月の満ち欠け

著者 :
  • 岩波書店
3.61
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本棚登録 : 1540
レビュー : 259
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000014083

作品紹介・あらすじ

内容紹介
新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし
あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。この数奇なる愛の軌跡よ! さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。

著者について
佐藤正午(さとう しょうご) 1955年8月25日,長崎県佐世保市生まれ.北海道大学文学部中退.1983年『永遠の1/2』で第7 回すばる文学賞を受賞.2015年『鳩の撃退法』(小学館,2014年)で第6回山田風太郎賞を受賞.そのほかの著作に『ジャンプ』『身の上話』(光文社),『5』(角川書店),『アンダーリポート』(集英社),『小説家の四季』(岩波書店),『小説の読み書き』(岩波新書)など。本作『月の満ち欠け』 第157回直木賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 今日ディーラーに車の点検に行って来た。
    待ち時間に読みかけのこの本を読む。
    物語もいよいよ終盤。
    参った、涙で視界が滲んでくる。
    そんな時に「お待たせしました」って営業さん。
    涙止まらないし、鼻水すすってるし、ちょっとおかしなおばさんて思われたかも。

    いやー、今年読んだ中で(大した数読んでないけど)間違いなくダントツ一番。
    ミステリーと恋愛がどちらも破綻せずに融合していて、この面白さ。
    佐藤正午の本は好きな本いっぱいあるけど、これ一番好きかなぁ。

    時間軸を行ったり来たりする展開や、すれ違う男女、SF要素が入っているいるところ、どれもこれもまさに佐藤正午なんだけれど、まったく使い古されてないしマンネリ感もない。
    純粋にその世界にはまって、どうしようもない心のありようにただただ途方に暮れてしまった。
    こんな恋したいよねー(笑)

    読みたい本もさほどなく、読んでも熱中せず、ブクログからは遠ざかり…
    ご無沙汰しております、フォロワーのみなさま。
    こんな私ですが、この本のレビューだけは書きたかった。
    一人でもいいからこの本を読む気になってくれると嬉しいなぁ〜

    • nejidonさん
      おお、vilureefさんのレビューが(笑)!!!
      何と何と嬉しいことでしょう。
      この日を待っておりましたよ。
      小説はあまり・・のワタ...
      おお、vilureefさんのレビューが(笑)!!!
      何と何と嬉しいことでしょう。
      この日を待っておりましたよ。
      小説はあまり・・のワタクシですが、読んでみようかと思っております。
      当たり外れが大きいので、外した場合はもう腹が立ってね(笑)
      しかも当たりは数少ないんですよね。

      また気が向きましたらいつでもレビューを載せて下さいませ。
      でもお仕事じゃないので、無理は禁物ですよ。
      2017/06/15
    • vilureefさん
      nejidonさん、アイコンの写真変わったんですね!(←今更??)
      私、nejidonさん、見つけられなくてどうしてるかなって思ってたんで...
      nejidonさん、アイコンの写真変わったんですね!(←今更??)
      私、nejidonさん、見つけられなくてどうしてるかなって思ってたんですよー!!
      ご無沙汰してます。コメントありがとうございます!

      体調、いかがですか?
      無理なさいませんように・・・。

      佐藤正午、私大好きなんですけれどレビューも少ないし、名前も売れないし・・・(^_^;)
      私はどんぴしゃなんですけど、かなり癖があるのかもしれませんね。
      私が大絶賛して、がっかりさせちゃったら申し訳ないです・・・。
      でも一度お試しを・・・(笑)

      私も、時々はブクログ顔を出すつもりでおりますので末長くよろしくお願いします(^_-)-☆
      2017/06/16
  • ブク友さんからのお薦めで7月15日に図書館でリクエスト。
    今月の20日にようやく手元に届き、遅読の私が2日間で読了。
    早い人なら半日もかけずに読み終えるだろう。
    ページをめくる手を止めて考え込む場面など、ひとつもない。
    それほどさらさらと読めるというのは、作者さんの確かな力量あってのものだろう。
    とにかく読みやすい。
    輪廻転生をテーマにした恋愛ファンタジーとでもいうのだろうか。
    多少ミステリーの要素もあり。
    割と使い古されたモチーフだが、情念に溺れず、かと言ってドライにも傾かず。
    「どうなる?」と展開を予想させる精密なプロットと絶妙な筆致で、上手い作家さん
    だなぁと感心しきり。

    物語は「瑠璃」という女性の生まれ変わりを軸として進む。
    ただこの女性が登場するのはお話が四分の一ほど進んでから。
    生まれ変わりのおかげで四苦八苦&右往左往する家族(特に男性は被害者と言っても
    良いほど)たちの方に、むしろ視点は多く当てられている。
    また、「瑠璃」がそれほどまでに相手に思いを残して死んでしまったのは「不倫」
    ゆえであり、その代償かと思うほど輪廻転生もなかなか首尾よくはいかない。
    ここまで周囲を混乱させてまで転生したいのかと少々辟易もするが、登場する家族たちの
    会話や回想から見えてくる細やかな心の機微が甘く切なくて、読みどころはこちらかと。

    興味深いのは、三度の転生が全て幼い少女の身を通して行われること。
    読み手としては、ここがもどかしいところ。
    たぶんこうなるだろうという着地点だったが、不倫相手はすでに中高年の域。
    対して、幼い少女である。この後の展開は・・相当辛くなりそうだ。
    ただ、序盤から登場している「小山内」という男の、ラストのエピソードにはじわっと来た。
    こちらを膨らませてもうひとつ書いてほしいくらいだ。

    自分自身で言えば、輪廻転生などしたくないな。
    他人の人生を乗っ取ってまで、自分の思いを遂げたくない。
    満ち欠けする月のように生まれ変わるよりも、樹木のように穏やかに満足して生きたいと願う。

    今回思いがけず直木賞受賞作品を読むことになってしまったが、それが妙に
    恥ずかしくて(笑)読んだのは内緒にしようかと思ったほど。
    でもお薦めしてくれたブク友さんを思い出し、感謝を込めてのレビュー。
    本当に久々の「小説読み」は新鮮な体験だった。

    • vilureefさん
      nejidonさん!!
      まあ、何と言うことでしょう!
      nejidonさんの本棚にはけっして並ぶことのないようなたぐいのレビューが!
      ブ...
      nejidonさん!!
      まあ、何と言うことでしょう!
      nejidonさんの本棚にはけっして並ぶことのないようなたぐいのレビューが!
      ブク友さんて私のことですよね?
      それなのに、今日までブクログ放置していて、ごめんなさいm(__)m

      いやー、でもうれしいな(笑)
      まさかまさか、読んでくださるなんて。
      ☆の評価はさておき、ページをめくる手が止まらなかったということは合格点かな(*^_^*)

      >今回思いがけず直木賞受賞作品を読むことになってしまったが、それが妙に
      恥ずかしくて(笑)読んだのは内緒にしようかと思ったほど。

      いやいや、恥ずかしいなんておっしゃらず(笑)
      とっても嬉しいです!!
      長年nejidonさんをフォローしていらっしゃる方々はびっくりされたかもしれませんが(^_^;)

      私こそ感謝です。
      たまにしか顔を出さない私でも、ブクログに帰ってくればnejidonさんがいて、こうして素敵なレビューを残してくださる。
      あー、嬉しい。
      今日はいい日になりました!
      2017/09/26
    • nejidonさん
      vilureefさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます。とっても嬉しいです!
      はい、ブク友さんというのはvilureefさんの...
      vilureefさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます。とっても嬉しいです!
      はい、ブク友さんというのはvilureefさんのことですとも!!
      予約を入れてから直木賞を受賞されて、かなり焦りました。
      こりゃ、えらいこっちゃ!
      そんな作品なら、別に私が読まんでもええんちゃう?他にもおるやろ!
      でも心に決めたことなので、しっかり読ませていただきましたよ。
      星の数はご覧のとおりですが、佐藤さんという作家さんの巧みさは
      おおいに堪能させていただきましたよ=
      あはは、そうですね。他のブク友さんはびっくりされたかもです・笑

      いやいや、このレビューでvilureefさんにコメントをいただくなんて、
      ものすごく恥ずかしいです。テレテレです、もう。
      普段は手を出さないような作品も読むことが出来るって、ブクログならではですよね。
      自分の世界が広がったようで、とっても新鮮な機会でした。
      どうぞまた、面白い本に出会えたら教えてくださいね。
      2017/09/26
  • [瑠璃も玻璃も照らせば光る]
    愛する人に再び巡りあうために、月の満ち欠けのように何度も生まれ変わる瑠璃。

    なんとも言えない読後感でした。
    そこまでして彼に会いたかったのか…
    その強すぎる意志が、空恐ろしさにつながってしまう。

    個人的には輪廻転生を信じたいので、わからなくもないけれど、
    瑠璃という女性のエキセントリックさに、今一つ寄り添えなかった。
    不倫という意識が邪魔をしてしまうのかもしれない。
    小山内のこの後が気になってしかたなかった。

    2017年度上半期、直木賞

  • 月のように欠けてもまた満ちてゆく。生まれ変わる。ただ、あなたにまた出会うために――。
    瑠璃と同じくらいの年齢や、もっと若い頃なら、私もそう願ったかもしれない。いや、そうだ、実際に願っていたんだ。記憶を持ったまま、生まれ変わって、また、逢いたい。あなたに。と。
    その頃に読んでいたら、きっとロマンティックな想いに浸れたのに。
    だけど、樹のような生き方もできない今、もう月のようにとも思わない。思えない。瑠璃のその深い想いが羨ましいような、うっとおしいような。
    私には瑠璃の執着がなんだかとても、とても怖かった。
    怖いくらいの“愛”、それはやっぱり羨ましいものでもあるのだけれど。

    • vilureefさん
      おかえりなさ~い(*^_^*)
      嬉しくて涙が出そう(笑)
      私も放置気味でしたが、細々とやっています・・・
      おかえりなさ~い(*^_^*)
      嬉しくて涙が出そう(笑)
      私も放置気味でしたが、細々とやっています・・・
      2017/10/17
    • 九月猫さん
      vilureefさーん♡
      ただいまーーっ!・・・と胸張って言えるほどアクティブではないのだけど(笑)
      でも、ただいま♡
      ほぼ別サイトの...
      vilureefさーん♡
      ただいまーーっ!・・・と胸張って言えるほどアクティブではないのだけど(笑)
      でも、ただいま♡
      ほぼ別サイトのレビューそのままの芸の無い短文での更新が多くなると思うのだけど、またよろしくお願いしますです(*_ _)ぺこり。

      ところで、この本のvilureefさんのレビューを読ませていただいて、ああ素敵な感性をお持ちだなぁとうらやましくなりましたよ。
      私はやっぱり瑠璃の想いが執着としか思えなくて、怖かったの。でも若い頃ならきっと瑠璃に共感していただろうなぁとも思うのね。
      だから、vilureefさんの「純粋にその世界にはまって、どうしようもない心のありようにただただ途方に暮れてしまった」という文章に、わぁ私もそんな風に読みたかった(若返りたい?w)と思っちゃいました( *´艸`)
      また素敵なレビューをたくさん読ませてくださいね♡
      2017/10/17
    • vilureefさん
      やだー、そんなにおほめ頂いて恥ずかしいですー(笑)
      私は瑠璃=壇蜜で読みました( *^艸^)
      体は少女でも心が壇蜜だったらおじさんノック...
      やだー、そんなにおほめ頂いて恥ずかしいですー(笑)
      私は瑠璃=壇蜜で読みました( *^艸^)
      体は少女でも心が壇蜜だったらおじさんノックアウトかななんて(笑)
      あ、素の私がでてしまった(^^ゞ

      それにしても直木賞ってすごい!
      九月猫さんまで、佐藤正午を読むなんて!!
      この私がドキドキします(笑)

      私もボチボチしかレビュー書いてませんが、またよろしくお願いしますね♪
      2017/10/18
  • 第157回直木賞受賞作品。初読み作家。
    目の前にいる娘は、亡き娘の生まれ変わりなのか?月の満ち欠けのように生まれ変わる少女に、3人の男性が関わる。何度も生まれ変わっても、彼女は愛する人を探し求める。
    冷静に前世などと考えると、理論的にはなどと考えたりしてしまいそうだが、余り違和感なくストーリーに入り込めた。純愛なのか、SFなのか。一つ間違えると、ホラーやオカルト的な要素が強くなってしまいそうだが、そうしたこともなく一気に読めた。ラストは予定調和だが、それでもぐっときた。

  • 2017年上半期、第157回直木賞受賞作。

    月が満ちては欠け、また満ちていくように、何度でも生まれ変わる。あなたに会うために‥
    望んで生まれ変わっていく女性・瑠璃を巡る物語。

    自分の幼い娘が古いことを妙によく知っていて、実はある女性の生まれ変わりなんだと言いだしたら、どうするか?
    一方、亡き我が娘の生まれ変わりだと言っている子がいると、聞かされた親の方は‥?

    ごく普通の人々が、驚き戸惑い、半ばは信じつつなお悩み、半ばは疑いつつ否応なく振り回されていきます。
    このリアルな普通っぽさと、思わず先を知りたくなるリーダビリティがたまりません。

    もともと、高田馬場のレンタルショップで出会った年下の恋人とは、わずか半年ほどの付き合い。
    運命の恋なのね!と納得するほどの必然性や盛り上がりはあまり感じられないのです。
    でも、生まれて初めて、本当に好きだと感じた‥
    それが大事なのでしょう。
    そこが切ない。

    一途な気持ちのままだから、幼い少女に言われてもそれほど違和感はないけれど。
    30余年とはいえ、そんなに何度も生まれ変わっても、相手は年取っちゃうし‥、どうなの?などとあれこれ頭を悩ませつつ。
    終盤の思いがけない展開に、一瞬まさか‥と、周りを見回すような気になったり。
    手練れの物語運びを堪能させていただきました。

  • 上司に薦めてもらった本。
    メモを取りつつ、時系列を整理しつつでないと読めない。どこが重要なのかがわからないから、よく前に戻る。
    混み混みしていたが、面白かった。
    しかし、私にはほんの数ヶ月不倫していた相手に会うために、何度も生まれ変わるというのがあまり理解できない。
    そして、それ以前がなかったというのも納得いかない。
    三角の人格が後半あまり出てこなかったのももったいない。
    人体が生まれ変わったというよりは、精神をのっとったという感じなのか。
    多重人格の逆のような感じ。ひとつの人格が時を重ねず多数の人体に宿る。

  • 佐藤正午はリーダビリティーと雑誌で読んで、それが納得できる作品だった。かなり読みやすく、するすると先へ進める。倫理的な面で引っかかりを覚える読者はかなり多いだろうし、親の気持ち、振り回された周囲、当人たちの年齢差とかを考えるとこれはけして幸せな恋愛小説ではない。ただ個人的には、なりふり構わず自分勝手なのがのめり込んだ恋愛というものだろうし、小説世界は読者を倫理的に安心させるためにあるものではないのだと思う。

  • 少女漫画ならおなじみの設定、生まれ変わり。
    あたしもご多分にもれずに大好きな設定で、今回の直木賞受賞を知り、読みたいと思い、本屋へ。
    しかし見つからない!
    都心で4軒まわって見当たらず、こうなると余計欲しくなるもの。
    5軒目にようやくありました。

    さて、感想は。
    うーん。
    期待したほどではなかったかな。
    ヒロイン(1代目)がそこまでの固執をなぜ彼にもったのかがわからなくて、そこから先に必然性が感じらなくて。
    あと、ラストはどうするんですか笑
    年の差あきすぎー!


  • お堅いイメージの岩波書店がこの手の恋愛ファンタジー小説を出したことに軽く驚きました。
    生まれ変わってかつて愛した人のもとへって、下手すると陳腐なメロドラマに成り下がってしまいそうなものですが、緻密な構成とベテランの巧みな筆致でどんどん物語に引っ張られていきました。
    ラストはそこまで衝撃的とは思いませんでしたが、まあ普通にいい作品だと思います。

    個人的には「ありえないことが現実に起きた」ことにするよりも「ありえないことがもしかしたら起きたのかもしれない、結局よくわからない」ぐらいのニュアンスのほうが好みというか、物語により深みが出たんじゃないかという気がしますが、逆に今より分かりにくくするとついてこれない読者も出てきそうですし、難しいところですかね。

    私、佐藤さんの作品は10年ぐらい前に1冊だけ読んでいます。
    確か光文社文庫から出ている『ジャンプ』だったと思うのですが、あんまりいい印象じゃなかった記憶しかないです。
    理由も忘れてしまいました。実家に本があるはずなので帰省したら再読してみようかな。

    それにしても、デビュー33年目の著者ご本人にとってもまさかの直木賞ノミネートでしょう。
    選考委員の半分以上が佐藤さんより後にデビューしているんだから、きっとみんなやりにくいだろうなあ。
    この賞の傾向としてファンタジー作品に厳しいので受賞は難しそうですが、ひょっとするとひょっとするかもしれません。

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著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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