ニコライ遭難

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000017008

作品紹介・あらすじ

明治24年5月11日、来日中の露国皇太子襲撃さる-明治日本を揺るがした大津事件。ニコライの長崎来航から、日露の緊張、裁判、そして犯人津田三蔵の死まで未公開記録を踏まえ、事件の全貌と歴史の核心に迫った待望の長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • ニコライ二世が、皇太子時代に訪日した際遭難した『大津事件』。
    淡々と、あまり感情的なものが挟まれずに物語が進んでゆくため、そういう作風に慣れてない身にはやや前半が退屈に感じられた。
    けれど、緊張の糸を張り巡らせながらも歓待しようとする日本側と、それを汲み取りにこやかに受ける皇太子の品のよさが、この作品に暖かなものを与えている気がします。
    興味深そうに日本の店を見て周る様子も微笑ましい。

    そして事件で一転する空気。
    一気に緊迫感が高まり、後半の、恐らく大津事件最大の焦点となった裁判模様には、結末を知っているとは言えドキドキするものが。

    当時の日露関係を、自分は長いこと誤解していたのかもしれない。そう思わせてくれる作品でした。

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著者プロフィール

吉村 昭(よしむら あきら)
1927年5月1日 - 2006年7月31日
東京日暮里生まれ。学習院大学中退。在学中、大学の文芸部で知り合った津村節子と結婚。
1966年『星への旅』で太宰治賞、1972年『深海の使者』で文藝春秋読者賞、1973年『戦艦武蔵』『関東大震災』など一連のドキュメント作品で第21回菊池寛賞、1979年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、1985年『冷い夏、熱い夏』で毎日芸術賞、同年『破獄』で讀賣文学賞および芸術選奨文部大臣賞、1987年日本芸術院賞、1994年『天狗争乱』で大佛次郎賞をそれぞれ受賞。吉川英治文学賞、オール読物新人賞、大宅壮一ノンフィクション賞、新田次郎文学賞、太宰治賞、大佛次郎賞などの選考委員も務めた。
徹底した資料調査・関係者インタビューを背景にした戦史小説・ノンフィクションで、極めて高い評価を得ている。上記受賞作のほか、三毛別羆事件を題材にした『羆嵐』が熊害が起こるたび注目され、代表作の一つとみなされる。『三陸海岸大津波』は2011年の東日本大震災によって注目を集め再評価を受け、ベストセラーとなった。

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