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Amazon.co.jp ・本 (300ページ) / ISBN・EAN: 9784000017473
感想・レビュー・書評
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古本市で学生時代の先輩の名を見て手に取った。
書名の“時期ずれ・ピンボケ”を承知で軽い気持ちで読み出した。しかし、そのいい加減な姿勢には反省である。歴史を学ぶ意味を考えさせられた書である。
蓮實さんの自論を誘水にして、山内さんが 歴史と歴史学、日本の歴史学、歴史学の科学や政治や文学との関係などについて多くを語っている。彼のイスラム研究に至る経緯なども混じえて、碩学振りが如何なく発揮される。
若い頃から分野を問わない膨大な読書によって該博な知識を身につけ、それをもって研究生活に入り、イスラム史やスルタン・ガリエフ研究に傾斜していく経緯、その間影響を受けた研究者や思想、先生や同僚との交流、研究者になっていく心の推移など興味を唆る内容である。イスラム史の大家に成長する努力の過程もよくわかる。
おしなべて内容が無難であり、もっと思い切った主張や表現があってもよかったと思う。
専門分野はもとより他分野の論評も優等生的で多岐にわたる広範な知識が網羅されているが教科書のようで物足りない。
蓮實学長への模範解答で、山内さんの博覧強記をアピールしている感じにも映る。
学問究明のリアルな緊張感が伝わってこない。
この手の対談では自説の表明には限界があるかも知れないが専門分野の切実な課題などもあってよかった。
対談する二人の各々にとって、これを発刊した本当の目的は何であったのか、不思議な「作り」の本である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分が大学に入って、2年時、著者の一人である山内氏の歴史の講義で指定されていた。受講者も多く、またカリキュラムの都合上他の講義を優先することになったが、本を手にとり、蓮實氏のはしがきとはじまりの付近を読んで勝手に共感した本。その後、その先を読まずに放置していたが、数年前に改めて読み、共感をあらたに、そしてその直感に間違いはなかったと知った、有益な問題意識に溢れる対談。歴史について考えるのであれば必読。
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蓮実さんの講義は受けたことはないのだけど本書内で感じる独特な語り口。山内さんに対してはほぼ講義通り一貫した態度を感じる。ただ、好き嫌いははっきり分かれそう。だから読んでいて面白いのかと思う。
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