対談集 つなぐ建築

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 90
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000014069

作品紹介・あらすじ

市場化を推し進めたグローバル経済の挫折、そして東日本大震災という破局のあと、建築界の世界的フロント・ランナーは、なにを考え、建築をどのように変えようとするのか。失われた人と大地との結びつき、人と人とのかかわりを取り戻す建築とは-。伊東豊雄、岡田利規、佐々木正人、原武史、藤森照信、御厨貴、蓑原敬と語る。

感想・レビュー・書評

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  • 対談形式。
    震災時のインフラのあり方を後半のエピソードから読み取った感想より、インフラのありがたさ、また建築の日常感大事さがわかる。
    住む場所をおろそかにしてはならない。その空間も含めて。
    土とコンクリートじゃないが、基盤がいかに大事かを個人的に思う。

  • つなぐ建築というタイトルだが、建築自体が何かをつなぐ媒体となるための議論というより、建築が社会とつながっているためにはどのような視点が必要なのか、改めて考え直すための対談集という印象を受けた。

    建築や都市計画といった分野だけでなく、デザインや演劇などの世界においても、社会の様変わりに対してどのように関係性を再構築していけばよいのかということが問われている。

    演劇やデザインの領域は、クライアントや最終的にその成果物を消費する消費者(購入者や観客)との関係が建築と異なるため、変化への向き合い方も異なっているように感じた。そのようなことが新鮮な観点から物事を考えるきっかけになると思う。

  • 御厨貴:権力の館を歩く 吉田茂、佐藤栄作、中曽根康弘、麻生太郎、小泉純一郎、田中角栄と館との関係 コルビュジエの建物を見てみたい 公共建物はますます無個性化しています 藤森照信:歌舞伎座の建替え 利休キリシタン説は想像力を刺激しますね 原武史:団地のスターハウス 団地の風景とソ連の労働者住宅は、世界中を眺めても突出して似ている 

  • 中央線界隈におけるサブカル要素の誕生、東北大震災復興にむけた建築家としてのあり方といった様々な題材をもとに隈と専門家が対談する様子を著した本。隈は今まで銀座歌舞伎座や太宰府の参道にあるスターバックスといったものを設計してきているが、多彩な建物をデザインする能力は建築家としての技量だけでなく、アーティストとして都市や建物などのデザインが移り変わる様子を長い目で俯瞰できる能力にも基づいていることを気づかされた。

  • ファサード、肌理(きめ)、光の粒子
    鉄道

  • 隈健吾さんが建築についての対談集。興味深かったのは、政治家の家にまつわるエピソード、歌舞伎座がオペラ座を模した混沌とした安土桃山に回帰した建築であること、空間と思想との関係、日本の公団住宅ちより生まれた思想、千利休がキリシタンであったのではとの仮説、東急と西武の違い。

    政治家は別荘を持つことで、政治の中心と距離を持つことで元老としての地位を維持した。呼ばれて行くまでの時間稼ぎが、要。一方自宅と別荘で会う人間を変え、一人になって考えることをした。

    歌舞伎座は、西洋に感化され、オペラ座の如く社交の場として、ヴァイタリティー溢れる安土桃山時代を彷彿とさせる目立つ建築物となった。
    祝祭性を重視した最後の建築家山田五十八とモダニズムとテクノロジーの美しさを追求した丹下健三以下現代の建築家。

    西洋の建築は個人の才能の上に作るのではなく、歴史のヘリテージの上に乗っかって作っている。山田五十八は世の中と幸福な関係の最後の建築家。その後の建築家はアイロニカル。

    日本の公団の団地のような建物は社会主義国にしか見当たらない。日本は団地に住むことで社会主義的な発想が生まれて行った。

    空間と思想とには密接な関係がある。

    東急沿線は、戸建開発が進むまでの時間を繋ぎ、顧客をストックするため公団や県に土地を売り、団地を駅前に作った。

    アフォーダンス

    都市には混沌とした空間が必要。
    幕張のように最初に志高く作った街は、住民が文化を維持する。
    古い建物をリノベーションするアジアの文化は、新しいハコモノで自滅する日本が見習うべき。

    中長期の計画だけでなくとりあえずの住宅や工場も必要。微妙さが大事。曖昧な境界で自然を取り込んで利用する。

    建築も自然さ、正直さが重要。

    沿線開発に一貫したビジョンを持つ東急と団地だけを建設した西武はブランド戦略で商売をした。プリンスホテルか壊されたのも納得。

  • 対談集だったけど、結構、この人、面白いなぁ、と思ったので、他の本も読んでみようかと思った。特に、御厨貴との対談は、面白かった。(13/7/19)

  • 負けるの方が面白い

  • 隈研吾さんとさまざまな方の対談集。建築と政治の距離感や、集合住宅が近代にどういう影響を与えてきたか、そして隈さんの計画する歌舞伎座と銭湯の関係など。決して建築家のうんちくトークではなくて、町や場所といった、僕らが暮らすところの成り立ちやこれからが、静かな期待とともに語られています。
    建築を生業としていない人が読む機会は少ないのかもしれませんが、かなり平易な言葉で、そういう仕事じゃない人にこそ読んでもらいたいなあという本でした。

  • 建築に関係する社会学といった感じだろうか。
    各界第一人者同士の対談で新しい発見もあった。
    ただ、著者がゼネコンの仕事の取り組みに良い印象をもたれていないことが分かる記述がいくつかり、その点が気なって仕方なかった。

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プロフィール

1954年 横浜で生まれる。1979年 東京大学工学部建築学科大学院修了 コロンビア大学客員研究員2001年 慶應義塾大学教授2009年 東京大学教授現在 隈研吾建築都市設計事務所、東京大学教授◆主な作品「森舞台/登米町伝統芸能伝承館」「那珂川町馬頭広重美術館」「サントリー美術館」「根津美術館」

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