最底辺 Ganz unten―トルコ人に変身して見た祖国・西ドイツ

制作 : マサコ シェーンエック 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 26
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000008822

作品紹介・あらすじ

ヨーロッパ経済の繁栄を「最底辺」で支える東欧・中近東・北アフリカからの移民労働者たち。彼らはヨーロッパ社会の最下層で、本国人の嫌がるダーティな仕事に追いやられている。西ドイツの有名な暴露ジャーナリストであるヴァルラフは、カツラや色つきコンタクトレンズでトルコ人の変身して、移民労働者たちの生活世界に潜入した。農場・建設現場・工場の下層労働者、新薬開発の人間モルモット、労働手配師の手先として過す日々。先進社会の繁栄の影を鋭く描いた迫真のルポルタージュ。

感想・レビュー・書評

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  • 面白そう!と思って何とか入手した本。ドイツ人がトルコ人に変装し、ドイツにおける人種差別や下層社会を探るルポルタージュ。

    今でいうブラック企業のテュッセン。塵芥まみれの中、マスクも貰えず労働に勤しむ。若者は老け、いつも腹を空かせている。そういう職場で、ドイツ人に差別されながら、トルコ人は働いていた。なぜ、トルコ人は差別されるか。宗教の違い、同化しない態度、低賃金でドイツ人の職を奪った事、ドイツ人の特権意識の強さ…。

    労働条件の悪い環境下でのトルコ人の就労は、人種差別というよりも、貧困の悲惨さを示している。職を選べない、社会において力を持たないという事がどれほど大変な事なのか。思い知らされる内容である。

  • ドイツ人が、カラーコンタクトとカツラでトルコ人になりすまし、外国人労働者がいかに劣悪な労働環境にあるかを告発した本。
    すばらしいと思う。

    だけど最初の方は、どことなくマイケル・ムーアみたいである。
    マクドナルドの体験記はただの皮肉だし、カトリックへの改宗はそれは意地悪というものだろうと思う。もちろんどちらにしても、根底にある差別意識というのはあり、それを告発するつもりだったのだろう。
    しかしたぶん、やってみたら、思っていたよりもひどかったのではないかと思う。

    変な話だが、前半のマクドナルドや改宗の話は、確かに差別の話だ。
    しかし後半の派遣労働になってくると、差別の問題であるといえるのかどうか。

  • 1980年代の旧西ドイツにおける移民労働者問題をとりあげた本。著者はカラーコンタクトをつけ、トルコ人になりすまし、移民労働者を活用する企業に潜入し、その劣悪な就業状況を暴くという非常に興味深いルポルタージュです。

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