自然と人間の哲学

  • 岩波書店 (1988年2月26日発売)
4.29
  • (4)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 24
感想 : 4
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784000010481

作品紹介・あらすじ

自然は人間と関係を結ぶことでその姿を現わす。傷ついた自然の風景は、経済合理性が貫徹し生産技術の勝利が謳歌される現代に、影として重くのしかかる。自然との共生に敗北した今こそ、自然と人間そして労働の意味を間い直す時なのだ。ユニークな労働過程論を展開する著者が、山里での経験を踏まえて構築する現代の自然哲学。

みんなの感想まとめ

自然と人間の関係を深く考察する本書は、現代の経済社会における自然の姿と人々の営みを鋭く捉えています。著者は、貨幣経済の浸透によって変わりゆく価値観や労働のあり方を分析し、自然との共生が難しくなった現代...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 貨幣経済の成立以降、その有り様を変えてしまった山村の自然と人々の現実に触発され、自然と人間の関係についての考察を深めていくのだが、そこから導き出されたものは、生活の隅々にまで浸透した商品経済と消費社会、そしてそれに伴う労働や価値観の変化など、容易には変えることのできない人と自然の姿であった。

  • 自然は本来人間からみた客観的対象ではあり得ない。人間の生活の営みそれ自体が自然と人間との交通の一部であり、自然と自然の交通、人間と人間の交通へとゆるやかに関連してきた。人間は貨幣経済の浸透によって"合理的な"交通を考案し、自然を対象と捉えるようになった。自然と人間の交通や人間の営みは"合理的に"整理/カテゴライズされ、貨幣価値につながるものこそが価値あるものというイデオロギーの浸透によって、もはや健全な交通の時代には立ち戻れないのだろう。

  • 長年わたしが知りたかったことが書き尽くされている。
    なぜ生きづらいのか?不安ばかりが募るのか?仕事したくないのか?周りは嫌なやつばかりなのか?

    見事に分析され記述されている。読んでしまえばなぁ~んだそうだったのかというようなシンプルさなんだが、わたしは絶対ここには辿りつけないし、このようにかかれたものもみたことがない。しかし、その結論に救いはない。昔はよかったと過去には戻れないからである。著者の内山さんも重々そのことを承知していらっしゃる。だから、全編に得も言われぬ哀しさが漂っている。

    拝金主義はますます確固たるものになり、資本主義経済社会は終わらない。自然は破壊され続ける。これが結論なのだが、まずそのことを自覚しなるべく多くの人と共有しなければ…
    できることをコツコツと。ぼちぼち生きていくよりしかたがないだろう。

    Mahalo

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

内山 節:1950年、東京生まれ。哲学者。1970年代から東京と群馬県上野村を往復して暮らす。NPO法人・森づくりフォーラム代表理事。『かがり火』編集長。東北農家の会、九州農家の会などで講師を務める。立教大学大学院教授、東京大学講師などを歴任。

「2021年 『BIOCITY ビオシティ 88号 ガイアの危機と生命圏(BIO)デザイン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内山節の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×