に仙台の古書店で購入した進藤栄一の80年代の著作。正直、買う必要は全くなかったと思う。
     第1に、大前提として下らない右派左派イデオロギー論争の中にあり、リアリズム批判をしているというくだらない内容。
     第2に、極と非極は帝国論の中心と周辺、もしくはウォーラーステインの世界システム論のパクリだろうが、いずれにしても「非極モデルの構築」を目的にしている割には、非極からの視点は皆無。所詮は抑圧された、苦しめられたというような上から、もしくは先進国の左派運動家の見もしない机上の議論の域を出ない。中東やアフリカを語るならその地域について少なからず調べるべき。
     第3に、リアリズム批判はいいとしても、そもそもリアリズムの定義なしに、論壇の保守や右派を一緒くたにしているのには呆れる。あるいは、彼が「リアリズム論者」とする連中を相手に勝手に想定問答を展開するので読む方は呆れて嫌になる。最後の100ページは速読で中身を頭で理解することも半ば放棄した。
     こうしたくだらない論争に、まだ日本の学術界が引っ張られているとすれば、往年の平和主義者こそが保守的で頑固という指摘も理解できる。無論、往年の保守主義者の議論の飛躍とアホな戦略論もリアリズムとはほぼ遠いのも確かだが。いずれにしても、こういう方々には早く退場して頂きたい。

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著者プロフィール

進藤 榮一(シンドウ エイイチ):1939年生まれ。京都大学法学部卒業。同大学大学院法学研究科博士課程修了。法学博士。筑波大学名誉教授、アジア連合大学院機構理事長。専門はアメリカ外交、国際政治経済学。『現代アメリカ外交序説』で吉田茂賞受賞。著書『敗戦の逆説』『東アジア共同体をどうつくるか』(以上、ちくま新書)、『アジア力の世紀』(岩波新書)、『アメリカ帝国の終焉』(講談社現代新書)など。

「2022年 『日本の戦略力 同盟の流儀とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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