水深五尋

  • 岩波書店 (2009年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784000010771

みんなの感想まとめ

戦時下のイギリスを舞台にした物語は、16歳の少年チャス・マッギルとその仲間たちがドイツのスパイ捜しに挑む冒険を描いています。彼らの活躍は単なる少年の冒険にとどまらず、戦争や階級、移民問題など深刻なテー...

感想・レビュー・書評

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  • スタジオジブリの冊子「熱風」で知った作家さんの本。

    第二次大戦下のイングランドの小さな港町での青春を描く。Uボートによる貨物船襲撃の裏にはスパイ活動があるとにらんだ主人公らは興味半分でスパイ探しをする・・・16歳の多感な時期が戦争の只中だなんて、コロナ禍どころではないだろう。現実にもそのような事態に陥っている国もあるけれど、子供達はこんな日常をおくっているのでしょうか?この本には戦争批判といった単純な話はなく、人種差別、親子の関係、階級闘争、移民問題、ちょっと甘酸っぱい青春が多層的に描かれていてとても印象的です。児童書とかヤングアダルトの範疇を超えていると思える大人感満載。自伝的要素も強いとのことですが、戦時下での当事者目線で描かれている心情がとてもリアルだし、たくましく暮らしているところも心に残ります。名作。
    「海神の島」に続き偶然にも戦争が強い影を落とす物語でした。現実の世の中でも紛争(とかいってますがもはや戦争)が絶えないきな臭い世界となってしまっただけにいっそう心に響きます。
    同じ登場人物が出てくる「機関銃要塞の少年たち」も探してみよ。

  •  池澤夏樹の書評集の紹介で知って読みました。宮崎駿が愛した作家で、挿絵や表紙を彼が描いています。
     イギリスの児童文学だそうです。中学生くらいの少年二人と少女二人の活躍です。第二次大戦中、ドイツの空爆とUボートの攻撃にさらされているイギリスの港町のお話。
     感想はブログに書きました。できれば、そちらを覗いてください。
     https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202312170000/

  • 池澤夏樹・春菜の父娘対談『ぜんぶ本の話』で評判の高かった児童文学です。第二次大戦下のイングランド北東部の小さな港町を舞台に、16才の少年(チャス・マッギル)と幼なじみの仲間たちが、ドイツのスパイ捜しに大人たち顔負けの大活躍を繰り広げるイギリス伝統の冒険小説です。登場する人物の一人ひとりの描写が、繊細かつ骨太に表現された格調ある物語となっており、大人にも読み応えのある作品でした。名翻訳に併せた宮崎駿の挿絵が際立っています。

  • ふむ

  • うーん
    ウェストールは評価も高いし、「そっか」と思うところも多いのだけれど、読みにくいなあと思っている。
    この時期、戦争を取り扱った本を子どもたちが読んでくれるといいのだけれど。

  • 1943年、第二次大戦下のイングランド北東部の港町を舞台に、ナチスのスパイさがしをする少年たちのお話。少年少女の冒険というには危険すぎ、当時の社会情勢の描写もあって、中盤からはハラハラしながら読んだ。タイトルは、シェイクスピアの戯曲『テンペスト』の詩から、変わってしまうもの、信用をおけないものに気づく主人公の成長を象徴しているようだ。水深の五尋は約9mか。
    世界の信じられなさの中でラストの父親の変わらなさが何ともかっこいい。
    恋のゆくえや少年たちの悪ふざけや冗談など、児童書らしさも感じられたが、逆にそうした描写についていけない自分の年齢的な(?)もどかしさを感じた。
    表紙や挿絵は宮崎駿によるもの、だから読みたいと思ったわけではないが、ウェストールを読んでみる理由が自分でも分かっていないということは、そうした話題に引っかかったのかもしれない。
    19-52

  • これは面白かった。チャスの成長が読んでて胸を打たれる。読んで良かった。

  • ミステリーとして、歴史小説として、秀逸。

    子供が大人になる、劇的な成長がいとも簡単に、しかし丁寧に描かれている。さっぱり、でも愛を持って書くウェストール、すごい。

  • チャス、セム、オードリ、シーラ・スマイソン

  • 資料番号:020199725
    請求記号:933ウ

  • あとがきにも触れられていますが、特にイギリスでは未だに幅を利かせているという階級制度に対し、若者らしく純粋に反発し立ち向かおうとする主人公チャスに共感します。それはさておきスリリングな展開と苦味の残るラストはウェストールならではです。ティーンエイジャーの女子の大人ぶりと男子のおバカぶりがおもしろいです。挿絵は思ったより少なく、どことなくウェストール作品によく挿絵を描いているジョン・ロレンスをほうふつとさせます。

  • 少年たちの交流がみずみずしく、とてもいい。ユーモアもあり、ほろりとさせる。一気に読めます。

  • 「ウェストールが思い切りのめりこんで書いた作品だと思う、どこをどう切ってもウェストールだ」(訳者あとがきより)本当にその通り!!!今現在日本で出ているウェストール作品の様々なエッセンスを詰め込んだ、最高の少年文学である。
    戦時下のイギリスを舞台に、ひょんなことがきっかけで友人とドイツのスパイ探しをすることになったチャスだが…それは次第に深刻な事態へと変わっていく。スリリングで、少年らしくやんちゃな冒険ものかと思いきや、戦争・階級・移民問題などなど内包される問題はなかなかに深く、そこに淡い恋も絡み、最後までぐいぐい読ませてくれる。ヘヴィーでシリアスだけど、時には人の優しさに触れてこちらまでほろりとしそうになった。
    戦時下の話なのに、現代社会と絡めてみたくもなる。権力とか、政治とか…そういった巨大な力に翻弄され、理不尽な思いになすすべもなく立ちすくむしかないのは、いつの時代も同じなのだろうか。「公務上の秘密」とか。そういったものに勇敢に立ち向かうチャスの姿は、読んでいて爽快だった。勿論、チャス自身、何度も窮地に追いやられ、なかなかに苦い経験を繰り返す。だけど一皮むけたチャスはいい男に一歩近づけた気がするのだ。
    他にも何人か登場する、男気あふれる大人たち。目立たないけど、親でありながら同じ男として、ほどよく距離を取りつつ息子を理解し、見守る父親が素敵でした。大人の男に読んでほしいなぁ、ウェストール。児童文学の枠を超え、大人だからこそわかることがたくさんあると思うので。男性なら尚更、共感できる点は色々あるんじゃないかな。

  • 久しぶりにロバート・ウェストールの作品を読んだ。社会人になっても楽しめるかちょっと不安だったけど、やっぱりウェストールは面白い!

    ただ戦時中の話ってだけじゃなく、お父さんがちょっと左なところとかも描かれていて、その辺りがまさしくウェストールらしさでもう!全部翻訳して出して欲しいな。

  • 訳は金原瑞人、野沢佳織。
    表紙と挿絵をスタジオジブリの宮崎駿監督が書いてみえます。

    舞台は第2次世界大戦中のイギリス。

    その海岸近くの町に住む少年が、ドイツのUボートに密かに情報を送っているスパイを探し出そうと、友達と一緒に奮闘するのですが…

    スパイが本当にいるのかいないのかは置いといて、町中の人を次から次へと疑う少年が、その人たちと触れ合うことで、戦時中の人々の心、成長する少年の心を描いています。

    少年の恋も描かれていて、積極的な女の子に対して、とまどっている少年、という対比が、その年頃の少年少女の違いをよく表していて、ちょっと笑えます☆

    誰でも少年少女の頃は、多少は大人のことを汚いとか嘘つきだとか思ったことがあるでしょう。
    確かにその通りで、作品の中の大人たちも、けっして英雄でもなければ聖人でもありません。
    ウェストールの作品には、そんな大人たちが、迷いながら苦悩しながら生きる姿がそのまま描かれていて、大人だからといって誰も「正解」なんて持っていないのだということがよくわかります。

    読んでよかったと思える作品でした。

  • 人種問題とか 階級問題とか いろいろなことを考えさせる 内容でした

  • 第二次世界大戦中のイギリスを舞台にした16歳の少年の話。
    筆者の自伝に近いらしく、当時の様子と心情がリアルに描写されている。
    児童向け。世界史で大戦のことを習っていれば読めるかな……?Uボートとか出てくるので
    海の近くで暮らした人には面白いのかな?私は違うのでそこらへんはわからなかった

    宮崎駿/画

  • 昼食を食べながら岩波の新聞広告で発見!うーん、金原さん、本格的にウェストールやるのね…「ごひろ」という単位でもうナイス!『ブラッカムの爆撃機』の時はちょっと口調があわないように思ったところもありましたが、今回はその面を補正すべく共訳者さんがおられるということで、楽しみです。

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