スピノザと十九世紀フランス

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感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000010887

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた本。
    フランスとスピノザとの関係を19世紀を中心に描いた作品。スピノザの変幻自在ぶりというか、つかみどころのない人だなあと思う。

  •  「スピノザはほとんどまともに読まれていなかったという俗説は間違っている。スピノザ像は色褪せずにずっと機能していた──もちろんさまざまなデフォルメを伴って。スピノザは多くの対立を露呈させるある種のアトラクターである」。

     『スピノザと十九世紀フランス』(2021/2、岩波書店)序p.6、ヴェルニエールの言をまとめた文章から。
     本書はスピノザを通じて19世紀の様々な対立、問題、思想家たちの躊躇を浮き上がらせる、問題史的一冊。本書はスピノザという問題を突き詰めることで、哲学史的間隙を埋めようとする野心的な試みだ。

     19世紀フランス。第一帝政、復古王政、七月王政、第二共和制、第二帝政、第三共和制という政治的転変。教科書的な歴史は、この70年弱を歴史的に整理することまでならできるだろう。が、その水面下にある活性を示すことは難しい。これだけの革命と政変があるなかで、19世紀の論者たちは混乱さなかそれぞれ自らの秩序を探し求める。神的、政治的絶対者の不在は思想的な激変をも引き起こしているわけだ。その状況下で参照され続けたのが、あのスピノザだったとしたら?

     19世紀フランスのアクロバティックな運動性が示される諸論考が一冊にまとまった。哲学研究者だけでなく、多くの研究者に読まれてほしい一冊だなあ、と思う。

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著者プロフィール

1951年生まれ。大阪大学名誉教授。

「2022年 『〈私〉の哲学を哲学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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